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ずっと変わらない夢

2025年、また新しい年が幕を開けた。
末っ子長男がハタチを迎えたが、シングルマザーも御役御免……とはいかない。
仮面浪人を願い出されて、合格しそちらに改めて入学するとなると決して万々歳とはいえない奨学給付金の打切りという現実が待っている。
近い将来の幸せにも不安を少しだけ抱えている。
しかしながら愛しい相棒たちの夢実現と幸福な未来のみが、自分の人生の全てとなっている。
この人生のために、この世界に産み落とされたのだろうと確信すらしている。

半世紀以上をこの世界で生きてきた、そんな自分の夢は何だったのか?
大事な夢を周囲には匂わせる程度で、離婚歴3回の壮絶な生活をいいわけにし、夢実現への努力はのらりくらりとやり過ごしてきた。

そう、いいわけだ。
目の前にある私の体から誕生した大切な3つの命を育てるために、がむしゃらに多忙を極めたつもりの時間。
これほど頑張っていても時間的にも金銭的にも、未だに余裕などない。むしろマイナスに傾くことが多い。

投げ出したくなったこと、泣きじゃくったこと、相棒3人にいろんな夢を諦めさせようとしたこと、他人に頼ったこと……、無かったわけではない。
心の健康も損なった日々もある。
そんなときに限って、相棒3人のことだけではないハプニングが重なった。

何度も心が折れた季節が奇しくも、1月の下旬から2月、3月だ。
大好きな季節が晩秋から春先だというのに、この10年の間にトラウマ級のシーズンを含むようになった。
ただ不思議なことに、復活する。
ただ1度、中途覚醒するほどの不眠で壊れきり、病院に通ったこともある。
相棒3人の人生の問題は私の人生の問題でもある。
身体ひとつで3人の問題解決と金を稼ぐということを両立するのは、本当に大変だ。
成人すれど、いつまでも相棒への愛と責任は手放せない性分の自分を笑うこともしばしばある。

夢を叶えることを後回しにしてきたいいわけが、この半世紀の人生なのだ。

完全なるいいわけだ。

たしかに目先の生活に追われて時間すら捻出できない。

それが遠回りだったことに気付いたのは、去年のこと。
時代がとんでもないスピードで変わっていく。
黒電話の時代から生きてきて、いつしか現在のカテゴリーのいくつか必要なものをチョイスし、自分自身のアップデートもできるようなババアになっていた。
言葉をアウトプットするのも手書きではなくてもよくなった。
ましてやChatGPTをはじめとする生成AIまで登場した。

「自分の夢を叶える方が先だろう」

末っ子長男の夢のために奔走しながら、ふと声がした。
そういえば、相棒たちがときどき無意味に口にする言葉があった。
「マミコ(私のあだ名)、好きなことしてよ!」
私のホンネは、
(なに言ってんだ?どうやって飯食うんよ?)
だった。
それは無意味ではなかった。
3人の相棒がタイミングもバラバラに口にする言葉は、私に対する運命の助言だった。

私が自分の夢を叶えた先に、3人の相棒の未来があるのかもしれない。

トラウマ級のシーズンが目の前にやってきた。
夢を叶えることで打開してやろうじゃないか。

そんな私の夢。
「小説家になる」

小さな町の小さな書房で生まれ育ち、活字にまみれて育った。
厳格で酒乱の50で他界した昭和オヤジへ。
オヤジの他界後、少し世間ズレしていたがシングルマザーで三姉妹を育てあげ、一昨年他界した母へ。

私の幼い頃からの夢を覚えているだろうか?
「わたしね、小説家になる!」

#かなえたい夢

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