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月10万字を書くために意識してること

先日マシュマロでこんなコメントをいただきました。

マシュマロでも回答させていただきましたが、優しいお言葉をくださりありがとうございます! 体調までお気遣いいただき,心に染み入ります。ちなみにいまはあまり調子は良くはないのですが,noteを書けるぐらいの体力は残っています。

さて,こちらのマシュマロに関しては先日,Xにて回答させていただきました。私なんかが語るのもおこがましい気はするのですが,スケジュールとマネジメントについて,本回答では1000字という制約のもと回答しました。そのときの回答はこちらです。

正直1000字だと考えていたことをすべて伝えきれなかったこと,そして自分の創作活動を振り返る意味で,この記事を書くことにしました。せっかくの機会だし,日頃創作活動で意識してきたことをまとめるいいチャンスかなって。


なお私は余所の有償依頼等でも執筆しており,それを含めて10万字ということなので,Fujiとしての執筆量だけを含めて10万字ではないということをあらかじめご了承ください。Fujiとしてはだいたい月に3万字ほど書いています。

今回の記事の構成ですが,普段の執筆スケジュール,そして執筆に取り組む際に意識することについて書いていきます。

スケジュール


仕事に関しては具体的な内容は伏せますが,平日の朝・昼は本業のタスクをして,夜に執筆するという円グラフを描いて行動することが多いです。本業に関しては,なるべく5時~6時までには終わらせるようにして,執筆に使えるだけの体力はなるべく残すことを意識しています(大体6~8割ぐらいのリソースを割く感じで)。

土日は朝や昼に執筆できるときは自宅で,たまに気分を変えるためにカフェとかで執筆してます。土日や休みの方が当然時間はあるので,なるべくプロットなどは平日に立てて,土日に執筆に出来るようなコンディションに持っていけるようにしています。

その日の体調や気分,他の都合に合わせてスケジュールは変えますが,基本的には朝昼は仕事,夜は執筆というサイクルをここ一,二年は回しています。

父はよく私に,円グラフを頭の中で描いて行動するといいと言っていたのですが,定着してくると執筆に向かうまでの心的ハードルが低くなったような気がします。もちろん人によっては,気分に任せて書くという方法の方が合うという場合もありますし,一時期私も気分の赴くままに書くということをしてましたが,今はスケジュールを固定してしまった方がコンスタントに取り組めるので,そうしています。

意識してること

持続して執筆できるよう,私が意識していることは5点ほどあります。

①記録をつける

私は執筆する際,可能な限りその日書いた文字数と作業時間,一言日記を記録しています。隙自語になってしまって恐縮なのですが,執筆記録について書いた記事をこちらにて共有させていただきます。

さて,なぜ私が執筆日記をつけ始めたのかというと,大きく分けて2つの理由があります。

1つ目に,セルフモニタリングをすることにあります。これを読んでいる方の中には,家計簿をつけている方もいるかもしれません。家計簿は,何に対して,どの程度お金を使ったのかを可視化することで,自分がどのようにお金を使用しているのかを客観的に知ることが出来るようになります。

執筆時に記録するのはいわゆる,家計簿で得られる効果,つまり執筆活動の客観化のためです。いつ,どのようなときに,どの程度書けるのかを記録し,可視化することで,自分の執筆のクセをつかむことが出来ます。また,一言日記を書いておくことでその日,どのようなメンタルで書いていたかを後から振り返ることができます。

心理学の研究では,毎日記録をつけるだけで執筆のパフォーマンスが高まるということが実証されているようです。一次資料の名前は忘れてしまったのですが,こちらの本には,「いかに論文を生産し続けるか」というテーマで,文字数を記録することの重要性が挙げられていました。


私は毎日書いた文字数と時間を3年と4ヶ月ほど記録しているのですが,これを続けた結果,自分の書くペースが掴めるようになりました。

私の場合ですと1日3000~5000字ぐらいがちょうどよく,次の日のコンディションを考えないのであれば最長で13,000字書けるみたいです。このようにセルフモニタリングをすることで,自分に最適な執筆のペースやをつかむことができ,どのように執筆活動をするのがいいか明確になります。

2つ目に,執筆状況の可視化のために行っています。というのも,執筆がうまく進まないとき,自分の今までの活動に対する成果すらも過小評価してしまうという悪循環に陥ってしまう場合があります。

そんなとき,今までの文字数が明確に記録されていると,それまでの活動を振り返ることができ,少しだけかもしれませんが,執筆が出来ないことに対するネガティブな感情が低減されるのではないかと思っています。

以前,高校の英語教師が,英単語を調べるときには電子辞書ではなく紙の辞書を使えと口酸っぱくして言っていました。そして,単語を調べたら付箋を貼っておくようにも教えてくれました。

高校生だった頃の私は先生の意図が分からず,ひたすら電子辞書で単語を調べていましたが,今思うと付箋を貼るという行為は,あとから活動記録を見返したときに,自分はこれだけ勉強をやったんだという自信を与えてくれるのだなと,最近になって思いました。

執筆を継続して行うことは,簡単なことではありません。私も何度もくじけそうになりましたし,いまこのnoteを書いているときも,冬コミのプロットに難航しています。そうして自信をなくしかけたときに,過去の活動を振り返ることで,失われていた自信が少しだけ回復し,「まあ,書いてみるか」という気になるのです。

ちなみにこれも心理学の研究なのですが,日本教育工学会の論文に,学習履歴を残しておくことが,タイピング学習の意欲(動機づけ)等を高めるということを検証した論文がありましたので,doiを共有しておきます。よかったら読んでみてください。


②書く時間を決める

悲しいことにやる気は,常に向こうからやってきてくれるものではありません。無性に書きたいという日もあれば,そうでない日もあります。私も,これを書いている今は,前期アニメの「負けヒロインが多すぎる」の続きが見たくてたまりません。

しかし,仮に1カ月で10万字という目標を達成するには1日平均して3,000字ほど書かなければならず,コツコツと進めた方がよさそうです。そこで私は大雑把ですが,平日は夜ご飯を食べてお風呂に入ったらパソコンかスマホを開く,というある種のルーチンを決めて書いてます。

友人に,「作業のやる気が湧かないときはどうしたらいいのか」ということを聞いたことがあるのですが,その子はこう答えていました。

・とりあえずパソコンを開いて座る。

・パソコンを開いて,ネットサーフィンでもなんでもいいからとりあえずいじってみる

・やる気が出たら少しだけでも進めてみる

・(たとえ作業が進まなくても)パソコンの前に座った自分を褒めてあげる

この,とりあえず作業机に向かうということと,それをしたことを褒めてあげるということがキモなのではないかと思います。

思えば私たちは小中学生の頃,時間割というものに縛られていました。各曜日,各時間に授業が振り分けられていて,授業時間が来たらとりあえず席に座る。このルーチンって実は重要だったのではないかと思います。

執筆活動には時間割がありません(〆切はある場合もありますが)。それは,好きなときに書けることを意味する一方で,自分を縛り付ける制約がないことも意味しております。

書く時間を,時間割のようにあらかじめ決めておく(制約を設ける)ことで,一応書こうかなという脳の切り替えが入るのではないかなと考えています。やる気が出てから書くのではなく,とりあえず書きはじめたらなんかやる気湧いてきた,という感じですね。

③〆切を設ける

〆切は案外ものすごい効力を発揮します。試験前になるととりあえず,間に合わせでもいいので試験勉強しますよね。同人誌を書かれている方は,這いつくばってでも〆切に間に合わせようとしますよね。私も,同人誌を書くときの方が,普段pixivに投稿している小説よりも継続的に書けるような気がします。

同人誌でなくてもいいので,「この作品は今週末までに仕上げる」というような縛りをもうけておくことで,動き出せるかもしれません。ただし〆切がプレッシャーになる場合もあるので,自分に合うように調整することをおすすめします。

④メンタルヘルスに気を配る

私は疲れがたまりやすく,体力はかなり低い方です。今これを書いているときも,連日の出張+季節の変わり目で心身ともにやられてしまい,あまりパフォーマンスとしては良くない状況です。

疲労は感じやすい方ですが一方で,「あ,今日はダメな日だな」という感覚に対してはかなり敏感なおかげでなんとか生き延びられています。10万字を書こうにも,体調を崩してしまっては元も子もありませんので,ダメな日は執筆をやめたり,校正やnoteの執筆など比較的簡単にできるタスクに切り替えて,コツコツやっています。

⑤割り切る

短いですが,割り切ることについて。

完璧なものを書こうとすると,高確率で行き詰まることが多いです。現に私もいま,冬コミのプロットに悩みに悩みまくって,行き詰まっています。

逆にうまくいくとき,執筆が進むときは,「初稿は適当でいいや笑」とうまく割り切ることが出来ています。どうせ最初から完璧な文章なんて書けるわけがないのだから,とりあえず書き切ってしまうぐらいの精神の方が結果的にパフォーマンスが良くなるのではないかと考えています。

今後の展望.書くことだけが執筆活動じゃない

今まで私は,どうやって書くかということについて書いてきましたが,これからは書いていないとき,つまりストーリーの構想やインプットの時間も執筆活動として認識できるようになればいいなと考えています。

実際,執筆しているときはわりとスイスイと進みますが,その前段階の方が私は苦手です。特にたびたび言及しているように,執筆する物語の構想を練るのが非常に苦手です。これは,本業の方でもそうです。とにかく,実際に動き始めるまでの計画を立てる段階が本当に苦痛で……。

①で触れた執筆日記はあくまで,執筆行動しか測定できないという弱点があります。その日,執筆以外のことにどれほど時間を割いたのか,どんなことをしたのかという視点も記録に組み込めたら,もっと自分の執筆活動の様相が明確になるのではと考えており,執筆日記のアップデートを目指しています。

文章を生産しているときはもちろん,産みの苦しみを味わっているときの自分も執筆活動をしているのだと受け入れられるマインドを育てていきたいですね。

以上で私の執筆活動に関する自分語りを終えますが,他の方の執筆活動の仕方や,モチベーション維持,工夫していることを知りたいので,もし回答していただける方がいましたら,マシュマロに回答してくれると参考になります!


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