語彙力とは想いやりの力

お久しぶりです。


競馬予想は昨年のAJCC以来、コラムも喫煙列車以来です。約1年半ぶりですね。今回はコラムを書きたいと思います。

競馬に関する話題から入りますが、最近放送・配信されたアニメ・アプリゲーム「ウマ娘」の記録的大ヒットにより、これまで競馬に全く縁のなかった人達も競馬に興味を持ち始め、自分の所に「競馬を教えてほしい!」って言われることが増え、嬉しい限りです。

そんな声に応えようと、天皇賞(春)の予想を一生懸命書いてたんですが、寝落ちしてデータが吹き飛んだり、仕事が入って忙しかったりで結局書き終えきれずお蔵入りになりました涙
まぁ予想は外れてたので、乗っかる人がいなくて助かったな、と少しホッとしてたりしてますが…。
競馬予想の仕方については要望が多いので、後日まとめて書きたいなとは思ってます。

ちょっと世間話が長くなりましたが、本題の「語彙力」について語っていきたいと思います。

語彙力とは

一般に語彙力と呼ばれる力は「語彙量」が豊富にあり、それを引き出す力のこと。よって語彙量が豊富でふんだんに使いこなせる人を「語彙力に優れた人」と称することが多いと思います。
しかし、そこに自分は違和感を感じたのです。
果たして語彙が豊富なだけが語彙力なのか?と。


例としてアニメ ウマ娘でのワンシーンを…(分からない人は是非アニメ ウマ娘を見てほしいです笑)

アニメ2期3話 トウカイテイオーがトレセン学園に入学し、入学式でのマックイーンとの出会いについて回想しているシーン


その入学式でシンボリルドルフの四字熟語を並べた祝辞
「新入生諸君が常に一心一意、時に豪胆無比に確固不抜の精神で勇往邁進していくことを心から期待しています。」

これって一見、ルドルフは難しい四字熟語をたくさん知ってて、とても賢そうな祝辞に見えませんか?
ですが自分はそう思いません。ハッキリ言ってここでのルドルフはバカです。アホです。こんなのエゴまみれの気色悪い祝辞ですよ。

なんでかって?殆どの人が、口頭で告げられたこの言葉の意味を瞬時に理解できないからです。テイオーは「さすが会長だな〜」なんて讃えていますが、テイオー自身は言葉の意味を理解できずに、難しい言葉を使いこなしている会長を単純にすごいと思っているだけでしょう。

言葉も、文字も相手に伝える為に存在するのであって、これでは意味を為さない。

こうやってコラムを書けているのは、自分という書き手がいて、貴方達という読み手ありきのこと。
折角 誰かに自分の考えを発信しているのならば、相手に伝わるように、読みやすいようにと、考えて言葉を選んでいます。
そうやって相手を想い、数ある言葉の中から適切な語を選ぶ行為こそ「優しさ」、タイトルの言葉を使うとすれば「想いやり」ではないでしょうか?


その想いやりの力が試される場面として例をあげてみます。小学生を相手に自動車が動く仕組みについて説明する想像をしてみて下さい。

もし、説明する相手が小学生ではなく、工業系の大学生だったら「エンジンルーム内でガソリンを燃焼し排気させ、ピストンを上下させることでクランクを回し、回転エネルギーを得る。そこで得られたエネルギーをシャフトを介してタイヤに伝達し、タイヤを回転させ推進力を得る。」といった説明でもいいでしょう。しかし、これでは小学生には伝わりません。

「エンジンの中でガソリンに火をつけて爆発させ、その力を回転する力に変えます。その回転する力を軸(シャフト)を通してタイヤに伝えると進みます。」
(トヨタのホームページを一部参照)
これくらい砕いて説明しないと伝わりませんよね?
こうやって易しい言葉に砕く力、砕いたとしても意味が壊れない言葉を選ぶ力。これが適切に使える言葉の力が本来の「語彙力」だと思います。
そこに相手に伝わるようにと、相手を想いやる力がないと、自分の語彙量をひけらかすだけの、エゴまみれの言葉になります。

とはいえ、熟語や専門用語って便利なんですよ。熟語は短い語で意味をまとめる事ができ、専門用語は日常生活では使わない語をまどろっこしい説明を抜きにして使うことができますからね。
だから使いたくなる気持ちは大いにわかるし、使いこなした方がかっこいいと思って、あえて使う時もある。
それでも、その気持ちをグッと抑えて、相手のレベルを認識し、それに合わせて伝えようとする努力と、数ある自分の語彙量の中から選んであげる。そのワンクッションを置ける人間になりたいなと思う。

結論
語彙力=語彙量+想いやり

ベースとして豊富な語彙量は必須です。また難しい語彙についても、ニュアンスだけの理解だけでは語彙を噛み砕くことが出来ないので、完全に意味を理解する必要もあります。でもそれだけじゃ語彙力とは呼べません。
その上に想いやりが足されることによって、シーンに合わせた使い分けができるようになって、初めて語彙力と呼べると思います。
ただの語彙量を語彙力にするためには想いやる力が必要。だから語彙力は想いやる力の上に成り立っている、素敵な力だと私は思います。


最後に、本文では一般的な「思いやり」や「おもいやり」ではなく、あえて「想いやり」を使いました。
この意図としては、相手の気持ちを想像し考えるというニュアンスを含めるためです。

以上、長くなりましたが最後まで読んで頂きありがとうございました。



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