転職して初めて心が温まった話
今日、転職して初めて先輩をとても尊敬できて、この仕事を続けられるかもと思った出来事があった。そのことについて書こうと思う。
先日、良いお天気なのに車で3時間待機し5分の仕事を終え、1日休み出勤した。朝から私の中では仕事を続けるのが苦痛、職場の人の顔も見たくない、だけど今仕事を覚えないと資格を持っているとはいえどこに転職しても同じことになる、はぁ仕事に行きたくないと思って出勤したのでは漆黒の闇くらいの暗いオーラをまとっての出勤。当然朝礼の声も低く、誰ともしゃべりませんオーラの中、休日明けの職場はいつもよりお喋りをしている先輩方がいた。3人で楽しそうに喋っている所一人でパソコンをカタカタと打ち始める私。まぁいつもそう。そもそも後から入ってきた新人、それも先輩達と同年代、あちらも喋りづらいだろうし、まとっているオーラが違う(暗いし)、そりゃ誰も喋りませんわというか喋るのも苦痛。だけどそれでいいと思っている私。
昼食だけは皆と一緒の場所で食べた方が良いと教わってきて、先々週までは頑張ってきた。だけど心が折れて先週あたりから車で食べるようになった。「負けだな。」と悔しいと思う自分がいるけど、今はこれくらいの防御をしていかないと仕事を覚える前にギブアップしてしまうからと言い訳している。今日も早々と車に引き上げ10分ほど前に職場へ戻る。すると先輩、以前話したことを覚えていてくれて「そういえばさ、どうなった?」と気にかけてくれている。この先輩のこういうところ人間できてるなと思う。もう一人の10年選手の上司とはエライ違い。彼女は、最近辛いことがあった人なのだが、そのことも笑いを交えながら話してくれる。いつも笑っていて、電話対応も職場では一番長い。長いが故「打ち込みできてないよ~」と笑っているが、電話対応を聞いていると、傾聴、アドバイス、同調、もしもの場合の考えられること、笑い話など相手の言っていることが聞こえなくても、話している内容からこういうことなんだと言うことがとても分かりやすいし、私だったら何かあったときには真っ先に電話をしてしまうだろうという具合。気にかけてくれていただけでも今の私には感動する出来事。朝の暗い声から、普段の声に戻り「実はこうで...」と話を聞いてもらい少し心が軽くなった。
午後になり1件引き受けなくてはならない仕事ができた。ちょうど席を外していて受けてくれたのは先輩。先輩も出かけなくてはならずメモを取っておいてくれた。調整する日程がギリギリの仕事で、でも今月引き受ければ会社の利益にはなると言う仕事。新人なので引き受けなくてはならなかったが、ただでさえ今抱えている仕事も1件1件を聞きながら、怒られながら、初めてのことをしながらやっている訳で...人と接する仕事だが、コロナ渦の中会うことも難しいところ。もらう資料だけで仕事をしなくてはならないけど、性格的にも自分の目で確かめないと進めないジレンマがある。ところが先輩のメモは、誰もが必要と思われる最低限な情報が殴り書きではあったが書かれている。上司から渡される仕事は、職場で統一された書式に入力してある情報のみ。書式にないことは入力されていない。人によって必要な情報というモノは違うと思うけど最低限ここまで聞いておけば、足りない情報はどこかが分かるという情報の聞き方、メモにとても驚き感動した。そこよ、そこなのよ、先輩パチパチパチ。盛大に私の心の中で拍手が響く。上司からあとは先輩が帰ってきて聞いてから、受けるか受けないか決めましょうと言って外出。もう帰ってくるな~。
ほどなくして先輩が帰ってきた。早速先輩に私が受けることになりそうなので教えてくださいと聞いてみる。すると先輩、半笑いで「今月引き受ければ確かにお金にはなるよね。だけど私だったら、手間と日程の少なさを考えると次月からにするか、相手の指示をそのまま名前を変えてするかどちらかで引き受けますと伝えるよ。さすがにteruさんからは言えないと思うから、私言うから。上司の考えてること分からないから」と言ってくれた。
先輩、感動です!!すごい!!私の実力を分かって的確な判断、指示を出してくれる。上司に聞いても「自身で考えて」「確認して」「調べて」という答えしか返ってこない。先輩はさらに「色々見ないと何が必要かなんて分からないよね。喋られただけで難しいよね。あっ!!ブなのにゴになってる、読めないよね。ゴメンね、アハハハ!」。豪快に笑ってる。はぁ~、良い人が先輩で、しかも職場の中にいてくれて本当良かった。仕事続けられるかも~、この人がいてくれたらと初めて思えた。10年選手というけど、本当だ。この人の10年はすごく価値のある10年だと感心した。かたや10年選手の上司。モノの言い方も、教え方も全く違う。先輩は自分もこういう所が分からなかったな、そうだったなということを常に意識してか分からないが理解しやすいよう喋ってくれる。私たちの仕事は、人の話を聞きだしその人の想いを汲み、その人の生活がその人らしく進んでいけるよう手伝う仕事で、確認しながら進めていく仕事。上司は、効率第一主義で仕事の手間はいくらでも省きたいのがよく見える。一方先輩は、何をするにもとにかく電話や直接会って話をして確認、疑問があればさらに確認。私が見習いたいのは断然先輩だ。対応する人は違うが分野が同じ仕事を10年近く経験してきた私の仕事スタイルと同じである。本当に先輩がいてくれて良かった。私もこれから10年続くか分からないけど先輩みたいになりたいと思う。明日にでも辞めてしまいたいと思っていた私に針の先ほどではあるが光が見えたような気がする。この先輩がいるなら私まだ頑張れるかも。明日もまた頑張ろう、先輩に追いつけるように。
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