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愛と、曖昧
子どもの頃、両親がテーマパークに連れて行ってくれたはずなのに、その時の光景を、もうほとんど思い出すことができない。
何を見て、何を食べ、
家族とどんな会話をしたのか。
写真を見れば、かろうじて微かに蘇ってくるものの、それでも、もう殆ど思い出すことができない。
けれども、両親が連れて行ってくれた。
その大切にされていた事実が、
今の私を支えてくれている。
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8月の終わり。
恋人との1年記念日で訪れた、ディズニーランド。
やっぱり圧倒的に、ソアリンが素晴らしく、
まさに心が揺さぶられる体験だった。
ピラミッドの上の、ギリギリを飛んでいくこと。
大地を走るゾウたちが、あまりにリアルなこと。
草原の香りで、胸がいっぱいになったこと。
東京の街の煌めきに、故郷を誇る気持ちが芽生えたこと。
描かれているこの世界の美しさと、
アトラクションを作った人々の技術に感動して、
泣きそうになった。
けれども、この光景も、
きっと、いつか忘れてしまうのだと思う。
だんだんと曖昧な光景になって、
思い出せなくなってしまうのだと思う。
それでも、2023年の夏。
大好きな恋人と一緒に、ソアリンに乗ったこと。
その事実は消えることなく、自分の中に残り続け、その記憶が、これからの私を、きっと支えてくれる。
子どもの頃の体験が、
今の私を支えてくれているように。
楽しい、楽しい、楽しいで、
埋め尽くされた、ディズニーランドの2日間。
どこまでも書き尽くすことのできない『楽しさ』で溢れた時間を過ごすことができるのは、
恋人の多大な想いやりの上に成り立っているものだと思うので、そういうことは、日々忘れずに過ごして行きたい。
いつも愉快で、よく笑い、
私を元気にしてくれる魔法を使える人。
そんな彼との経験すべてを、
記憶に留めることができないとしても、
私にとって、
彼との時間ひとつひとつが、最高で最上である。