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バスを降りるときお礼言いますか

あなたはバスを降りるときに
お礼を言う派ですか。

私は言わない人です。

バスを降りるときに
ありがとうございました、と言ってる人に
後ろから追いかけて言いたい。

あなたお金を払っているんですよ。
お礼を言う必要ないんです、と。


乗せてもらったから?
安全運転してくれたから?

それが運転手さんの仕事。
そして私たちは対価を払っている。
だからお礼を言わなくていいんです。


幼い子、
お母さんから言われたのだろう。
若い女の人、
きっと "だれにでもお礼を言いなさい" と言われて育ったにちがいない。


言うのは多くがお年寄り。

東京都は70歳以上に
シルバーパスという
バスと電車に無料で乗れる券がある。

都が税金で行っている事業だから
バス会社の慈善事業ではない。
税金で乗っているんです。

なにも納税者にお礼を言うべき
などと言いたいのではない。

やたらとお礼を言うのが好きではないのだ。


知人にこの話をすると
きまって変な顔をされる。

「だってそれは、ありがたいからだよ」

だれに?
なにに?


これを書くにあたりよく考えてみた。
あの人たちがお礼を言う意味を。

そうだ私にも
バスがありがたいと思った時があった。

いつもの店でつい深酒した夜。
バスは夜道を家の近くまで安全に運んでくれる。
ホントありがたいと思う。
バスがある社会に感謝する。


あぁ、そうだったのか。
行動が制限される人にとってバスは
徒歩では行けない所に連れて行ってくれる。
駅に着けば、さらに遠くへ。

行動範囲が広がれば
生き甲斐も増えるだろう。

よわい六十にもなろうというのに
そんなことにも気づかなかった。

不自由なく生活しているモノサシで
えらそうに。
恥ずかしい。

六十にして耳したがう にはほど遠い。
もっといろいろなことを知らなければ
世の中のことなど語れない。

気づいてよかった。


でも、バスの運転手さんにお礼を言うのは
なにかを代表しているようで
おこがましい気がしてしまう。


心で思う
安全で安心なバスがある日本、ありがとう。



※東京都シルバーパス
住民税非課税の場合 1,000円/年
住民税課税の場合は 20,510円/年 で購入可能。


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