ジャンプ・ウィズ・アス/『Beyond』感想
みなさんこんそめです。ぼっち・ざ・れーよん!です。
2023年2月22日、ときのそらちゃんの新EP『Beyond』が発売されました。『Beyond』の初回限定盤には昨年11月19日に開催されたライブ『宇宙と時空のミルキーウェイ』の昼夜2公演が収録されたBlu-rayが特典として付属されており、入手できるのをとても楽しみにしていました。今回は本作に収録されている全4曲の主観的な感想を書いていこうと思います。購入されたそらともさんも、これから楽曲を聴く予定の方も、少しでも楽しんで頂けたら幸いです。
EPとは
本編を始める前に、『Beyond』が発表された当初から私が興味を持った、「"EP"とは何か」について簡単にまとめていこうと思います。今回は音楽ナタリー様が実施したアンケート及び聞き取り調査を参考資料にしつつ、私の考えを交えて書いていきます。
近年のCDや配信作品に利用されるケースが多くなってきているEP。レーベルスタッフを対象としたアンケート回答より、EPとは一般的には「4~6曲収録で総再生時間が30分未満の作品」を指すそうです。また、東洋化成株式会社の西谷氏は、EPは"Extended Playing"の略称であり、1920年代に誕生したレコードの内周を拡張させることによって改良された「EP盤」から由来が来ていると述べています。
現代ではEPはシングル以上、アルバム未満の認識で浸透しており、「ミニアルバム」や「マキシシングル」とも呼ばれています。この言葉の違いは収録時間やアーティストが持つコンセプトによって使い分けられているのが音楽業界の考え方だそうで、私は2020年3月発売のミニアルバム『My Loving』を思い出しました。EPとミニアルバムはほぼ同義なのに対し、そらちゃんが初めて「EPとして」発表した意図とは、と。
私は2020年10月発売の2ndアルバム『ON STAGE!』の感想を書いた際にも似たような考察をしていましたが、その説を推したいと考えています。そらちゃんにとってミニアルバムは"ときのそらそのものの姿"を見てほしい、わたしの日常から日々の気持ちやそらともへの感謝を伝えたいという雰囲気が感じ取れ、EP(アルバム全般)は"アイドル・ときのそらの姿"を見てほしい、わたしが放つ全力のライブを感じてほしいという熱意が伝わってくると思っています。ジャケットの衣装や収録曲の全容からもそのイメージが見え、彼女のコンセプトに相応しい魅せ方だと賞賛しています。
今後も多様な形で自身の気持ちを歌に乗せて届けてくれるそらちゃん。楽曲制作の背景からライブでの披露まで、全てを大事に応援していきたいですね。
01.Beyond
作詞・作曲 草野花余子
編曲 中山真斗
そんなEPのトップを飾るのはタイトルと同名の楽曲『Beyond』。制作には草野花余子さんという音楽家の方が携わっており、そらちゃんは自身のファンクラブや草野さんのラジオ等でコラボの経験があります。
私が『Beyond』を初めて聴いて率直に感じたのは透明感でした。ローテンポかつ心に温かく染み込んでくるメロディーが気持ちを穏やかにさせてくれました。そらちゃんの歌声にもその傾向が表れており、ハッキリとした高音ながら優しい歌声で、一つひとつのフレーズがじんわりと包み込んでくれる感覚がしました。また、歌詞に登場する言葉がどことなくそらともがツイート(リプライ)するそらちゃんへの応援メッセージに多く含まれているとも感じました。互いに支え合い、励まし合うそらともの雰囲気が私は大好きです。
Real Sound様の記事ではそらちゃんが好きなバラードを自分のモノにするまでの過程が描かれており、「バラードも楽しんでもらうことが一つの目標である」と語っています。草野さんのアドバイスや自身の努力を重ねることで誕生した最高の一作『Beyond』。活動初期に浮かべていたアイドルとしての固定概念を飛び越え、ときのそらのバラードとして世の中から評価される瞬間はそう遠くないと思っています。
最後に歌詞で特に好きな、ラスサビ直前のフレーズを紹介します。
歌詞に登場する"君"はそらちゃん視点ではそらともを指しており、最大限の感謝とエールを伝えてくれる様子はsoraSongではお馴染みであり、とても嬉しい気持ちになります。これを踏まえると、上記の引用部分に登場する"僕"はそらちゃんを指す流れになりますが、私はこの一人称を"自分自身"に置き換えて歌を聴いてみました。
そらともとして彼女を応援し始めて数年、時代の変遷による業界全体の変化に直面し、葛藤を抱くことも暫しあった私は…。現在の環境についていけなくなった私がこれだけは譲れなかった想いとは…。何もかも上手くいかず、全てを投げ出したくなった自分に対し、「大丈夫」「大好き」と、いつも愛に溢れた応援をしてくれたのは…。
私の、僕の、精一杯で返すことを、心に刻みました。
02.キセキノセカイ
作詞 Spirit Garden
作曲・編曲 近藤世真(Elements Garden)
2曲目は『キセキノセカイ』。制作には音楽制作ブランド「Elements Garden」が携わり、そらちゃんは今回作曲を担当した近藤世真さんとは以前ファンクラブにてコラボ経験があります。後述する『ケ・セラ・ソラ!』を除いて本EPで最初に披露された楽曲であり、今年の1月に開催された #ときのそら100万人への軌跡 にて歌われたのが特に印象に残っています。
『Beyond』と同じくバラード調のメロディーですが、目を瞑って聴いてみると前者は朝焼けのモヤが掛かった空を、こちらは満天の星に彩られた空をイメージできました。一日の終わりに、今日はどんなことがあったかを語りかけるようなそらちゃんの歌声と、優しく、かつ強い想いのこもったエールが心に響きます。「ちょっとずつ」「一歩ずつ」とあるように、一人で頑張るのではなくわたしと一緒に前へ進んでいこうというそらちゃんらしい温かさも随所に感じられ、彼女の人柄を表している応援ソングだと深く頷かされました。
また、どことなく過去のそらちゃんに声援を届けているようにも感じました。「口ずさむ安らぎは足跡が語る証の結晶」とあるように、今の視点を過去に投影し、キミ=そらともが当時のそらちゃんへ声を届けることで無限の希望=奇跡の世界が広がったことを暗示していたらとても嬉しいです。その上で「散らばった刻のカケラ」部分を読むと、そらともの小さな応援の積み重ねが後の「鮮やかな花を咲かす」奇跡(軌跡)に繋がってくるのかなと考えたりもしました。
活動当初のそらちゃんにとってYouTubeのチャンネル登録者100万人は夢のまた夢の世界でした。そんな未来の世界、奇跡が起きない限り無理だろう、と考える人が大半だったことでしょう。一日一日の小さな幸せが起こした奇跡を、今を生きる私たちは知っています。
03.ケ・セラ・ソラ!
作詞・作曲 komo(狐妄)
編曲 Akki
『ケ・セラ・ソラ!』はkomo(狐妄)さんによって制作された、2022年3月開催の「soraSongグランプリ」最優秀作品受賞作です。作者本人が執筆された本曲の制作秘話もかなり興味深い内容なので掲載させていただきます。
私個人の感想としては、2018~19年のそらちゃんを思い出すような、飛び抜けて明るく、またどこか懐かしく感じるノリが伝わってきました。毎週木曜20時の時間を楽しみにしていた日々が今でも思い出せるような、"あの時の"そらが色濃い雰囲気です。
速いテンポのメロディーで心がワクワクソラソラし、そらちゃんのセリフパートに合わせて一緒にコールしたい気持ちが昂ります。『宇宙と時空のミルキーウェイ』ではたくさんのペンライトと手拍子で盛り上げましたが、今度は直接的な声援で後押ししたいですね。それと2番間奏のギターがめちゃくちゃタイプです。笑
タイトルモチーフである「ケセラセラ」は欧米由来の言葉で「なるようになる」という意味があります。あの頃の生放送でも今日の配信(最近はmocopiがかわいいですね)でも最後まで完璧に仕上げることがぬんぬんなそらちゃんにはピッタリの言葉なんじゃないかなと思っていたり。自分自身に言い聞かせると同時に、そらともへ元気を与えるメッセージでもあるような気がして、今後もたくさんのステージで歌われることが予想できる『ケ・セラ・ソラ!』。『木の芽時の空』『夢色アスタリスク』等と同様に、そらともの手によって生まれた楽曲として、大切にしていきたいです。
04.またあした
作詞・作曲・編曲 路地裏ロジック
最後に紹介するのは『またあした』。制作者は『花時の空』を始めとし、そらちゃんの多くの楽曲に携わっている路地裏ロジックさんです。彼もまた、本曲を制作するにあたってnoteでこれまでを振り返っており、そらとものみなさんには是非とも触れていただければと思っております。
率直に言うと、今作『Beyond』の中で一番好きな曲です。
最初のイントロを聴いただけで「そらちゃんの曲だ…」と感じたのは『またあした』の他に数曲しかなく、彼女を表現する音らしきものが伝わってくるような、明るくほんわかするイメージを持ちました。歌声もかわいらしく、ライブで一体となる光景が脳裏に浮かぶくらいそらちゃんの色が強い、素敵な曲です。
また、個人的に気になった歌詞があるので紹介します。個人の解釈が多く含まれているのでご了承ください。
①青い鳥とかくれんぼ
一番で登場するフレーズで、そらちゃんと遊ぶ様子が描かれている気がしますが、この「青い鳥」が指すモノを具体化させたら、面白い解釈ができるのではないかと考え、フォーカスしました。これをTwitterと捉えるとどうでしょうか。
広がってく波紋の音=そらちゃんの通知音、
飛び込もう新しいページ=そらとものツイート、
栞を挟んでまたあした=そらちゃんの積極的なエゴサーチ、
……意外と関連付けられるなって。笑
そらちゃんはそらとものことを本当によく見ていると言っているので、そらともの愛に溢れた発信を見て、日々の活動を楽しんでもらえたら嬉しいなと思いますね。想いのあまり不器用でざらざらしてしまった言葉も、ふんわりと受け取ってくれるそらちゃん…すき。
②やっぱ『良かったなあ』心からそう思えたよ
シンプルに、『またあした』で一番心に刺さったフレーズです。
私がライブや記念イベントに参加し、彼女のパフォーマンスを全力で応援して、公演が終わった直後の感想はいつもこんな感じです。そらちゃんを応援してきて良かったと思えるのはそらともだけ。日々をめくるめく過ごし、彼女の成長を身近に感じ、そらとも同士で喜びを分かち合ってきたこの感覚は何物にも代え難い、おとぎ話のようなフィクションなんかじゃない、一生の宝物です。
終わらない物語を、これからも一緒に歩いていけたらなと、改めて感じさせてくれた一曲でした。
総括
そらちゃんにはそらちゃんだけの物語があるように、そらとも一人ひとりにも自分自身の物語がある。制作者の気持ちやそらちゃんからのまっすぐなエールの気持ちが強い歌詞に感化され、勿論こちらも愛するそらちゃんをオリジナルの色で彩り、彼女の何倍もの力を入れて応援していきたい。そんなメッセージを、私はEP全体を通して感じました。過ごす場所は違えど、誰もが毎日頑張って生きている。日々多くの経験をして、学びを蓄えている。そんな彼らと共に、それぞれのペースで、彼女の夢を支え、歩き、走り、足並み揃えてみんなで障壁を飛び越えていきたい。今年で23歳になる私は、新しいスタートを切るためのモチベーションとして、『Beyond』から受け取ったものを大切にしていきたいと思っています。
今年もみんなで、そらちゃんとの日々を楽しんでいきましょう。
素敵な作品をありがとうございました。
2023.2.27
そらとも れーよん31