"THE SUN ALSO RISESvol.207" the dadadadys × SIX LOUNGE

F.A.D YOKOHAMA。コロナ禍で、何かの企画でF.A.DのTシャツを買ってはいたけど、一度も行ったことが無かった。派手な、その日に出るバンドが書いてある看板と、店の赤いF.A.Dの文字を幾度となくTwitterで見ては「自分もいつか、ここで好きなバンドを見たい。中に入ってみたい」と思っていた。そんな中、ダダダとラウンジという組み合わせのライブが発表され、これは行くしかないと思った。派手な中華街の奥の路地。まっすぐ歩くとそこにあった。遂に来たんだな、と思う。
中に入った瞬間、モワッとした空気が流れて、ライブハウスに来たなぁ!と感じた。壁の至る所にポスターが貼ってあって、一段上がった段には既に人が沢山立っていた。

the dadadadys

前回のツアーで静岡に来てくれて、チケットをとっていたにも関わらず、直前で親知らずの腫れが引かずに泣く泣く断念した日からのリベンジ。小池さんが柵に立って、客を舐め回すように見る。既にたくさんの手と、歓声が上がり、凄いフロアに来たなぁ、と思った。

「あのー、今日月曜日じゃないですか?平日じゃないですか?」

おっとりとした、お友達と喋るような口調で話し始める小池さん。直後に光るまちが始まる。光るまちはteto の曲。音源で光るまちを聴いていた時、凄く凄くいい曲だと思った。月並みな表現しか出来ないが、ライブハウスに行っている意味とか憧れとか浪漫とか愛とか、そういうのが全てこの曲には詰まっている。光るまちに行こう、とみんなで手を上げて歌う。周りの大声シンガロングで、ここで既に耳が死んでいたけど、そんなのも全て最高だった。

「やれんのか横浜!今日は俺らとSIX LOUNGE が救ってやる!」
「終電逃せる人〜!」

小池さんの声に、みんな呼応して声を上げる。終電逃して遊んで、それでもいいと思える愛。
(許)。速いメロディーラインに乗って、みんながらららら〜と歌う。人の手でステージが見えない。みんなの熱気で湯気が上がる。それもまあいいっか、となる。汗かいても、まぁいっか。全部許せる場所。
Kill&miss。キルミス聴きたいなぁ、となんとなく思っていたら、急にキルミスが来て、胸が高鳴る。teto曲の中でも、かなり好きで、小池さんの歌詞の中の「あなた」への感情がとても好きだ。

しぇけなべいべー。歌詞がリアルで、これは男性にしか書けない歌詞だから、この感性が羨ましいなぁ、と思う。ゆったりなテンポなのに、歌詞が生々しいギャップが堪らない。
にんにんにんじゃ。上の鉄パイプに小池さんがぶら下がり、奥の客まで見渡した後、始まる。にんにんにんじゃは可愛い曲で、みんながしゅばばばーんとしてるのがなんだか不思議で面白くて可愛い。
忘れた。最初なんだこれ、と思うくらいには意外な曲。私の友達にはtetoが好きな人が多くて、忘れたをはじめとしたteto曲を聞くと、思い出す顔がたくさんある。しみじみと、この曲を聴きながら、その人たちのことをぼんやり考えていた。
拝啓。好きなんだなぁ、この曲。小池さんの哀愁感じる声と、バンドサウンドと、全てが良くて。拝啓聴きたいなぁと思っていたので嬉しかった。

「最高な曲を歌ったので、最低な曲を歌います。」

ROSSOMAN。自分は無くしものとか、忘れ物とか、どうしようもない所が多くて。この歌詞には共感できる所が多いから、最低な曲に報われてしまう自分がいる。物は無くしても、忘れられない思い出とか、忘れられない人とか、そういうものに想いを持って、生きて行くのが大切なのかもしれない。

らぶりありてぃ。淡々と進むこの曲も、ゆったりと聴きながら、みんなが横に揺れながら聴いてる感じが良かった。

「最後の曲です。これやってあとはSIX LOUNGE に託します!」

東日暮里5丁目19-1。いつかの地球最後は今夜がいいなぁ、と思う日だった。初めてこのバンドを生で見たけど、生音がカッコイイバンドだと思った。ライブパフォーマンスも、音楽の仕方も、MCで話す内容も、SIX LOUNGE とは似ているようで、全然違うところもあった。これだから、対バンライブは面白いんだろうな。

SIX LOUNGE 

ダダダの時から袖でニヤニヤしながら乗りながら見ていた優盛くん。相当ダダダの音楽が好きだったんだろうな、と思いながら、三人が出てくるのを待つ。電気が落ちて、光がパッと差し込む。三人が出てきて、歓声が。一音目、胸が高鳴る。

Lonely Lovely Man。この曲が来て、今日のライブの本気度が伝わる。この人たち、本気で私たちのことを殺しにかかってる。と思った。聞けると思ってなかったので、嬉しかったです。
天使のスーツケース。最早定番化している天使のスーツケース始まりではなかったが、二曲目にしっかり食い込んでくるこの曲。優盛くんの歌のうまさがライブハウスに伸びる。後ろの方で見ていたけど、相変わらずこの曲が私は好きだな、と思った。
僕を撃て。終盤に持ってきがちなこの曲が、序盤に入るときは最高な日だと思っている。僕を撃ては何回聴いても、バンドサウンドのかっこよさと歌詞の繊細さが良い。手が上がって、みんなでバイバイする。それも良い。
キタカゼ。突き抜けろ、で始まるこの曲。あっついあっついぎゅうぎゅうなライブハウスでも、風が入ってきたような、爽やかな曲。

「新曲やります」

Paper Plane 。最初のイントロから凄く好きな曲。リリースされたばっかりのこの曲だが、沢山の手が上がる。「才能が欲しいよね、でもちょっと適当でいいね。」っていう、我儘だけど人間らしい歌詞も、「じゃあ二人でね、幸せで良いね」っていう愛らしい歌詞も、全てが良い。人生は希望も絶望も全部持ち合わせた物だけど、その中にSIX LOUNGE がいるのはとっても幸せだと思う。

SHEENA。正直絶対にやらないだろうと思っていたので、無我夢中で走った。大好きな曲。イントロから最高で全部がいい。みんなが音ハメしてるのも、全部がいい。最高。本当に最高な曲。ずっとやって欲しい。お葬式でも流して欲しいほどにはこの曲が好き。
LULU。ここでも無我夢中で手を上げた。気持ちいい曲。かっこよくて、SIX LOUNGE らしい曲。前々回のツアーで聞いてから、聞いてなかったので、久しぶりに聴いてもやっぱりこの曲はずっとかっこいい。
ピアシング×4
1回目のピアシングは、いつも通りだった。二回目は陸くんのベースソロから入る。勿論フロアも上がって、みんなのテンションは有頂天だった。三回目、シンタロウくんのドラムから入る。三人がニヤニヤしながら、フロアを見ているのが良かった。
「あのー、ダダダの拝啓くらい行けますよね?来いよー!」
と珍しく優盛くんが煽り、フロアも一気にダイバーが続出する。私的ピアシング史上最大量ダイバーだったと思う。
 
「暑いな、暑い」

まだ湯気が上がるライブハウス。革ジャンを着てる優盛くんはとっても暑そうだった。私も汗だくで、周りもみんな汗だくだった。

「ちょっと涼しくなるまで待とうか」

とふざけつつも、涼しくなる曲と次の曲に入る。

骨。切ない歌詞に、切ない音。来世になっても、巡り会いたいと思えるほど愛せる人に私は今後出会えるのだろうか。来世になっても、ってことはそれ程想う人だろうし。いつかこの歌詞にとてつもなく共感を覚える日が来るといいなぁ、と思う。
「dadadadysめちゃくちゃカッコよかった。また対バンしてください!来年も、呼んでくれたら!」
「しゃーなし、今日はライブハウスやしみんなで歌おう!メリールー!」

大合唱から始まるメリールー。大人になりたくない、ずっと大人になりたくない気持ちを歌ってくれてるSIX LOUNGE が、今の私の支えで。大人になりたくないし、早く大人になりたい気持ちがせめぎ合って、でもずっとこの曲が私を包んで慰めてくれる限り、私は生きていける。

スピード。メリールーから、一気に速くなる。みんなの手がもっともっと上がる。大分のロックンロールバンド、ロックンロールは日本どこに行ってもかっこいいからずるい。
トラッシュ。お決まりの流れだけど、絶対に嬉しくなるトラッシュ。みんなで大きい声で歌うのも、楽しい。もっといけるだろ、と優盛くんに言われて更に大きくなる声。最高の瞬間。
ふたりでこのまま。どこまでもいける。フロアは踊ったり、手を上げたり、顔を見合わせて喜んだり。色々な楽しみ方をしていて良かった。

アンコール

骨。なぜか骨が二回きたので、そういう気持ちなのかな、と思ったら優盛くんのおふざけだった。

「すんません!ちゃんとやります!リカ!」

リカ。大好き。リカ。イントロからもう脳汁が出て、溶けそうなほど好きな曲。TikTokでバズってるらしいが、リカを幸せに出来ないのはSIX LOUNGE だけで、承認欲求を満たすにはあまりにも重すぎる曲。独占欲が出てしまうほどこの曲が大大大大大好きで、繊細な歌詞も音も、何もかもが全て良い。本当に好きで、複雑な気持ちだったけど、聞けて良かった。

「最後に踊りましょう〜」

SWEET LITTLE SISTER 。五月の大阪ぶりのSLS。フル尺。もう嬉しくて嬉しくて。みんなで踊って、手叩いて、歌って。本当に私が大好きなSIX LOUNGE そのもの。これを待っていた。次のSIX LOUNGE はツアーで、まだまだ先。でも今夜の最高を忘れずに日々頑張りたい。

はじめていった箱で、友達と、SIX LOUNGE とthe dadadadysの対バンを見れたのが本当に嬉しかった。これからもこの二つのバンドが楽しく幸せで音楽ができますように。最高な日に立ち会えてよかった!

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