NZ在住で「日本語教育×Well-being」を実践している
荻野雅由さん主催のセミナーでの
学びのシェアです。
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元NHKアナウンサーの
石垣真帆さんのお話
さすが、声をお仕事にされている方
低すぎず高すぎず
落ち着いた豊かな声が
笑顔の真帆さんから
心地よく響いてきました。
声はギフト
太古の昔から
誰一人として、同じ声の人はいないそうです。
つまり
この宇宙で、唯一無二のギフト
1人1人の宝物だということです。
声とは
聲という旧字体から
その本来の意味を紐とき
=音+響き
「こ」=よろこび+「え」=感情表現である
と教えてくださいました。
(平仮名は単なる音ではなかったんですね)
***
それから、真帆さんは
声を出す前と出した後に
分けて話してくださったのですが
考えたこともなかった視点でした。
声を出す前
声が出るしくみについては
日本語教育の音声学で学びました。
でも、真帆さんの説明はもっと深かったのです。
体の奥からどこを通って
どのように口の中で音が声として発せられるのか
手描きの美しいイラストと共に教えてくださいました。
1秒間に何百回も声帯を震わせて音を出している
とんでもないことを
この体が無意識にやってのけていることを知りました。
声を出した後
自分が発した声は
出しっぱなしではなく
相手にどのように届くのか意識して
その届いた声に責任を持つことが大事だとも
おっしゃっていました。
相手をしっかりとらえて
心をまっすぐ届ける。
***
自分で録音した声を聴くと
違和感があり、嫌だと思う人が多いですよね。
自分の体から発している音の聴こえ方と
空気振動を伝ってキャッチした人の聴こえ方は違います。
でもそれが人に聴こえる、紛れもない自分の声なのです。
ただ、自分の声が嫌いな人も自信がない人も
全ては、声の「出し方」で変わるそうです。
訓練次第で変わる、ということです。
(真帆さんのボイストレーニング
うけたくなっちゃいました)
声の筒
相手に届く声とは、どんな声でしょうか。
真帆さんの問い
「聴いている相手が一番うけとれる声とは?」
に対して
何人かが答えました。
・安心感がある声
・はっきりした聞きやすい声
・通る声
どれも正しいです。
真帆さんなりの解釈が秀逸でした。
相手が「自分に呼びかけてくれている」と感じられる声
そして、相手につながる筒をイメージして
声をかけると伝わるのだそうです。
がやがやした居酒屋で
どのように店員さんに呼びかけますか?
遠くに届くように細く長く
他のお客さんたちではなく、その一人の店員さんに
呼びかけていますよね。
イメージしやすい例えでした。
話し架ける
”話しかけるの「かける」は「架ける」
橋を架けるように送り届ける”
とても素敵な表現だなと感動しました。
”声は命”
雅さん主催のセミナーでは
最後に、一人一言ずつ
心に残ったキーワードと感想を述べます。
そして、登壇者からフィードバックをいただく
贅沢な時間があります。
私は
「声は命そのものである」
という言葉が一番心に刺さりました。
ああ、そうか
私は、命を届けているんだ
また、命を受け取っているんだと知り
これからはもっと
1つ1つのコミュニケーションを
大切にしていこうと思いました。
嬉しいことに
雅さんの心に響いた言葉と同じでした。
命の最後に聴きたい声
最後に
真帆さんが今までのアナウンサー人生で
とても嬉しかったことを話してくれました。
***
夕方のラジオのパーソナリティーをしていた頃
仕事が終わってから入った飲食店で
たまたま隣の人と話していて
お客さん「あ、あなたの声、聴いたことがあるよ」
真帆さん「あ、ラジオ聴いてくださっているんですか?」
お客さん「うん、毎日聴いてる」
そのお客さんが
ホスピスで働いていることを知ると
鳥肌が立ったそうです。
ホスピス・・・
もう自力で動くことも話すこともできない状態の方たちが
命の最後の灯を静かにともしている所です。
そのような場所で
最後に聴かせていた音が
静かなクラッシック音楽でもなく
夕方のにぎやかで元気な様子を伝えるラジオから流れる
真帆さんの声だったのです。
買い物をしている人
仕事帰りの人
子どもを塾へ送り向かいしている人
いろいろな人の生活の営みが
生き生きと感じられる時間帯
そのラジオが大好きで楽しく話していた
真帆さんの”生きている声”が
死にゆく人々に届けられていたのです。
***
これからも、真帆さんは
愛情のこもった温かい心の声を
多くの人に届けていくでしょう。
そして、その美しい声は
やがて”世界平和”へとつながっていく
私もそれを信じています。
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