お天道様の涙

“お天道様が泣いている”


これはよく雨の日に使われる台詞だ。

紫陽花が枯れていく七月中旬、お天道様はだんだん泣き止んだ。


今年は梅雨が長かった。


記録的な豪雨も各地でたくさん降った。

何人もの人が亡くなった。

今年の3月頭らへんから着々と日本に姿を現した新型コロナウイルス。

『・・・新型コロナウイルスに感染しました』

いやと言うほど聞いたセリフ。

世界中が得体の知れないウイルスに困惑してる。


そんな中、もちろんお天道様も困惑している。


新型コロナウイルスの感染の脅威には、感染した人に辛い思い、時には死を導くだけでなく、感染していない人まで

“外出自粛”

という今までにない縛られた生活に追いやった。

今まで当たり前だと思っていた生活ができないのがこんなにも窮屈なことだとは誰も想像できなかった。


最大の恐怖は、人に会えないことだ。

人と話すことが実は生きがいだったのではないかとさえ思わさせるくらい、人と一言も話さない日はとても暗い気持ちになる。


考えなくてもいいことを考えすぎてしまう。

ネットの本当にどうでもいいことでさえ、いつもの千倍気になってしまったり。


考えすぎが故に

自死を選んでしまう人も少なくない。


最近名の知れた人がその道を選んでしまったのも偶然ではないだろう。




七月がもう終わろうとしてる。

天気予報は晴れ。

やっと少し兆しがみえてきた。


お天道様が泣き止んだ。


いつも通りの楽しい夏は来ないかもしれないけれど、


いつも通りじゃない方が楽しいことだってあるかもしれない。



私たちは今日も生きている。


楽しい日々を過ごそうと


一生懸命に生きている。

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