【ニューヨーク滞在記】⑨早起きはハンバーガーの徳。そして、13時間のフライトを経て、無事帰国

 アメリカで過ごす最終日は、早朝6時に目を覚ました。エリックとハンバーガーを食べにいく約束をしていたのだ。

 もともと、帰りは空港まで送ってもらうことになっていた。前夜に飛行機の時間が13時だとエリックに伝えると、「ならばおススメのハンバーガーショップがあるから食べに行こう」と提案してくれた。「朝ごはんでハンバーガー??」と少し迷ったが、それでも最後までニューヨークを(文字通り)味わいたかったので、行くことに。というか、5時くらいに起きて車で迎えに来てくれるエリックは、なんて素晴らしい人なのだろう…。 

 起きると、同部屋の人のいびきが聞こえる。静かに着替えをし、荷物をまとめる。だが、暗い部屋の中では上手くいかないので、一度部屋の外に出て行う。お土産で膨らんだスーツケースはパンパンで、押し込まないとチャックが閉まらない。

 準備していると、エリックから着いたとの連絡が。「あなたのペースでいいよ」と書いてあるが、早朝から迎えに来てもらった身で、待たせることはできない。あと5分で行くよと返し、急いでチェックアウトをした。

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 ホステルに感謝を告げる(部屋の扉を閉めた時、脳内ではテイラースウィフトの音楽と共に、テラスハウスの終わりのシーンが流れていた)。

 エリックの車に荷物を詰め、出発する。

 朝の7時。美しい朝焼けが見えた。

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 だいたい20分ぐらいで、目的地の「Jacson Hole」というハンバーガーショップに着いた。マンハッタンの東に位置する、大通り沿いの店だった。

 店の外観はトレーラーのようで、「DINER」と書かれた緑の大きな看板が印象的だ。朝の7時半。さすがにこの時間からハンバーガーを食べるなんて発想はないだろうと思っていたが、ニューヨーカーにとっては普通なことのようだ。最大20人は座れるであろう店内にはすでに、10人ほどの客がいた。白髪の、だいたい60代くらいの男性が多く、一人で新聞を読んだり、友人同士で談笑していたりと、確かにそこには日常があった。

 緊張しながら、エリックの後に続いて入店し、席に座る。種類は様々だったが、迷った末エリックと同じものにした。

 すぐに、おかわり自由だというホットコーヒーが運ばれる。それを飲みながら、彼も住んでいた志木のことを話したり、彼の昔の話を聞いたりした。当時、オープンした直後で人気を集めていた温泉施設「スパジアムジャポン」が志木駅からのアクセスできる、というと、彼は笑顔で「次、日本にいったときに行ってみるよ」と話していた。

 ついにハンバーガーが運ばれてきた。

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 手のひら大の肉の塊に、チーズ、目玉焼き、トマト、レタス。「朝7時からハンバーガーなんて食べれないだろう」と思っていたが、これを見るなり、口の中でよだれが増えていくのが分かる。

 さあ、いこう。

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 大きすぎて、全ての具材を一緒に食べるのが難しいということ以外は、何も言うことは無い。完璧な、求めていたハンバーガーだ。 

 食べるのに夢中になって、油断すると、あふれる肉汁が手をつたって袖に入りそうになる。

 途中からは崩れたトマトやレタスをフォークで拾い上げ、口に詰め込むという有様だったが、幸せな時間だった。

だいな

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 かなりの有名店のようで、クリントン元大統領や、歌手のエドシーランなどの写真が飾られていた。 

 ヘビーな肉でお腹を満たし、さあ空港へ。

 の、前に。その近所には、エリックが生まれ育った町があるとのことで、彼の故郷を少し案内してもらった。ラガーディア空港の真横に位置し、頭上を飛行機が行き交う住宅街。指をさしながら生まれ育った家を紹介してくれた。

 そして、JFK空港へ。道路からは、ニューヨーク・メッツの本拠地シティ・フィールドや、全米オープンテニスの試合会場、USTAナショナルテニスセンターが見えた。

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 無事に空港へ到着。荷物を出し、エリックとハグを交わす。どんなに感謝をしても、彼はサラリと「問題ないよ」。彼がいなくては、こんなに楽しい1週間を過ごすことができなかった。心の底からありがとうと言い、車が見えなくなるまで見送った。

 空港内は空いていた。カウンターで手続きを行い、出発ゲートを通り過ぎた。

 搭乗まで時間があったので、友人へのお土産にヤンキースのシャツを購入した。実は、NBAのグッズを頼まれていたのだが、買いそびれてしまっていた。なんとか土壇場で代わりの品を手に入れ、これで思い残すこともなく帰ることができる。

 13時、JALの飛行機に乗り、帰国の途についた。

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かえり

 機内。タブレットで日記を書いていると、様々な記憶がよみがえってくる。出発前日のディズニーランドに始まり、奇跡のフライト。到着してからのエリックとのやりとりや、スポーツ三昧の日々…。新たなつながりもできた。全てが新鮮で、冒険のような旅行だった。写真や動画を眺めていると、始まれば終わりが来るという事実に、寂しさで泣きそうになる。

ぎゅうどう

 機内食で牛丼が出た。店で食べるものと遜色がなく、久しぶりの和風の味ということもあり、かきこむようにして食べた。

 無事に到着。すぐに大好物のうどんを食べに行く。のどごしの良さに、ものの5分で完食してしまった。やはり日本食は最高だ。

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 こうして、旅は終わりを迎えた。

 ありがとうニューヨーク。ありがとう、エリック、ナオコさん、田中さんに、お会いした皆さま。わがままな夢を叶えてくれた親にも、心の底から感謝している。

 ただ楽しかった旅、というわけではなく、これを今後に生かすことが重要だ。そのために、英語の勉強をしたり、様々な文化を学んだり、これまで以上に自分を磨いていこうと思う。そして最後に、こう誓って日記を締めたい。

 「10年後、絶対に仕事でニューヨークに戻ってやる!!!」

 完。


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