2023/1/27 『ベースボール』
ただそれを求めて
彷徨いゆくひとよ
芥子粒のごまめのタラコのたらちねの
ほんわかと噛みついて
上申書がさわがしくときめいて
羽交い絞めにしてください森のひと
こきこきと、乾ききった木の音がする
清水さんは、湧き水のそばに家を建て
亡くなられた氷山の大いなる影法師を供養する
ただそれは悲しみを伴う
森羅万象は粒子の現象であるから
ときめく季節の汗ばむ季節の高原病を知ると言う
やましいこころと言うものは
笹の葉にもとまらない、ボスの声がする
シンガポールへ行けという
死んでもないのにシンガポールへ行けと言う
三振で振り逃げで一塁へかけだすが
アウト!
そうならないように眼隠しをしろ
審判による部会は都心の一等地に於いて
静かに始められ、静かに終了した
サイレンを鳴らせ!
セカンドゴロでゲッツウである
しびれた後頭部の痛みについては語られない
そのためにやわらかな雪が降る
このグランドを白く埋めていくのは
わたしの語るわずかな日誌である
そのために、ポイ捨てはやめてください
マウンドへあがるこの日の
ピッチャーはわたしの兄です
サハラの気候を先入観で語ってはいけません
トビゲラのようにアンダースローする快投の日の
兄さん、ようこそ、兄さんは、帽子を飛ばして
力投する
ただそれを求めて
そこにいる。