台湾BLドラマ「永遠の1位」第1話を本気で見た
前回のnoteで「もしかしたら書くかもしれない」などという無駄なフラグを立てるまでもなく、今回も書くことにしました。理由はシンプルにこのドラマが最高だったので。
台湾BL自体あんまりハズレがない印象で、ワンパターンにならないように色々実験的なアプローチをしてたりとか、セリフや画角的に「エモい」表現が超得意な感じがします。noteでも書いたことのあるHIStoryシリーズおすすめです。今アマプラで見られますしエモーションが大嵐で来る。アマプラの猛追、BLの充実が尋常じゃないから秒で元が取れてしまう。
さて今回の永遠の1位は、設定とキャラクターが良い。ざっくり言うと、1位が2位を追いかけている(が、現状めちゃくちゃ避けられている)というストーリーです。刺さる人には尋常じゃない刺さり方をするヤツなので、全話パックをおすすめします。レンタルで様子見するのも大アリですが、いずれは購入することになります。私は布教しながらそういう人々を何人も見てきましたので……。
さっそく1話、題名は「レッスン1 一緒に窒息しよう」。題名から最高にエモ。EMO。
プールをバックにして、シードーのモノローグから始まります。
それはシードーが1位にこだわる理由で、必死に努力をし続けたのはシューイーに「俺を見つけてほしかった」から。突き放したりしないで自分のことを見てほしいという切実な願いを打ち明けるわけです……。
この時、シードーが水中に飛び込み、同じく水中にいるシューイーに抵抗されながらもキスをするという美しい映像が流れている。開始1分少々で既にエモすぎて情緒が乱れる。
続いて、シューイーには小さい頃からの幼馴染の女子ユーシンと男子ジョンウェンがいる。幼馴染がいるのは幸せだけど、3人では恋愛をすることができない。
シューイーの父は、かつて「失敗しても当たり前、成功したら男前」という言葉を胸に自分の母を口説いたという。この父の言葉、どっかで聞いたことがあるような、無いような??と思って調べたら山Pの「プロポーズ大作戦」のセリフでした。そういえば台湾や中国でものすごく人気だったと聞いたことがある。
そして、シューイーの首にかかる幸運のネックレスに「新入部員の歓迎大会で1位を取ったら人生の大勝負に出て、友情から恋愛に発展させてみせる」と誓う。ここでシューイーは幼馴染の女子ユーシンのことが好きであるということが分かります。ものすごい強気だけど、ここのBGMからして何となく嫌な予感しちゃうの笑う。
気合十分でプールサイドにやってきたシューイーは、観客席にいるユーシンを見つけて手をふる。ユーシンもウィンクなんかしちゃったりして若干の思わせぶりを感じる。そして同じくジョンウェンも参加する模様。
仲間のビンウェイからはエース、優勝候補と言われ、後輩からキャップとゴーグルを受け取ってキャーキャー言われてる人気者のシューイーパイセン。このときの「謝謝」の言い方に自信がすごい滲んできている。
「全力を出さなくても優勝できる。俺はジョウ・シューイーだぞ」と豪語する、泳ぐ前からトップギアのシューイーパイセン。調子に乗るな、分かったから集中しろとたしなめられる。かわいいですね。
すると奥からやってきた二人の男子に、女子が「シードー先輩!かっこいい!」と歓声を上げる。
シ……シードー……?とものすごい顔して振り返るシューイー。視線の先にはものすごい輝く笑顔でシューイーを見ているシードーの姿が。
「何でここに!?!」と動揺して落としたゴーグルを踏み、この時「いたっ」と日本語が漏れます。そしてそのままプールに落下。かわいそう。
水中で「何でいるんだ?また俺の邪魔したいのか?!」と情緒が乱れまくってると足が攣ってしまう。さすがにこれで足攣って溺れてたらダサすぎて無理すぎるシューイーは水中でもがきます。
いやいやダサくてもいいから命優先しよ……!!と思ってたら異変に気づいたシードーがプールに飛び込み、「大丈夫か?」と水中で聞く。
やせ我慢がすごいシューイーは全然オッケー超余裕!ってやるんだけど、足が攣ってることにも気づかれてしまう。いやマジ、お前の助けとかいらないから!?どいて!?と必死にアピっているシューイーですが、シードーにガッと体を抱えられて水中から上がる。
「挫折とは人生における敵であり、失敗とは日常における石だ。俺にとっての敵と石は、たった一つ。ガオ・シードーだ」
小学校から高校までの様々な大会、発表会でも必ず1位はシードー、2位がシューイー。大会の後に落ち込むシューイーに近づくシードーを避け続けてきました。そして、中高生くらいになるとこの1位と2位に如実に差が現れ、自分とは違って周りからちやほやされるシードーに悔しさを募らせていきます。張り出される成績順位表も、もちろん1位はシードー、シューイーは2位……。隣にやってきてニコっと笑うシードーに、ムカつきすぎて思わず鉛筆をへし折るシューイー。負けず嫌いな性格にも関わらず、シードーに出会ってからいつも負けてばかりなのがどうしても解せない。
ここでちょっと冒頭のシードーのモノローグを振り返ってみます。彼が1位にこだわり続けた理由とは、シューイーに自分を見つけてほしかったから……。間違いなくシューイーにとってシードーはすごく気になる存在にはなりましたが、多分シードーが思うような方向性ではなさそう。あ、相当拗れてるね、これ……!!!!(大好き)
プールから上がったシューイーは、急にどうした!?と心配されます。とにかく恥ずかしすぎて無理なシューイーは、攣った足を治してあげようとするシードーを押しのけてプールを後にするのでした。とてもかわいそう。
「礼も言わないなんてなんてやつだ」とシードーの友人が苛立っているのを、すぐにビンウェイが「そういう言い方やめろ」っていうんだけど、シューイーがめっちゃ愛されてて微笑ましかった。普通にいい子なんだろうな……。
立ち去ったシューイーを追いかけていくジョンウェンたちに、ユーシンはシードーに「シューイーのこと助けてくれてありがとう」と代わりにお礼を言う。するとシードーはなんか複雑そうな表情をして立ち去る。
この時点でシューイーがユーシンに思いを寄せていることをシードーが既に気づいているとすると、そりゃあ複雑ですよね。別にシューイーにお礼を言ってもらうために助けたわけじゃないけど、ユーシンにお礼を言われるのはちょっと引っ掛かるというか、なんというか。
ロッカールームに戻ってきたシューイー。ネックレスを付けた後にロッカーに盛大に指を挟む。見事なまでの泣きっ面に蜂。
痛みに悶えるシューイーに追いかけてきたジョンウェンが「気にすんなって。無事で何よりだよ。もう忘れな」と言ってくれる。ビンウェイも「プールに落ちたくらいで泣くなよ。学校の有名人になれただろ」と慰めてるのか微妙な言葉をかける。
するとシューイーは「泣いてない!……最悪だ。あいつのせいで恥かかされた」「いや自分のせいだろ」「シードーの野郎!あいつが来たせいで……俺は何にも聞いてないぞ」「……ごめんって。同姓同名の新入部員だと思ったんだよ。まさか本人だなんて思わなかった」と謝られる。
「許してやれよ。シードーとは親友なんだし」というジョンウェンに、とにかく怒りが収まらないシューイー。
「は?ふざけんなよ!小学校から高校まで続いた腐れ縁がやっと切れたと思ったのに、大学二年になって転入してくるってどうなってんだよ!今まで我慢したけど、絶対許さん!!」と最後は昂りすぎて日本語になる。
ビンウェイが「今なんて言ったの?」「許さないって言ってる」とさり気なくシューイーの日本語を理解しているジョンウェン。さすが幼馴染。
ビンウェイは、俺はシューイーの味方だ!懲らしめてやろう!と言って同盟を組む。呆れ顔のジョンウェン。どうやら彼は精神年齢が高そう。
早速シードーを懲らしめる会を結成して活動する。
まずはドライヤーに粉を入れまくるビンウェイ。見張るシューイー。しかし残念ながらシードーは引っかからず。
失敗したので次!と言って、今度はバスケをプレイするシードーのもとに協力者の女子からコーラを渡されますが何かを察して受け取らず。
案の定、受け取った友達がコーラ噴射を食らいまして、ペットボトルにはバカと書かれている。これはまさか……?と何か気づいた勘のいいシードーは、コートの上にいるシューイーとビンウェイを見つける。めちゃくちゃ意味ありげな顔して立ち去る二人を見上げる。犯人の特定が容易でした。
というか、シューイーさん全然自分で手を汚さないスタイル。
もしかして:お姫様
休み時間にピアノを弾いているシューイー。KAWAIのグランドピアノ。本当にシューイーは……何でもできるお姫様……。
演奏を聞いて部屋を覗いているシードーを見つけて演奏を止めるんだけど、ここでジャーン!てなる時が超かわいいです。
「いい曲だな。続き弾いてよ」というシードーに「お前の話なんか聞いてねえ」「ピアノが上手くて感心してただけだよ」と言ってブラボーとか言いながら拍手するんだけど今のシューイーにとっては煽りでしかない。
シードーは窓からすっと入ってきて「いたずらはお前の仕業だろ?」と犯人に詰め寄る。「何?俺知らない」としらばっくれるスタイルを取って立ち去ろうとするシューイーの肩を掴み、顔を近づけるシードー。えっ、近……今ほっぺに鼻くっつきませんでしたか……?!大胆だな!?!と動揺してるにも関わらず、当のシューイーは全然涼しい顔のまま。
シードーは「ベビーパウダーの匂いだ」と、あのドライヤーにしこたま粉をぶち込まれていた件について追求。
シューイーは「ウソつけ、もう捨て……」っていうんだけどウソつけのところだけ日本語が混ざったので実は動揺してた説。
自白に等しいワードを聞き逃さないシードーは「捨てた?」とツッコんでジエンド。なにか言いたそうに顔をしかめるも、何も言わずに出ていくシューイー。
そういえば、なんでシューイーはシードーに対して直接的になっていないのかが気になります。セリフでも言ってたけど、なぜシードーに感情をぶつけたりせずにずっと我慢してきたのか……?いい子だから……?
実はシューイーいい子だからか……と思った矢先に「水着に唐辛子塗りたくる」というとんでも物騒なことを考案してて笑った。すごく危ないです。
教室の一番うしろの席でふんぞり返るシューイーと、黒板の前でシードーを懲らしめる方法を書かされるジョンウェンとビンウェイ。これはもうお姫様です(確定)。
ビンウェイは「もうヤクザに頼もう」と言い出すと「お前法学部のくせにくだらない案出すなよ」と、まともなんだか物騒なんだかよく分からないシューイー姫……。
「もう諦めたら?どうせもう卒業なんだし」と唯一まっとうなジョンウェンに「卒業記念にやってやるんだよ」というシューイー。
すると小学校の時もシードーに落とし穴をしかけようとして結局自分が落ち、中学校高校の卒業のときにも懲らしめるはずが痛い目を見たのはシューイーだったことが発覚。憎めないポイント出ました。
怒れる姫シューイーは「俺には勝てないってことかよ?あんなに考えたのに?!」とジョンウェンにつっかかると、「負けるなんて言ってないよ。もう大人なんだから言葉で解決しろって言ってんの」と正論中の正論を言われるも「いや、懲らしめてやるんだ」と、とにかく意思がめっちゃ固い。
拗ねたのか一人帰ることにしたシューイー。黒板の写真撮っとけよ!と言って一足先に帰る。
ジョンウェンはシューイーのことを「21歳にもなって身勝手すぎる」と言いますが、ビンウェイ的には「そうか?子供みたいで可愛くね?」と母性的なところをくすぐられていた。正直それは分かる。かわいいよね。
ビンウェイから送られてきた写メがうまく撮れておらず、朝からちょっとご立腹なシューイー。すると、幼馴染の二人が一緒に歩いているところを見かけます。ユーシンがジョンウェンに話があると言っているのが聞こえてきて、思わずついていっちゃうシューイー……それ、多分やめといたほうがいいよ……やめとこ……。
ユーシンの話とは、「私、あなたが好き。卒業論文とジョンウェンで頭がいっぱいなの。嫌いじゃないなら私と付き合って」というどストレート告白。そんな告白をうっかり聞いてしまったシューイーはもちろん大ショック。
ジョンウェンの方は、でも俺たち3人って幼馴染じゃん……?と煮え切らないので、ユーシンは「今シューイーのことは関係ない」とバッサリ。腹をくくった時の女性は強いぞ。
そんなユーシンの言葉があまりにもショックすぎてスマホを落とし、そこに居合わせていたことが気付かれてしまう。ヤバい。
ジョンウェンたちが「シューイー?どうしてここに?」というのを遮るようにして「良かった!!」と日本語で強引に行くシューイーさん…………。
「いいニュース聞けた!お前らが付き合うなんて俺も嬉しい!ほら、早く返事しろよ。お前はずっと彼氏ができないんじゃないかと思って心配してたところなんだ。相手がジョンウェンなら俺も安心だし!お祝いしてやるよ。今夜8時な!」と、全力のカラ元気で会話を挟ませずに立ち去る。
気まずそうな顔をしているジョンウェンの方は、何となくシューイーがユーシンのことが好きっぽいなというところに気づいてそうで、完全に板挟み状態な感じでした。察しが良すぎるのも大変……。
足早に立ち去ったシューイー、一回後ろを振り返って誰も追ってきてないのを確認する。そして歩いているうちに何もかもどうでも良くなっちゃったのか自分のバッグをそのへんに放っちゃったりして、走って階段を駆け下りていく。え、バッグ置いてけぼり?!え!?貴重品とか大丈夫なの!?ちゃんと取りに戻りな!?!と私の母性スイッチがおかしくなりそうになったところで、シードーとすれ違う。
あぶねーな!とシードーの友達に文句を言われてもお構いなしに走り抜け、後ろ姿を心配そうに見つめる。どう見ても様子おかしいもんね。
そうして走ってたどり着いた先はプール。抑えていた気持ちが溢れて打ちひしがれながら思わず泣いちゃうシューイー。そりゃ1位取って堂々とユーシンに告白してやる!と意気込んでる時に、今まで勝てたこと無いシードーが出てきてプールに落ちて足攣って大恥かいて、そしたらユーシンのほうからジョンウェンのこと好きだから付き合ってとか言ってるし、今シューイー関係ないとか言われたら、それは泣いちゃうよね……泣いちゃう……。
泣いちゃうくらいつらいのに、それでも二人をちゃんと祝福しようとしてみるシューイーはいい子……絶対幸せになろ……(モンペの人格)
「なんでジョンウェンなんだよ?何で俺じゃダメなんだ?……ジョンウェンのばか、ユーシンのばか!二人ともばかだ……頑張ってるのに、なんでこんな目に合わなきゃいけないんだよ……」
頑張りが報われないことへのやるせなさがつらい。いくら頑張ってもシードーに勝てない自分、いくら頑張ってもユーシンに好きになってもらえない自分でいっぱいいっぱいになってしまうという。
ぐずぐずになりながらネックレスを外し、「幸運のネックレス?どこがだよ……」とまた泣きだしてしまう。ここの泣き顔が鬼可愛いので、多分このシーンで私以外にもモンペが世界中に爆誕したと思う。
そしてシューイーは何を思ったかプールに飛び込みます。エッこの子、帰り大丈夫?!帰りの服ある?!とか野暮なことを思っていたら、手のひらの中のネックレスをプールのそこに落とす。しばらく漂っていますと急にシードーがプールに飛び込んできて、手で上がれよというジェスチャーをしますが全然応じない。抵抗するシューイーを掴んで無理やり引き寄せ、冒頭の水中キスに繋がって、1話が終了。
いや激アツ。アツいポイントしかなかった。
とにかく制作サイドが人の感情を揺さぶるポイントをよく分かっているし、そこを消化して自分なりの形にアウトプットできる力のあるキャスティングだと感動しました。エモの権化。
シューイー役の楊宇騰YUくんは新人だということですが、表情といい、会話の間のとり方といい、このクオリティまで持ってこれるポテンシャルがとんでもない。逆に今までどこに隠れていたのか。
泣き顔で世界中にモンペを生み出す力を持ってるの最強。才能しかない。役と同様、日台ダブルのYUくんは名古屋出身だそうで番宣で普通にさらっとネイティブ日本語。台湾語と日本語の切り替えがナチュラルすぎて字幕おってる時に日本語聞こえてくるのがとても不思議な体験です。マジ才能しかない。
シードー役の林子閎くんはどうやらアイドルグループのラッパーやってたという情報を見てしまったので、沼どころの騒ぎじゃないし深入りしてはいけないヤツだと思ってそっと閉じました。私は東京生まれドルオタ育ち、グループのラッパーはだいたい推しのオタクです。
永遠の1位を見ることによってエモを浴びたせいなのか、逆に精神がとても安定していい感じに整ってる。シューイーは、これからシードーといっぱいすれ違って、いっぱいぶつかって、絶対に絶対に幸せになろうね……!!!という1話でした。
2021年一発目の本気で見たnote、お付き合いいただきありがとうございました!そして今後ともよろしくお願いいたします。