ミラノデザインウィーク N.2 〜 フィレンツェにて想う
ミラノデザインウィーク。本日はイタリアに来て7日目になります。毎日が感動の連続で、どこから日記にしていいかが迷うところなのですがフィレンツェとピサに訪れた時の事から書き記したいと思います。
4月8日7:18発。トレンイタリアのFS9301便にてミラノからフィレンツェへ向かいました。旅先で出会った仲間達と現地で待ち合わせの為、行きは一人で向かいます。スマートフォンを見ながら何とかチケットを取得し、特急電車の席に座りました。
車窓から見える景色は朝日が照らすイタリアの田園風景。見慣れたものとは違う木々や建物が美しいですが、空と太陽と雲は日本と同じ。どちらも美しい風景です。そこに暮らす人々は私と同じ日々の生活があって、色々な想いや希望を抱えながら生活されているんだろうなと思いを馳せました。
赤煉瓦の屋根と大聖堂の荘厳な姿が出迎えてくれるのだろうと期待に胸を膨らませていましたが、到着駅は近代的に洗練された建築物で、伝統的な街並みを目にするのは到着してから数分後の事になりました。
石畳の街路、様式美を保つマンションの間を抜けて姿を現したサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂。その巨大さと、細部にまで施された彫刻の美しさに息を飲む。
1296年9月8日に着工してから実に172年の歳月を経て完成したそうです。ガイドによると中世・ルネサンス初期に建造された為、禁欲的な宗教思想の影響から比較的簡素な作りらしいです。これで簡素と言っていいのかどうか…笑
限られた時間での弾丸ツアーだったので残念ながら内部には入れず(2時間待ちの行列でした)、クーポラ(赤い屋根のドーム)内部に描かれた「最後の審判」のフレスコ画を観ることはできませんでしたが、学生の頃から憧れだったフィレンツェのドゥオモを観ることが出来て感激の一言でした。
ここまでの一連の流れで感じたのは、各国の文化が醸成された伝統的な街並みと、それを作り上げた職人達の技術は本当に素晴らしいという事。
フィレンツェ駅に到着した時に、赤いレンガの街並みが瞬時に出迎えてくれなかった事に少し寂しさを感じました。日本の京都駅に到着してから三十三間堂や清水寺に向かうまでの街路がアスファルトの道だった時と同じ類の、ちょっとした寂しさ。
もちろんそれを否定する訳ではなく、伝統的な技術や文化を遺していく事も、現代に生きる者の役目の一つだなと感じたのです。
私も技術を生業としているものとして、伝統的な文化も、現在進行形の技術も、大切に醸成させて守っていこうと思いました。