見出し画像

【工作】牽引力錯覚を生む装置ぶるなびの再現

概要

インターネッツサーフィンで見つけたハプティクス周りの面白そうな技術.
NTT研究所がやってた(まだやってる?)研究で,メカだけで牽引力錯覚(引っ張られる感じ)を利用した力感覚提示をするらしい.

牽引力錯覚でどのくらい引っ張られるのか興味があったが,買える感じでもなかったので再現してみた.

原理

クランクをちょっと細工してやることで,非対称な振動を起こす.
短時間に大きな加速度をあたえるか,長時間に小さな加速度を与えるか,それらと人間の非線形の知覚特性が合わさることで錯覚するらしい.

詳しくはここ.

各パーツの長さや重さ,回転数にどんな意味があるのかわかんないから,とりあえず作ってみる.
回転が速い方が牽引力は大きくなりそうだが.

実装

できるだけ加工とかをしたくないので,パーツ屋でにらめっこしながら買ってきた.千石電商で買ってきたが,購入物を見る限り模型屋でも買えそうだ.

買ったもの

これらを,見よう見まねで組み合わせてクランクを作る.

作ったやつ

・各アームの長さは黄色の長い奴を半分にした.
・モータ側のクランクの軌道を制限するために,棒の穴をつなげてネジが通るようにした.
・先端のアームの先には余ってたデカいワッシャーを2枚挟んだ.(もっと挟んでたけど,パワーが足りんので減らした)

横からみた図

・先端の重りが動く範囲と,モータを埋め込む穴もあけた.
・先端側のアームが2本なのはそれっぽいから,意味はない.
・電池ボックスはモータに直付けだが,絶対スイッチつけた方がよかった.

不格好なりにも動くようになったので見てほしい
実働動画:

モータから1:1で取り出してるのでパワーが足りんのか?思ったより遅いです.(電池交換したらもうちょい速くなりました)

効果

さて,肝心の牽引力だが...
・文献では先端側(重り側)に引っ張られるようだが,これではモータ側に引っ張られる.
・引っ張られるという表現は正確ではない.引っ張られる力を感じる.

向きについて:
重りとか長さとか全部適当なのでいろんなところに理由があると思う.
気づいた点としては,モータとアームの接続点の振幅(下図青矢印)と2アームの中間の接合点の振幅(下図緑矢印)の大きさが違う.文献は青<緑なのに対して作ったのは青>緑である.

振幅の説明の図

引っ張られ感について:
体が勝手に動いちゃうくらいを想像していたので,期待はずれではあった.
仕組みの問題なのか出力不足,設計の不備なのかはわかんないけど.
一方,「ひっぱられてるなー」と思う程度には感じることはできた.これを増幅してもジャイロみたいに体が自然に動くかは疑問が残る.

おわりに

当初の目的の牽引力錯覚の体感と装置の再現はできたので良かった.
本家はクランクの方式はやめちゃったようだけど,ただの往復運動から偏った知覚を得られるのは興味深い.何かほかにも使えませんかね.

結構ガバガバで作ったから改良点はたくさん見えてきた.でもめんどいので作り直しません.何に使うわけでもないので.


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?