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56歳で歯の矯正をはじめた④カウンセリング二軒目
カウンセリング二軒目は、一軒目とは駅の反対側の矯正歯科専門医院。駅から徒歩2〜3分。
HPには、ワイヤー矯正は120万円、装着後の診察毎に調整費用として5000円だそうだ。高いな。でも高くても自分が納得できれば決めるつもりだ。
そして女性の歯科医の素晴らしい経歴が載っている。資格と同様、経歴は信用の証。判断材料のひとつになる。
エレベーターを降りると受付の前。ビルは古いが内装はスタイリッシュ。静かな音楽が流れモデルルームのよう。
受付にはモデルのような若い女性がひとり。
何もしないで座っている。
待ち合いの椅子は3つだけ、先客はなし。間もなく中から先に診察を受けた人が出てくる。予約時間通りに進んでいるようだ。
私が呼ばれる。診察台は2つ。案内された方へ入ると、HPで見た女性歯科医が自己紹介してくれる。40歳前後だろうか、物静かで上品そうな人。
まず私の顔を見て「うんうん」
私の顎を両手で包み
口を開けたり閉じたりささて
何度か口をいーっとさせて「はい、いいですよ」診察は終了したようだ。
あまりの早さに驚いたが、顎を包んだ手と表情は自信に溢れていて、確かな腕がありそうだった。
カウンセリングルームに移ると、こんどは男性の歯科医から自己紹介された。ムスッとした人。
先ほどの診察より、私の歯列は上と下の中心がズレていて噛み合っていない箇所があり「あなたの矯正は結構難しい」とのこと。
だからほら あなたの顔の輪郭ゆがんでるでしょ。
‥ なんかいま、傷ついた。
他の歯科医院にも行きましたかと聞かれたので、一軒目に行った歯科医院の名前と、精密検査が無料だったことを話した。
するとこの男性
「あそこは数で勝負するからね。歯科医はアルバイトばかりでどんどん辞めていくんですよ。まあ母体が大きいからやっていけるんでしょ。うちは技術がいいし、物も一番いい物を使っていますから、遠方から通ってくる人もいるんです」。
他院の悪口をこうもあけすけに言うのはいかがなものか。
しかし悪口ほど信じてしまうのが人の心理、一軒目について "なるほどな" と思わされてしまった。
やはり具体的な治療方針は精密検査を受けて決まる、と言われる。この歯科医院の精密検査費用は50,000円、高い。
しかし精密検査を受けないと治療方針が決まらないなら、精密検査を受けずしてどの歯科医院にするか決められない。
精密検査費用をケチっては納得のいく歯科医院を決められないってことだ。それじゃあ精密検査を受けるところを2カ所にしぼり、精密検査費用10万円を矯正予算に盛り込むことにする。
「じゃあ、受けます」と言うと男性歯科医はニッコリした。
受付で検査の日を予約するよう言い、日頃なにか運動してるの?運動は歯並びにもいいよ、みたいなことを言いながら私を受付まで送り出した。
この人、私が精密検査を受けると言ったとたんに機嫌が良くなったよね。さっきの悪口といい、性格良くない。
受付のキレイな女性は私の予約を取る他にすることが無さそうなほど、ヒマそうだった。本日のカウンセリング費用は3000円。
待ち合い席には次の人がひとり待っていた。コンスタントに予約は入っているようだな。
終わって
歯科医院の雰囲気は○
女性歯科医は◎
いい物を使っているのも○
高いけど間違いない気がする。
だけどもしかしたら女性歯科医ではなく男性歯科医に診られることもあるのだろうか。あの男性歯科医に高い金を払いたくはない。
二軒カウンセリング受けて、一軒目は候補から消えた。しかしここに決定もできない。
あと二軒、目星をつけた歯科医院があるから早めにカウンセリングを受けてみることにした。感触次第でここの精密検査はキャンセルしよう。
次回は三件目と四件目を同時進行した話。