フジファブリック ノンフィクション in 大阪城ホール

2024.11.10 フジファブリック20th anniversary 3マンSPECIAL LIVE at OSAKA-JO HALL 2024「ノンフィクション」

フジファブリック×くるり×ASIAN KUNG-FU GENERATION

これだけはどうしても行かなきゃいけない気がした。結果、行って大正解だった。


・ASIAN KUNG-FU GENERATION

まさかの1曲目は茜色の夕日のカバー。ドラムの音で、え?ってなってからゴッチの歌い出しでどよめき。この曲は8月に行われたフジファブリックの20周年のワンマンで10年振りにライブで歌われた曲。そして山内さんの声では一度も歌われていない曲。志村さんが亡くなった時に奥田民生さんが泣きながらカバーした事は知ってる人も多いはず。この曲は誰かに歌われる事で語り継がれるような、そんな気がしている。もう既に大阪まで来て良かったって思えた。めちゃくちゃ泣いちゃったな。
「日本で3番目に有名なサビ」と、自身で評した代表曲リライトではイントロから大歓声。アジカンはいつもフェスで見ていたからリライト警察が発動しないのは初めて見たかも笑
「恩師を呼びたいと思います。僕達は音楽的には不調では無かったけれど、膝の関節で言うところのヒアルロン酸が足りないような、カサカサな時期がありました。その時に助けてくれた人です。」
と、紹介の後に出てくるのはフジファブリックのキーボード、金澤さん。
昔ツアーを一緒に回って、70回程ライブを一緒にやったらしく、そのツアーの思い出の曲を。 と言って始まるのは迷子犬と雨のビート。
後のフジファブリックのステージでも言っていたけれど、この時フジファブリックはバンドが止まっている時で、本当にアジカンに助けられたらしい。助けてくれてありがとう。


・くるり

個人的には「まだライブを見た事ないバンドの中で1番見たいバンドは?」と訊かれたら毎回くるりと答えていた。念願の初めまして。
ステージに出てきて「どうも〜くるりです〜よろしくお願いします〜」と京都弁で軽く挨拶してくるあの感じが何か好きだったな笑
1曲目はくるりの代名詞とも言える、大名曲の東京。この曲の時の照明の赤がジャケ写の東京タワーの赤に感じる。
念願のくるりの1曲目がずっと聴いていた東京という事で久しぶりにライブで「ほ、本物だ…!」と感じてしまった笑
生で聴く岸田さんの歌い方や佐藤さんのベースはやっぱり凄くて、これはMorning Paperでもそう。くるりをあまり知らない人からしたら、いつ終わるんだこの曲って思うかもしれないけれど笑 この曲を楽しんで演奏しているのが伝わってきた。
盟友と紹介してフジファブリックの山内さんを迎え、「リライトよりも盛り上がりましょう」と言って始まるのはロックンロール。
岸田さんが山内さんに「ギター上手いからねえ」と言っていたので本当に失礼な話、この時初めて山内さんをギターボーカルではなく1ギタリストとして見た。率直な感想として、うんま!って思った。昔なんかのテレビで見た、プロが選ぶ上手いギタリスト集を思い出した。いつも複雑なギターを鳴らしながら歌もこなしてたんだな。
ロックンロールが終わって大団円。かと思っていたけれど「残念ながらあと1曲あります」と言って始まるのは最新曲であるLa Palummella。くるりの個性が出まくりの曲。1組目のアジカンは初心者向けの優しいセトリだったけれど、くるりは自分の個性を存分に出したセトリだった。どっちが良いとかは全く無くて、それがアジカンらしさ、くるりらしさで良かった。これからももっとくるりらしさを知る為にも沢山ライブ見たいな。


・フジファブリック

もうこれで見るのは最後になるのかな と思いながらPortraitを聴いていたらこみ上げるものが多かった。
突然始まった、アジカンのループ&ループのカバー。アジカンの曲である事を忘れるくらいフジファブリックの色が出たカバーになっていて、それがアジカンへのリスペクトの様に感じた。
アジカンのカバーをしたという事は次はくるりのカバーもするという事。どの曲が来るんだろう、そうワクワクしている中で山内さんのMC。
「この中にはアジカンとくるりを聴いて育った人が多いと思うんですよ。僕もです。くるりは沢山好きな曲があって、どれをカバーするか悩んだんですけどバンドが止まっていた2010年にツアーを回っていた時の曲で、僕も弾いていた曲をやります。『出会った事が全て』という曲で、出会いがあったからこそ今こうして音楽が出来てるという大切な曲です。」
魔法のじゅうたん。
心臓が高速で鳴り始めたのが聞こえた。くるりで1番大好きな曲。まさかカバーしてくれるとは。個人的にはサビ終わりのギターが大好きで、山内さんのギターであの音を聴けた事が本当に幸せ。『僕はここで待ってるからさ』の歌詞に対してはこっちのセリフだ!って言いたくなった笑
突然始まった銀河、びっくり。聴けると思わなかった。嬉しかったな。
ライブでの盛り上がり方が凄まじいミラクルレボリューションNo.9とFevermanを経て、本編最後のMC。ライブ前日、大阪のホテルでボーッとしていた時に山内さんは突然、金澤さんが言っていた「大阪もフジファブリックにとって故郷」という言葉を思い出してグッとなったと言う。大阪を思って作った曲と言って本編最後に歌うのは手紙。大切な曲がまた出来ちゃったな。
アンコール、照明が点くとステージ上にズラリと並ぶマイクスタンド。そう、ここで出てくるのはフジファブリックのメンバーのみならず、アジカンからゴッチ、そしてくるりのお2人。歌うのは若者のすべて。
何と言うか、本当に凄かった。私は邦楽史に残る凄い瞬間を見ているのかもしれないぞと思いながら足が震えた。岸田さんの歌い出しの「真夏のピークが去った」も、ゴッチの「最後の花火に今年もなったな」も、それぞれの歌い方でめちゃくちゃ良かった。きっとこのステージは、何年経っても思い出してしまうな。
最後のMC。「来年の2月で一旦お休みをしますが、バンドが無くなる訳では無いしこれからも音楽を作っていきます」
解散ではなく、あくまで活動休止。バンドを残す選択をしてくれて本当にありがとう。絶えない拍手に何とかして涙を堪えようとする山内さん。釣られてこっちまで泣いちゃった。
「フジファブリックは無くならないし、これからの事は不確かだけれど相変わらずライブやってんな、音楽やってるなと思ったら、また会いに来てください」
アンコール最後、SUPER!!
これが最後のフジファブリックだと思いながら見ていたこの日のステージだったけれど、最後のMCのおかげで何だか気が楽になったというか、晴れやかな気持ちで最後の曲を聴けた。きっとこれは最後じゃないんだな。


改めて、本当に凄いライブだった。今まで色んなバンドの3マンのライブを見てきたけど、ここまでお互いのリスペクトに溢れたライブは初めて見た。私はこのライブを見る為に音楽を好きになったんじゃないかとでさえ思ってしまった。
フジファブリック、20周年おめでとうございます。またどこかで。

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