2024/10/14 『 舞踏 (⑩) 』
そのひづめで、角膜を蹴り出して
ポリシーの粘膜にスカラーシバ
ウジェーヌと有情大根の根はほそらみ
照りつけるこの忌まわしい太陽のけだるさよ
大磯から小玉スイカまで、汗のふきだして
天球のシャツの匂いに
車エビたちが喉の奥から訴えるのであろうか
あれはシャワー室の破れた配管からの
オートナビゲーション、福笑いのシゲルさん
意味深な言葉で〈開通〉の祝辞とする
わなわなと天狗巣病で焼かれる少女は
剣(つるぎ)を持ち
ひさかたの光の輪に突入すると言う
コンクリートの校舎の階段の隅々に
いたわられた呪いと積み木のままの辞世の句
それらの心配事をこまやかな塩の砂とする
わが郡山奉行所の
泉水からの茶会へとつづく笹の葉の道
潮騒から日没までの祝いの席で
オオクニヌシは海水の酒をたらふく飲むと言う
神髄はとても君には理解不能である
だから捧げられた筒鉄砲で南を撃つ
コンブの森のゆるやかな海流の
シタテルヒメの衣のしなしなと
海流する海の底には底なしのウミヘビの口は大きく開け
大地の舞いでこの海に
しずめたまえ
しずめたまえ
アルファベータガンマ
アルファベータガンマ。