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2022/12/15 『信仰』

裸の體中に鉛筆を突き刺して、ぶらさげて
業火、身を焼く
凍河、民衆は苦しむ
植物は育たない
古木を削って食べる
石を汁なかに沈める
業火、どこを旅しても同じだ
女は子を殺し、男は男を剣の下に切り刻む
たきびする煙が洞窟の中から
寒空へと流れ出て
豪奢な星の光を白くかすめる
男と女は欲望し、體を絡める
魚類の内臓をつぶす
奴隷の呼吸を止める
黒曜石で宿題を忘れた聖徒の尻を切る
首を取れ、光りを逃がすな、窓を閉めろ
氷った湖の氷を少しも傷つけることなく
一枚の氷の板のまま、掬い上げて
太陽に向けて投げろ
真空を飛びつづけて、太陽にとどくと思え

くさりを解け
思想や哲学はどいつもでたらめに決まっている
今さら言うべきことではないが
火は炎となり
消すことのできない大紅蓮
何を信仰しても同じこと
天は地球より遠ざかり
水は命を失くしてしまった

憎しみを持って、一片の肉を食え。