「そこで世界は変わった」
9/16から開催される『Mr.Children tour 2023/2024 miss you』と題されたホールツアー。
「Mr.Children Hall Tour虹」以来のホールツアーとなりますが、そんな前回のホールツアーにて演奏された曲の中に特にも忘れ難い一曲があります。
当時僕は高校生でした。自分で言うのもおこがましいのですが、その競技界隈ではいわゆる強豪校と呼ばれるような高校に進学し、一年半が経過しようとしていました。しかしレギュラーには程遠い立ち位置で、部活の忙しさを言い訳に勉強も中途半端。何しにこの高校に入ったんだろうと悩んでいた時期でした。
そんな時に足を運ばせていただいたMr.Children Hall Tour虹 盛岡公演。ライブ参戦3度目にして前から4列目という神席でMr.Childrenを拝めることができたのです。
これまでにない距離で見れた憧れの人たちの演奏。セトリも本当に贅沢で、今ならもっとあの曲上手に聴けるのになぁ、、などとその時の自分を思い出しては嫉妬しながらその先の人生を過ごしています。
どの曲も本当に素晴らしい演奏で楽しい時間であっという間に時間が過ぎていきました。
そんなライブで最後の最後に披露された曲が僕らの音でした。
ライブ中は本当に幸せな時間なのですがふと「次いつMr.Childrenに会えるんだろうな」って思う時があるんです。
幸せの真ん中にいる時にその幸せを100%享受できない自分がすごく苦手です。
それはMr.Childrenのライブに対してだけではなく、高校生として過ごしていた自分に対してもでした。
この高校だからこそ出会えた人もいるのに、素晴らしい人生経験を積んでいるのに、選んだ高校間違えたかなって思ってしまっていたんです。
完全に自暴自棄になっていました。
しかし
「bye-bye bye-bye bye-bye」
と言う桜井さんの優しい歌声が耳に届いたと同時に、一気にその時抱えていた悩みが解けていくような、肩の力が抜けていくようなそんな感覚に包み込まれました。
これはうろ覚えなのですが、僕らの音を演奏する前に「今日のお別れにこの歌をお届けします」と桜井さんが言ってから演奏が始まったと記憶しています。
その時ふと思ったのです。
Mr.Childrenはその瞬間との別れと優しく向き合ってるなって。
Mr.Childrenはこのツアーだけでも何十もの会場を回ってきて、そしてこれまでも何回も何回もライブをやってきてその度にお別れの時間があったことでしょう。
だからこそこうやって優しく向き合えるのだなって感じつつも、決してこの別れを等閑視してる訳でもなくて、ちゃんと次を見据えているんだなと。
一方自分は過去を憂いたりその当時の自分の状況に絶望したり、前を見れず振り返ってばかり。
あのときはあんなに自信を持てたのに、あのときああすれば良かったのになって。
でもこんなふうに自分も過去と向き合ってばかりいないでちゃんと現実や未来と向き合えたらなって高校生ながらに思ったのです。
まさに「そこで世界は変わった」という感覚がしたのでした。
「リズムやハーモニーがふっとずれてしまっても信じた音を奏でよう」
「まだイントロも終わってない」
「理論や知識に基づいたものじゃなくても信じた音を奏でよう」
「きっと正解もない」
というような言葉たちも
特にラスサビ前の間奏が持つ、僕らの音という優しい世界観の中にあるたしかな力強さも
この曲で感じることができた全部をこれから先も忘れないでいようと思っていると自然と涙が流れていました。
貧乏学生だったので行ったライブのDVDは買わない、行けなかったライブのDVDは買うというルールを作っていました。
そのため「Mr.Children、ヒカリノアトリエで虹の絵を描く」のDVDは持っていませんでした。
あれから時が経ち「大人」と言われる歳になり、行ったライブのDVDも買い集められるようになりましたが、この「Mr.Children、ヒカリノアトリエで虹の絵を描く」だけはなんとなく買えないでいたんです。
でも先日、再びホールツアーが発表され、やはり前回のホールツアーの様子が見たいと思う欲求が高まり、購入しました。
心動かされまくりでした、、
あの時の情景を思い出すことができつつも、半分ほどしか盛岡で演奏された曲が収録されていなかったので、そんな収録されなかった曲たちを記憶の中に留め続けることもできて良かった。
もちろんあの時の僕らの音が記憶の中にあり続けるのも。
残念ながら覚えてないこともあるけど、あの時Mr.Childrenに見せてもらった「虹」だけは永遠に消えることがないのだから。
さて、今日から9月ですね。
僕らの音に出て来る世界線も9月。前回の盛岡公演も9月でした。そして何よりこの9月からmiss youツアー始まります。(まだまだ僕らの音の世界線から思い起こされる初秋感なるものには程遠い暑さではありますが、、)
そんな9月の始まりにどうしても文字に起こしたくなった個人的なエピソードに長々とお付き合いありがとうございました。
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