climbgrow LOVE CROWN TOUR2024 名古屋
climbgrowに一発ぶち込まれてから、たまらず名古屋のチケットを父親が取った。今日のワンマンを楽しみにしていた。静岡の時は、スリーマンで、前2バンドの時間もあったし、実際climbgrow が演奏した時間はすごく短かっただろうけど、致死量のロックンロールにやられてフラフラになって帰った。そんな日から名古屋。すごく凄く楽しみにしていた。
Boom Boomに合わせて出てくる、この前よりも後ろの方だからよく見えない。四人が立って、自分はとにかく目を凝らした。
「世が明ける頃は君は」
シンガロング。でっかい声。杉野泰誠の腹の底からの声が、自分の心臓にバーンって当たるような痛くて、強くて、これを待ってたんだな。
「歌え!」
これがPoodleだとわかるまでに、すごくすごく時間がかかって、でも自分の口は歌詞を捉えていたことが一番怖かった。
「今を生きてやれ!」
毎日死にたい、絶望の縁に立って、早く殺して欲しいと思う日ばっかり。不甲斐ない自分に腹が立ったり、誰も悪くないからこそ行き場のない悲しみだったり、そういうちっぽけなことで早く死ねないかなとか思ってしまう。でも、きっと今を生きて、生きて、生きないとだよなと思う。
「瘋癲世界ノ少年少女」
泰誠くんがギターを置いて、マイク一本勝負の曲。柵前まで出てきて、ライブハウス全体を眺めていた。
「魂で灯せ、この時代に」
この歌詞が好きで、たまんないなぁ、と思う。
「Rain 」
土砂降りの景色が想像できる曲。泰誠くんの魂の叫び、かっこよかったな。
「BANG BANG BANG 」
絶対盛り上がる曲。泰誠くんの歌から入って、軽快なギターが鳴るのがいい。アップセットでいいから飛ばして〜のアレンジもライブならではでよかった、かっこいい。
「THIS IS 」
終始不思議な世界観が漂うこの曲。でもかっこいい。ギターが特にかっこよくて、間奏は、カズシくんに釘付けになってしまうくらい彼のギタープレイには惚れ惚れしてしまう。
「LILY」
LILYの入り方、もとむくんのドラムが特に堪らない。多分絶対やるんだけど、来た瞬間にうわー、って声に出てしまうくらいかっこいい。夢の話をしようね。
「未来は俺らの手の中に」
静岡で聞いた時、凄くいい曲だと再認識させられて、歌詞を見ながら聞いたりするのが好きな曲。好きな音楽を好きと言えない、窮屈な時代にロックンロールをやってくれる君らの時代だ。climbgrowが時代を、切り開いてほしい。泰誠くんの素直な気持ちはしっかり届いてる。
「ラスガノ」
静岡も同じ繋ぎだったが、泣けてしまう。この先の未来は、親でも先生でもバイト先の先輩でもなんでもなくて、自分が切り開くしかない。この嫌で嫌で堪らないくらい生きにくい現実も変えるのは自分しかいないよね。
「閃光」
大好きな曲。絶望を乗り越えた人は、本当にかっこよくて、生きてて、凄く生きたいと本人が思ってるからギラギラとオーラが放たれてて、この人たちは今この瞬間を生きてて、それがまるで閃光みたいで、本当にかっこよくて目眩がした。
「窓」
同じくcultureから窓。声を枯らして、あー君にだけは届いたらいいなぁって杉野泰誠くんが歌ってくれるから、それだけで生きててよかったと思う。彼の歌う歌が好きだし、魂削ってもやっぱ届けたいと思ってくれてるのが音楽越しに伝わって嬉しい。
「もう一曲、ラブソングやりまーす」
なんだろうか、と考える暇もなく杉野泰誠がマイクに近づく。
「あの日微かに動いた衝動」
mold Hi。将太朗くんのベースが響く。
「全部ラブソングなんで!」
全部ラブソングは、確かにあながち間違いではないかもしれない。この曲を初めて聞いた時、とにかく全身が麻痺したような動けない気持ちになった。カビ、カビなのか、と思った。climbgrow らしさ全開の曲で大好きだ。
「Rock’n Roll Is Not Dead」
大声シンガロング。泰誠くんは起きてからいつもRock’n Roll Is Not Deadとこぼすらしい。多分嘘やけど。ロックンロールの伝承者とか、自分が好きなロックンローラーが死んだ時は、誰がなるんじゃ、誰もなれないだろ、とか彼の代わりはいないとかロックンロールやっとる若者なんていないだろと思ってたけど、climbgrow に出会って、彼らがいる限りロックンロールの魂は消えなくて、というか消さないという強い意志を感じる。Rock’n Roll Is Not Deadだね。
MC
昨今の話題に面白おかしく触れていて、曲の雰囲気とはまた違う関西人特有の空気感がすごい好き。
「後半よろしく〜」
というゆるい始まりから息を吸う間もなく始まる、MARMALADE のイントロ。思わず感情が声になって溢れてしまうくらい、この曲が好き。カズシくんも言ってたけど、言葉選びが可愛い。私は「最大級の目を出せ僕ら」の"目"を"芽"だと思っていて、いい歌詞だな、と思っていたのでいまだにそれで再生されるが、"メ"がどっちにしてもいい曲だ。大好き。
「沈まぬ太陽」
とにかく不気味な曲。村上龍の限りなく透明に近いブルーを初めて読んだ時の心臓まで鳥肌が立つというか、終始嫌な危機感があるというか、そんな感じの曲。とにかくなんか気持ち悪くて、なんか起きそうな怖い感じの曲。これが罪ト罰へのバイオレンスな雰囲気を引き出していて堪らない。
「罪ト罰」
やっぱり途中のCISCOタイムがたまらない!後半への加速がいい。本当に刺されそうな緊迫感、変な雰囲気が堪らない!怖い!
「KLAXON」
カズシくんのギターがまた光り輝く曲!最高のギターでした。
「西南西の風」
神秘的な雰囲気。富士山みたいな曲。天女が舞い降りてくるような曲、ということだったけど、本当に私は静岡県民だからかもだけど、照明も相まって富士山でしかなかった。
「麗日明白」
西南西の風からうまい具合に繋がる。泰誠くんが描く曲は、春がテーマの曲が多くて、春が好きなのか春が嫌いなのかは分からないけど、春に対する思いがある気がする。麗日も春の麗らかな日、という意味で、再起というか、歩き始めるというこの曲にはとてもピッタリだと思った。
「革命歌」
新たな僕らの世代。始まりの曲。それを革命で表現するのは、すごくすごく杉野泰誠くんらしいなと思う。
「最後の一曲です、ありがとう」
ROCK’N ROLL DRUNKER、、カッコ良すぎる。ロックンロールマジックにかけられてる。あの星に届くように、きっとあの子もあの人も彼もきっと聞いてるよ。ありがとう。
「俺らが日本のロックンロールバンド、climbgrow でした。」
アンコール
フラッと普通に四人が出てきて、位置に着いた。「俺あと四日後に28なんすよ」
と泰誠くんが話し始める。17歳くらいまで、27で死ぬと思ってた。でも死ななかった。死にたかったけど、なんか多分死ねないと思う。でも、今はもう生きたいと思う。もし、もしもね?今日このライブが終わって死ぬなら、やり切って死にたいなぁって。死ぬより、やり切ってくたばる方が良くないっすか?俺はくたばるって言葉の方が好きなんす。だから一緒に、くたばってください。
「27」
私は今年で18才になった。チバユウスケに出会った年、私は17才だった。死にたかった。退屈で、誰か殺してくれないかな、と思う。死ぬのは怖いけど、生きてる意味がないというか。18才になって、いいことどころか嫌なことばっかり起きて、自分はそういう運命で生まれてしまったんだな、と諦めながら心のどこかでもう人生を終わらせてほしいと思った。そんな時、climbgrow に出会った。初めて見た時、自分の全てを肯定された気がした。チバユウスケの血液が流れてるのを見た。ロックンロールが生きていると思った。杉野泰誠くんの言葉で、この人たちの音楽を聞かながら我武者羅に生きて、生きて、生きて、一緒にくたばるのはかなり幸せかもしれないって、本気で思った。歌が何よりも好きで、音楽が居場所だと思った。ねえ、私は10年後、泰誠くんみたいに生きていれるかな?こんなにかっこよくなれる?ってそう思った。
「変わらないために変わり続けるよ」
この言葉が何よりも嬉しい。
「極彩色の夜へ」
星が綺麗だから死ぬのはやめようとか、今日は何となくやめようとか、やめようやめようばっかりで、でも名古屋のこの日は、climbgrow がギラギラ煌めいていて、眩しくて、自分に重ねながら、やっぱり生きたいと思えた。
「大好きだよ」って、その言葉だけで嬉しかった。
ダブルアンコール
泰誠くんは、
「一言だけいいですか?いつもありがとう」
とこぼした。
「心臓を揺らした衝動がお前に火をつけるんだ」
私のことみたいだ。心臓をグラグラに揺らされて、climbgrowに救われたい、climbgrowに助けられたいと思った。
地震が起きて新幹線に閉じ込められた日、クタクタで体力の限界の中、車内の目まぐるしいアナウンスに吐き気を催しながら、不安でいっぱいで、自分の耳に、イヤホンをぶち込んだ。そこからclimbgrowを再生すると一番最初にハローグッバイが流れてきた。救われた。涙が出た。助けられてしまった。ありがとう、ありがとう。本当に並大抵な感謝しか述べられないことに腹が立ってしまうくらい、感謝で一杯だった。
次は滋賀!楽しみ!