甘いもの　シロクマ文芸部

甘いものに目が無いのよ私。ありがとう。で、御用件は？

え？何の話？悪魔の弟子なりたいですって？
魔女や魔法使いには弟子がいるけれど、悪魔に弟子はいないわよ。悪魔の弟子って小説や戯曲の中の世界にしか存在してないの。事実そうなのよ。あなた本気で言っているの？悪魔がもし存在したとしても弟子を取ることなんてあり得ないわよ。私は悪魔でもないし、悪魔の知り合いもいないのだけれど。

ええっ、そうじゃないの？

そうか、私を頼って来たと言うことは、あなたは誰かに私の事を聞いたのね。もしかしたら……

そうなのねⅯ氏か……
『悪魔のお菓子』と言われるお菓子のシリーズ、知っているでしょ。あれ、私の仕事。お菓子の新商品の開発をしているの。巷で話題の『悪魔シリーズ』は私が手掛けているのよ。悪魔でさえこっそり食べていると言われるほどなんだから。
私は弟子は取らない主義なの。せっかく来てくださったのにごめんなさいね。
良かったら、一緒にお持たせのお菓子を頂きましょうよ。遠いところから来てくださったのでしょ。これからも『悪魔シリーズ』よろしくね。

これ、とっても甘くて美味しいわ。私始めて頂いた。
あ……、なんだか気分がとても良いわ。フワフワしてきた。何でも喋ってしまいそうよ。どうしたのかしら私。
ねぇ、あなた、何でも質問して下さって良いわよ。答えてあげる。

はいはい、新商品のレシピね。

了　573文字

小牧幸助さんの今週のお題「甘いもの」から始まる話です。よろしくお願いいたします。

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