【おしごとエッセイ】わたしとおしごとたち。~黒き着信・ゲーム屋伝説~
皆さんのゲーム屋店員のイメージって、なんでしょうか?案外、ただゲームをしているだけの楽な仕事、と思っていらっしゃる方が実は多いので(偏見ではなく、面接時実際そう言われます)、その誤解はしっかり解いておきたい!と声を大にしたい輝向です。
ただし、楽しいぞ!ゲームはし放題だ!
まあ業務にもよりますが。私がやって居た業務はと言うと主に、POP作成、ゲームPV作成、(中古も取り扱っていたので)ゲームの掃除と動作チェック←ここでゲームし放題が発生する、新作のチェック←ここでファミ通読み放題も発生、陳列やコーナー作り、そして何より接客、接客、接客です。
そう、ゲーム屋は立派な接客業、人と接することが苦手だと中々難しい仕事なのです。と、言うのも、何故か暇な学生たちやおじさまがお越しになる店舗だったので、購入時に前作のここがよかったとか今作のここに期待しているみたいな話になることも少なくありません。だが、ここが腕の見せ所。話題の持って行き方によっては意図せず売り上げUPに繋がったりもします(意図せずうちの店長は会話の流れで何故かXBoxという某伝説のハードを売り飛ばしまくっていた最強のファイター)。
あとは何が一番辛かったかと言うと、中古なので返品がそこそこ出現するのですが、返品にもこちらとしても規約がある為、実際動作確認をしなければいけないのですね。大体はまあ、在庫があれば交換しその場はすぐに終わるのですが、その後返品された品がほんとにダメなのかなんとかなるのかチェック、と言ったところです。
まずはこれが実際のゲームのバグなのか調べるところから始まり、大体お客様が仰った「バグる」箇所まで進めなければならない。これが大変で、中盤にも成ろうものならどうしようもない。GTOでどこかまで進まなきゃいけないのに何度も車をバックさせて廃車させまくって苛々しながら夜番にぶん投げたのは良い記憶です(夜の人はFPSとかつおい)。
なんせ輝向はCoDのBOをチュートリアルで死にましたからね!ありゃあかん!しゃこしゃこしてたらしんでました!
そういったバグチェックの中でも最も記憶に残っているのは、WiiのCALLING~黒き着信~。あれは珍しく私が遅番に入っていて、絶対チェックしといて!と言われたソフトでした。渡されたときアホか?やるわけないやろ?とも思いましたが生憎とこれもお仕事です。タイムカードを打った以上はやらねばなるまいて。しかもWiiのホラーゲームと言えば大体高騰していた為、これがエラーでないのならば是非商品化したいアイテム!私は意を決してプレイを始めました。
こわい。こわすぎる。
Wiiリモコンを携帯や懐中電灯に見立てるというなんとも高尚なこのゲーム、操作性もわざと悪くされており、のろのろ…という動きが余計に怖い。めっちゃ怖い。たっけて怖い。ぶるぶる震えながらプレイを続けていると、黒い着信が!途端、ブルブルブル、と震えるWiiリモコン。驚愕する輝向、勢い余って真上にWiiリモコンをフルスイング!指からすっぽ抜けたそれは、見事店内の照明をブチぬいたのでした……(皆は必ず、Wiiで遊ぶときはストラップをつけようね!輝向との約束ダゾ!)
とまあ、様々な事故を孕みながらも、店長代理クラスまで上り詰めた私は、声優好きという技能のみで乙女ゲーム担当に昇格。好きな声優さんで集めたPVを作成したり、とにかく好きな乙女ゲームを推して推して推して参る自己中心型な展開を楽しんだりしていました。
そのほかにも、リアル着信アリ事件や、財布フェアリー事件、タイムアタック退店事件、ストーカーバッタ事件など様々な事件が起こりつつの、ドタバタ楽しい職場でした。
そう、本当にとても楽しく自分に向いているお仕事だったのですが、拘束時間がどうしても長くやりたいこととの両立が難しくなり(ゲーム屋のトイレで締め切り間際の歌詞を打ち込んでいたこともあった懐かしいおもひで)(店長スマヌ)、退職を決意したのでしたが、また機会があれば短時間で雇って貰えないかな……と一番思っているお仕事なのでした。