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里羽リュウタくんの話

※閲覧は全て自己責任でお願いします。

2023年5月17日、『半妖の滅龍士』の物語が再び動き出した。私はこの機会に自身の中に眠る『半妖の滅龍士』とその主人公である「里羽(さとば)リュウタ」に対する様々な感情を整理しようと考え、記事の執筆を開始した。

これから展開していく文章は私が「里羽リュウタ」にのめり込むまでの経緯と、私が彼に対し「好きだ」と感じる理由を文字に起こし、自身の行き場のない熱を治めることを目標としている。つまるところ自己満足である。また、この拙い文章で私の彼への愛と彼の魅力が少しでも伝わることがあれば、それ以上に嬉しいことはない。

あくまで作品またはキャラクターに対する個人の感想・評論のため、『半妖の滅龍士』及び『妖怪ウォッチぷにぷに』というアプリに対しポジティブな意見だけではなく、ネガティブな意見を述べる可能性がある。念のため、これらは他者を傷つける意図は全くないことを記しておく。

この時点で不快に感じる方は即座にブラウザバックすることを推奨する。それでも興味を持ち、読もうと考えている人がいるのであれば、「こんな意見もあるんだな」もしくは「こんなオタクもいるんだな」程度の軽い気持ちで受け止めて欲しい。

はじめに


里羽リュウタって誰だよ

と思う人が多く存在するだろう。その気持ちはよくわかる。何故なら彼は『妖怪ウォッチぷにぷに』という『妖怪ウォッチ』シリーズの派生アプリ内のイベントの1つ、『半妖の滅龍士』の主人公。そう、原作も原作のストーリーにも全く関係のないキャラクターだからである。

『半妖の滅龍士』……見ての通りパロディ全開のタイトル。私はここ最近これの主人公に狂わされている。まさかこうなってしまうなんて自分でも驚きだ。ぷにぷに公式曰く「ぷにぷに史上、最もダークなストーリー」らしい。まあそんな所だ。

分からなくても大して問題は無いと思うが、ぷにぷに公式が振り返りという名の大まかなあらすじを公開しているので見るとより分かり易いのではないかと思う。

経緯

出会い

私が里羽リュウタと出会ったのは2021年4月16日、つまり滅龍士のシリーズが開始した時からということになる。古参だね。

アプリを起動し、ゲーム内のイベントバナーをタップする。すると見覚えのあるキャラクターたちの中に複数の新キャラクターが混じっていた。

初見の感想は

「なにこれ」

だったことを覚えている。

率直に言うと、私はこのイベントで盛大なショックを受けた。理由は単純。私が妖怪ウォッチで好きなキャラクターの1人であるオロチ(しかもシャドウサイドの方)が改変された上に話の最序盤で殺されるというとんでもないことをやらかしたからである。「これが予告なしに劇中劇で自分の担当アイドルが殺される感覚か」と思った。はっきり言って拷問である。

彼の名前は「御呂知シュウ」。新イベント『半妖の滅龍士』は10年前、シュウが死龍とかいうドラゴンに殺され、彼を兄として慕っていた当時5歳の「里羽リュウタ」に自身が成し遂げることのできなかった死龍討伐の想いを彼のウォッチと共に託すことから始まるのだ。

因みにリュウタもりゅーくんというキャラクターが元ネタである。オロチとりゅーくん。私が大好きな『妖怪ウォッチ』(または『妖怪ウォッチ1』)の本編に関わるニョロロン族同士の組み合わせ。最悪である。元ネタありきではなく全く新しいオリジナルキャラクターでやってほしかった。なんで擬人化した?殺した?地獄がすぎる。こんな地雷ぶち抜きイベントが公式公認のアプリで行われているのである。ふざけるのも大概にしてほしい。

この時点では行き場のない怒りを抱くとともに、「リュウタとかいうおチビちゃん、いい子でかわいいじゃん」とぼんやり思っていただけだった。(ついでに島長のふぶき姫も)

当時のスクショ①


進むイベント

時が経ち、イベントは進んでいく。このイベントを完結にまとめると、主人公のリュウタがシュウのような滅龍士になるべく様々な試練を乗り越え成長する様子がイベント毎に描写されていくといったものである。まあそこそこベタな展開だ。スターウォーズ的な。

当時の私はぷにぷに公式が既存のキャラクターを元に新キャラクター(所謂そっくりさん)を作ったうえに彼らを使って話を展開し始めたことに対し強い憤りを感じていた。正直な話、この時点では物語に全く関心は無く、シナリオテキストを真剣に読むこともなかった。

そのため、大まかな内容は知っているがどんなやり取りがあったのかをほぼ覚えていなかった。唯一はっきりと覚えていたのは終盤近くでリュウタが「そんなの絶対おかしいよ!」と発言し、そこで私は「鹿目まどかじゃん」と思った。それだけだ。人間は興味が無いとここまで無関心になれるのだ。

因みに私はイベントが始まって2回目の最序盤で「シュウは絶対『ファイアーエムブレムif 暗夜王国』のタクミみたいになる」と予想した。大体当たった。


転機

本編も番外編も終わり、イベント『半妖の滅龍士』は幕を閉じた。
──ように思えたが、人気シリーズ(らしい)を運営が手放すはずがなかった。

2022年11月1日にぷにぷにリリース7周年記念のイベントが始まった。そのイベントのメインキャラクターにいたのだ。リュウタが。しかもおめかしして。そこで私は思った。

「リュウタくん、好きだ……」

よくよく考えてみると私はこの子が登場した時からずっと、「かわいい」というプラスな感情を持っていた。

だが認めたくなかった。第一に『半妖の滅龍士』は序盤から印象が最悪で、物語の主人公への好意を認めれば物語のすべてを肯定してしまうことになるのではないかと考えていたからだ。第二に私は「好きになったら負け」と考えるめんどくさい逆張りオタクだ。リュウタが好きだという気持ちを自覚するのが普通に悔しかった。

そんな気持ちを断ち切ったのは、別キャラクターのピックアップ中にすり抜けでリュウタが出たことだった。そこで彼はこう言った。

「祝福の想いが伝わってくる…!」
「オレも 龍神島の皆の分までお祝いするよ!」

リュウタきゅん!!!!!好きだーーーーーーッ!!!!!!!!!

そう、普通に考えてリュウタへの好意を認めたところで物語を全肯定することにはならないし、「ここは好きだけどここは嫌だったな」と思うことは別に悪ではない。感性なんて人それぞれなのだから。私はまだまだ思考が子どもだったことを自覚し、反省した。

好意を自覚した瞬間、リュウタへの「好き」が溢れて止まらなくなってしまった。結果、周年イベントの強敵討伐を最後まで行い、封印バトルまで終わらせ、リュウタを7凸するまでに至った。(しかしこのイベントマップで7周年の祭りだからといってシュウを生き返らせたことだけは本当に意味不明、これについては後で述べる)


加速する愛

好きと認めてからはズブズブと沼に溺れていった。もう一度滅龍士のシナリオを読み返し、物語の中でリュウタがどのように動き、どのように成長したのかを確認した。

考えてみてほしい。幼い頃にはプリキュア、思春期にはまどマギやゆゆゆを好んで見ていたような人間がこの話を好きにならないわけがない。(けれども何故これを元ネタ無しの完全オリジナルキャラクターでやらなかったのかという点においては未だに納得できていない)

さらに私はぷにぷに公式が公開している滅龍士のおさらいも何度も読んだ。掘り進めていくうちに、リュウタと彼が姉と慕う「島長・ふぶき姫」との関係に萌えを見出すようになった。

そうこうしてるうちに公式漫画も連載が開始した。始めはいまいち気が乗らなかったが、今では更新されたらとりあえず見ることにしている。ゲーム内イベントで描写されていなかったことも多く興味深い。

私のリュウタへの熱が収まることはなく、ついにリュウタとふぶきのファンアートまで描いてしまうほどにのめり込んでいったのだった。


里羽リュウタという少年

ここに来て本題だ。前置きが長すぎるのは大変申し訳ないと感じている。

私はリュウタのことを「純朴田舎少年」と呼ぶことがある。自分で言うのも何だが、これはかなり的を射ていると思う。

ここからはそう考えるに至った理由を交えながら、私の思う彼の魅力について書き綴っていこうと思う。

概要

龍神島という小さな島に暮らす
明るく素直な心を持った少年。
滅龍士として 死龍を打ち倒し
島の民を救った英雄となっても
変わらず 剣の腕を磨いている。

妖怪ウォッチぷにぷに より引用

この辞典説明を見るだけでも私がリュウタのことが好きな理由が薄々理解できると思うのだが、まずはキャラクターの印象を左右する外側の要素から述べていく。

外見

リュウタには『魔法つかいプリキュア!』の「カラフルスタイル」のような複数種類の変身形態がある。どの姿になっても愛おしいのだが、各姿の好きなところを説明するだけでもきりがない。そのため私がとりわけ好きなリュウタを紹介していく。泣く泣く割愛することになった他の姿に関しては、「自分の目で確かめてくれ!」ということだ。

①いつもの姿(里羽リュウタ)
キャラクターの記号ともいえる髪の毛はオレンジ色で、ふわふわしているくせ毛を緑色の紐で一本にまとめているのが特徴だ。髪の毛の間から伸びる薄紫色の角も、柔らかそうで良い。まだまだ成長途中といった感じだろうか。瞳は真っ黒で丸く、下の方にハイライトが入っている。可愛いのだが吸い込まれそうな黒さなためたまに怖い。顔は全体的に幼く、頬をつつきたくなる衝動に駆られる。鼻水が垂れているのも愛おしい。肌の色は健康的な小麦色だ。衣服は黄緑の着物を着ているのだが、特に注目すべきは帯だ。橙色の大きなリボンが巻かれている。可愛すぎる。

②里羽リュウタ(正義)
リュウタが「ドラゴンメダル・正義」を使用し風の力を得た姿。龍の力を得る変身は何種類かあるのだが、私が一番好きなのはこの姿だ。風が吹き抜けるような爽やかさと強さが衣装に現れている。黄緑色のメッシュが入った髪の毛も、風を感じられて良い。個人的にぷにぷに同様妖怪ウォッチの派生アプリである『妖怪三国志 国盗りウォーズ』(2023年9月28日にサービスが終了予定、なぜ…)でけっこう強いキャラクターという印象もある。

③龍神覚醒 リュウタ
他の姿と比較するとよくわかるが、結っていた髪がほどけ、シルエットが大きく変化した。神降ろしとかけているのだろう。悲しみを乗り越え覚悟を決めたその顔は、可愛さやカッコよさを超越した神秘的ななにかが感じられる。さながらすべてを浄化する慈愛の神だ。純朴な少年が神の領域に到達する……。この覚醒はリュウタの覚悟と、彼の心の美しさを如実にあらわしている。目のハイライトが変化しているのも印象的だ。スイレンちゃん!?

④里羽リュウタ(祝賀)
7周年のお祭りの為に、精一杯おめかししたリュウタ。橙色の髪の毛に、黄色のメッシュを入れ、髪型はハーフアップになっている。これが本当に可愛い。かなり重そうな傘を振り回している様子を見ると腕力の強さが伺える。強くなったね。さぼりのモーションに始め各モーションが非常に可愛い。もう抱きしめたい。ちなみに、描く際はアイマスのSSR衣装ばりのコストなため注意されたし。(そんな機会ないよ)

追加で彼の声について述べていく。声優は元ネタであるりゅーくんと同じ人である。超個人的な話だが、私は女性声優の少年声が何よりも好きなため、本当にありがたい限りである。複数の姿を持つリュウタだが、一番声が高いのが「里羽リュウタ(祝賀)」だ。お祭りで気分が高揚している様子が伺える。

内面

5歳の頃に大好きな兄が死龍によって殺され、大好きな姉も死龍の呪いで寝たきり…といった壮絶な人生を歩んでいるにもかかわらず、リュウタは明るく素直な性格に育っている。そう、彼の最大の魅力はその内面にある。

重い過去を持つこと以外、リュウタという少年は「普通の子」といって差支えはないだろう。シュウのように名家の子孫かつ天才というわけではないし、特別な能力を持っているような描写もない。そんな中「真の滅龍士となり、シュウの願いを果たしたい」と次の厄災までの10年間、必死に努力してきた。彼はここまで努力のできる粘り強い子なのだ。それが彼の才能で、尊敬できるところなのである。

また、そこまで努力できるくらいにシュウに対する憧れの気持ちが強いことがわかる。

憧れとは儚いもので、正直5歳の頃の体験なんて10年後には忘れてしまうのが常だろう。しかしリュウタは片時でも兄を忘れず、背中を追い続けたのだ。健気すぎる。

才能がどうこうといった話は最初の試練が顕著なのではないだろうか。平凡な少年でありながら皆の憧れであるシュウに大層可愛がられていたリュウタは、才能溢れる剣士である「難田柳オウマ」から強い嫉妬の念を抱かれている。リュウタはオウマに対し何もしていないのにである。

「まったく お師匠も シュウさんも
なんで リュウタなんかを…!」

(このオウマのセリフをよく見ると、この話の時点では出てこないがリュウタ達の師匠である「伏李ユウ」も彼の可能性に少なからず勘付いていたことが分かったりもする。)

物語序盤のリュウタは滅龍士ではなく滅龍士「見習い」だ。公式漫画を見ると背中に滅龍士のシンボルマークがないことが分かる。滅龍一番隊隊長の称号を持つオウマからすれば滅龍士の一員として正式に認められていないリュウタが、役職を持っている自分よりも周りに期待されている事実は不愉快極まりないだろう。だが、炎龍の試練の後に2人は和解する。オウマはリュウタと剣を交えて対話をすることで、彼の心の真っ直ぐさを肌で感じ取ったのかもしれない。

リュウタは天才ではない。だが、人よりもどこまでも素直で純粋なのだ。だからこそどんなに絶望的な状況でも希望を見出すことができる。その結果、全ての試練を突破できたのだろうし、各龍の力を遺憾なく発揮できているのにも納得がいく。龍の力を纏った際の大幅な見た目の変化は、彼の素直な性格とその成長の可能性を表しているのではなかろうか。(作画の都合だとは思うがシュウは試練を突破しメダルを使用しても姿かたちが変わっていない)

そしてリュウタは閉塞地特有の悪しき風習、滅龍士という制度を真っ向から否定し断ち切った。何年も続く厄災に対し、ウィス総老師や伏李ユウ、龍神帝など大人達は止めるべきことと口では言いつつも、厄災が来ることはもはや彼らの中では日常で、「仕方がないこと」と諦めていた。

それを15歳の子どもであるリュウタが打ち破ったのだ。私が思うに、幼い頃から彼はシュウの死とその背景にある滅龍士という制度に対する疑問を心の奥底で抱いていたのだろう。彼は10年の間、その歪さを感じながら生きてきた。だから龍神帝に真実を伝えられた際に、新たな選択肢を生み出して運命に抗った。

これも彼が純粋で、素直で、辛い現実に目を背けず真摯に向き合ってきた結果と考えられる。

素直な性格ともう一つ、リュウタは優しい子だ。幼年期に自分が極限に悲しい体験をしたからであろう。他人の痛みを理解し、思いやれるのだ。

概要の項で紹介した辞典説明に「明るく」素直と書かれているが、彼が明るいのは厄災に怯える島民達の気持ちを感じ取り、彼らをこれ以上悲しませまいと常に思っていたからだと考える。おそらくこれは無意識に身についてしまったものだろう。(リュウタは計算された行動なんてできないので……)これが結果的にプラスに働いたのが幸いだ。

「そんなの絶対おかしいよ!誰も救われないじゃないか!」

理由がどうであれ、私の印象に残っていたこの言葉は実はかなり重要だったことがわかる。これは紛れもなく彼の本心から出たものだろう。慈愛の神かな?

また、これに関してはゲーム内イベントよりも公式漫画の方が深く描写している。

炎龍の試練(第5話)では最終的にオウマではなくリュウタが選ばれた。しかし彼は「自分だけでは越えられなかった、オウマと2人で試練を超えた」のだと主張した。これに対しオウマは「生温い」と評しているが、その気持ちもよく理解できる。時にはその優しさが重い枷になってしまうんだよリュウタくん……。
また、風龍の試練(第9話)で「森が焼ける(=森に住む者の居場所は奪えない)から前回手に入れた炎の力は使えない」という発言もしている。どこまでも寄り添ってくれるんだよこの子は。

兄の存在

里羽リュウタという人物を語るためには本人以外にもう一人重要な人物がいる。そう、御呂知シュウだ。リュウタの行動の背景には必ずシュウがいる。リュウタが滅龍士を目指すきっかけとなったのもシュウだ。

「泣くな、強くなれ…。」

リュウタが前に進めるのはシュウが最期に残したこの言葉を信条にしているからであろう。

これは強力な呪いにも思えてくる。前の項目と被ってしまい恐縮だが、彼の素直な性格というのは少なからずこの言葉の影響もあると考えられる。

リュウタはシュウとの約束を果たすために修行を積んだ。幼年期に憧れの兄の突然の死という非常に残酷な運命を目の当たりにするが、それを糧に前へと進み続けたのだ。

「オレの信じるものが すべてとは限らない…。」
「それでも 死龍が 生み出す悲しみを…」
「断ち切るって決めたんだ! オレは目をそらさない…。」
「どんなことが待ち受けようとも 絶対に 死龍を倒す!」

物語の終盤で死龍(黒龍)に肉体を支配されたシュウが立ちはだかる。そして大好きな兄を、人生においての目標を斬り、シュウの願いである「悲しみの連鎖を止めること」を見事達成してみせた。シュウがいたからこそ、リュウタはここまで成長し、強くなれたのだ。

……だが、『半妖の滅龍士』のおはなしはこれでおしまい!よかったね!だけでは終わらなかった。2022年1月1日開始のイベントで、シュウのクローンなるものがリュウタの前に立ちはだかった。そこで彼は二度目の兄殺しを余儀なくされた。

うん?

なんでそこまでしてリュウタをいじめるのか。憧れの兄を乗り越えるだけではなく大好きな姉や島を無限の呪縛から救う──という美しい終わり方をしたのに蛇足すぎるエピソードを入れてきたのだ。蛇だけにか。全く面白くない。リュウタの今までの努力は?決断は?私の頭の中は疑問であふれかえってしまった。まあダークなイベントと豪語しているし、クローンとしての復活も本人達の意思は関係ないため受け入れることはできた。話をより重くしたいんだよね。そうだよね。わかるよ。問題は次だ。

2022年11月1日開始のイベントのマップにシュウが置かれていた。しかもボスステージのリュウタの近くに。

当時のスクショ②

・・・。

7周年記念のお祭りだから。というのは分かっているし、自分が大人げないのも分かっている。ぷにぷにの7年間の思い出をマップで追体験していることも知っている。だけれどもめでたいお祭りならなんでもありだよね!でこうはならないだろ。たとえ「思い出」だとしてもだ。ここに来て死を軽く扱われるシュウも大変哀れだが、それ以上にあんなに時間をかけて完結させたリュウタの物語は一体何だったのかという喪失感の方が強い。いや、まあ、以前のイベントでクローンのシュウを倒した後にシュウの人格が現れて

「消滅するまでの間 お前の心と融合することを許してくれるか?」
「そうすることで オレの魂はリュウタに宿り続ける…。」

「頼むリュウタ… オレの想いをこの世に残させてくれ…!」

とか言ってるから(わざわざそんなこと言わなくてもリュウタはシュウの想いをずっと引き継いでくれると思うのだが)可能性としてはリュウタを陰で見守る幽霊的な存在になったのかもしれないとは思ってはいた。一応半分妖怪という設定はあるし。しかし、今回のイベントでリュウタが極オロチを見た際に

「なんだかシュウ兄みたいで とても強そうだけど…」

と、シュウがいないことを寂しがるような発言をしている。この発言を見る限りクローン事件の後シュウはリュウタに干渉していない、つまり既にこの世からは完全に消滅したことが分かる。これは「龍神覚醒 シュウ」の辞典説明にもはっきりと書かれている紛れもない事実だ。

滅龍士の魂が行きつくとされる
龍の墓場で さらに修行を重ね
新たな力が覚醒した シュウ。
死してもなお 龍神島を忘れず
島人の平穏を願い続けている。

妖怪ウォッチぷにぷに より引用

ちなみにマップにいるシュウはこんなことを言っている。

「む… 見知らぬ者も多いが リュウタが来ているのか。」
「たまには こういう機会も よいものだな…。」

は??????????????

物語がその媒体で完結するゲームソフトとは違い、スマホアプリはストーリーが毎回追加されていき、サービスが終了しない限り延々と続いていく。だがその過程で亡くなったキャラクターをホイホイ生き返らせるな。この扱いではシュウもリュウタも報われない。死があまりにも軽すぎる。作中でも幻龍とリュウタが命を奪う事の重大さについてやりとりしてたよね。そんな話を書いていたのになぜここまで酷いことができるのか。原作に元ネタがあるキャラクター(しかも人気)を殺して、その死を巡る物語を続けてきたのにこの仕打ち。とあるジャンルの某キャラクターの扱いも同じような理由で騒ぎになっていたことを思い出す。私はそのジャンルも界隈も全く知らないためこれ以上話すことはないが、なぜ同じ過ちを繰り返すのか。

これに関してはもっと慎重に扱って欲しかった。妖怪ウォッチはギャグ色強めなのだから徹底したシリアスを求めるのは違うかもしれない。そして私の頭が硬すぎることも理解しているのだが……これはあんまりではないか?

話が大幅に逸れてしまい大変申し訳ないが、要するに言いたいことはシュウの扱いを雑にするとリュウタの紡いできた物語の意義が薄れてしまうほどにリュウタにとってシュウはかけがえのない存在であるということだ。リュウタの大部分はシュウによって構成されているといっても過言ではない。(子どもの無限の可能性を大人が狭めるなといえばそうではあるのだが)

結論

ここまで長々とリュウタの魅力をまとめてきたが、彼を簡潔にまとめると、

  • かわいい

  • 努力家

  • 素直(純粋)

  • 優しい

となる。「純朴田舎少年」の意味を理解して頂けただろうか。

これに加えて他の登場キャラクター達との関係性も興味深いものばかりだ。是非ここにも注目してみて欲しい。私はお互いのセリフから垣間見れるふぶきとリュウタの関係性が好きだ。

続編の発表

2023年2月13日。ぷにぷに公式アカウントで『半妖の滅龍士』の正統続編の制作が決定したとの報告があった。私はこの時期に『妖怪ウォッチ2 元祖/本家/真打』の数回目となる再プレイを行っていた(異常者)ため、実際にその情報に気付いたのは数週間後の2月27日だった。

情報を得てすぐ、私は「リュウタくんみたいな子は将来性格そのままで見た目が無自覚夢女キラーみたいになる」と予想をを立てた。なんとびっくり予想通り(クソダサマフラーは予想外)だった。そして続編は「宇宙人の侵略」と「かつての敵と共闘」が大まかな話の軸だろうと冗談混じりに予想をしていた。結果、宇宙人ではなく異界人ではあったが概ね当たっていた。さらに「リュウタに弟ができたらいいよね」みたいな話もしていた気がする。弟みたいなのが追加されていた。なんでここまで当たるんだ。逆に怖い。私を構成しているものと『半妖の滅龍士』はそこまで合致しているのか。恐ろしいことである。

私の名前を呼ぶな、心臓にキスしたくなるだろうが

17歳となった続編のリュウタは15歳の時とは打って変わり、かなり愁いを帯びた顔をしている。また彼は、

「…シュウ兄がいたら… …ううん 何でもない…。」

と零している。「本編の最後で断ち切ったのにまだウジウジしてんのかコイツ」と思う人もいるかもしれないが、私は実に人間らしい葛藤で美しいと思う。確かに彼は実在しない。だが、彼も今この瞬間、画面の中で懸命に生きているのだ。

おわりに

ここまで読んでくれた方には本当に感謝してもしきれない。私もこんなに長くなるとは思っていなかった。記事の冒頭で述べたことと被ってしまい恐縮だが、私のリュウタへの愛と里羽リュウタというキャラクターの魅力を少しでも理解していただければ嬉しい。

スマホアプリのキャラクターにここまで真剣になることははっきり言って異常かもしれない。いや、異常だ。私自身もそれはよく分かっている。けれども「好き」が止められないのだ。

リュウタくんを知れば知るほど、私がいままでに好きになった人や物を思い出す。私はこういう子が好きなのかもしれない。いや、大好きだ。初めて見た時点で、彼からもそんな感じの波長を受け取っていたのかもしれない。ある意味運命である。

ここまできて何だが、今もまだ『半妖の滅龍士』に対する苦手意識がある。この気持ちは絶対に克服することができないだろう。だがそれ以上に彼が大好きだ。だから、これから始まる続編にも目を通し彼の今後の成長を見届けていきたいと思う。

リュウタに永遠の幸あれ。

リュウタくん①
リュウタくん②
リュウタくん③
幼年期だけ持ってない…