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古墳に想う
近所に古墳跡があると知って一回行ってみたいと思っていて、行ってきました。
鶴川駅 「フェルシア子供短期大学行きバス」に乗り、妙福寺前で下車。
案内板も何もなし。
こういう時に頼りになるのはご存じ、グーグルマップ様。
程なく立て看板が見つかり左に曲がったのですが、すぐにこんな感じ。
右側すぐに「野草を摘むな」看板があって道がなさそうだったので左に。
そしてここ。
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悩んで、右の登り斜面へ。
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ビジターセンターとやらが約700メートルとあったので何か建物が建っていて、そのそばに古墳があるのだろう、という安易な考えのもとにどんどん進む私。こんな近所にこんなちょっとした山登りをしたような景色に出会える場所があるとは、と思いながら。
私の実家の八潮市は関東平野のド真ん中にある場所。よってこのような景色は普段お目にかかれなく、そして海もない埼○なのでよってどこぞの映画のネタにされるように海への羨望もあり。
ちなみに写真を撮りまくったのはちょっとした崖などもあって、道があるから人の出入りはあるのだろうけど人影もなく、もし万が一の時の捜索に手がかりになればと思ったから。流石に熊はいないだろうけれど。
そして小高い丘の頂きのような開けた場所に出ました。
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うん?
道が二手に分かれていたけど一方はまもなく道がなくなってきたので、もう一方の階段が設置された方へ。
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そして小道に出てしまいました。その小道を左側に廻ったら軽トラック三台ほどすれ違い、やがてはじめの立て看板のあった場所に戻りました。ありゃま。
諦めようかとも思ったけどバス降りてからまだ一時間も経っていないし日も高い。さっき迷った場所のもう一方に行けばいいんだろう、よしもう一度。
先程のビジターセンターの看板の所を左に。
と、唐突に立て看板現れました。
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お、着いた〜
そして気づく。あの看板、ビジターセンター方向が上になってたな。墳墓は下り、という意味だったなと。
人はこうして山道に迷うのだろう・・・
ある雑誌に「古墳は要はお墓だからね、お邪魔します、という真摯な面持ちで入ればいいのよ」と読んだことがあるので、お邪魔します。
さっきの分岐点、右に登ったから墳墓のうえに乗ったような形になりました。失礼しました。
写真撮らせていただきます、と一礼して
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外観だけでネットで拾ったようには墳墓の中には入れませんでした。墳墓入口の張り紙には"崩壊の恐れあるため封鎖、今後のため保存、整備、見学出来るよう努めて参ります"的なことが書いてありました。
古代だともっと木々がお生い茂り、道なども整備されていなかっただろうに、埋葬しに4人もここまで遺体を運ぶ、やはり強制労働的なことではなくて安置しておきたい、この土地の守り神的存在になってほしい、そんな敬意が払わていると思うのですよね、でなければ地震の多いこの国で盗掘や破壊もされずに現在まで遺っているとは思えないです。
もと来た道を引き返した時に、そういえばこういういわば雑草の生えた小道の土の地面を歩くなんて何年ぶりだろうとふと思って写真を撮ってしまいました。
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さてこの付近、グーグル様によると古墳群がある所。リサーチでも確か近くにまだあったような。
あらためて調べてみたらなんとここにくる時に降りたバス停の次の停留所そばにもあるらしい。距離もそんなに遠くない。
まだ時間もあるし、行ってみるか
ということで次の停留所に歩き出しました。
と次は直ぐに見つかりました。なんと道路沿いに並んでいたのだから。
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ある意味壮観な眺め。
直ぐに見つけたせいか、はじめに見つけた方よりもなんというか、ありがたみが薄れたというか。
この感覚、以前もあったのですよね、千葉のノコギリ山だかに行ったときかな。車でも行くことができたけれどメンツ的に多少は登ろう、ということになって、結構きつかったのですが、その分、名所になっているところに着いたときはなんかありがたみあったですよね。こんな観光地化する前は修験者が登るようなところだったそうですから。
何事も簡単に手に入るのはありがたみが薄いってことでしょうか。
しかしもったいないな、私の実家は江戸時代は干潟だった場所、古墳時代はおそらく海の底。それほど歴史が浅い。
こんな歴史の測れる場所があるなんて、社会科見学とかで来てもいいようなところなのに。
と思いつつも、古墳て要はお墓ですよね、代々土地を受け継いでいたとすればここには自分の祖先が眠っていたかもしれないんですよね、そう考えたら観光地化とかされて見ず知らずのものに祖先のお墓を踏み荒らされるのは嫌だよなとか思ってもみたり。
西谷戸横穴古墳群のように整備されきってしまうと、埋葬された当時の周囲環境が想像出来ない。
かといって下三輪玉田谷戸横穴古墳群のようにちょっとした山の中にあったから山を分け入って場所を確定、埋葬したのかもわからない。
まあ未だに残っているから地震で大きく変形する土地でもないだろう。
元々あった山の腹を削って墳墓にしたのか、あるいは石棺の後に土を盛ったのかもわからない。
わからないけれども簡単に出来るものでもないことは確か。
そして人の思いや営みは基本変わっていない。食べて呑んで寝て繁殖して争って.・・・
だからこそ、ここに埋葬しておきたいほど偉大な人だったのでしょう。今だって埋葬は法律に則ってするけれど葬式は有名人はお別れの会などを催して沢山の人が集まって盛大にやったりします。当人の意志が尊重されるけれどそうでなければ周囲の者の色々な想いが反映されます。
それは古墳時代だって変わらないでしょう。