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in the blue shirt / Recollect the Feeling

in the blue shirt / Recollect the Feeling(2019年)

購入日: 2024.09.16
購入場所: ディスクユニオン町田店
購入価格: 480円


in the blue shirtは有村崚によるソロプロジェクト。
複雑なカットアップでボーカルエディットを重ねることで意味を含まない歌を作り上げる唯一無二の音楽性が特徴の新進気鋭のトラックメイカーであるin the blue shirtによるセカンドアルバム。

前作「Sensation Of Blueness」よりもそのエディットセンスは研ぎ澄まされ、同時にメロディメイカーとしての強度も大幅に進化。DTMでありながらも人肌を感じさせる温もりのある音楽性にますます深みが増している。

in the blue shirtを知ったキッカケは忘れたが、初めて聴いたのはたしか「Sensation Of Blueness」に収録されている“Send Around”だったと思う。今年の春先のことだ。

ひたすらアップリフティングでポジディブなパワーに溢れたこの曲にすっかり魅了されてしまってからはずっとSpotifyで彼のアルバムを聴き漁り、今思い返せばぼくにとっての今年の避暑地はin the blue shirtだった。

「Sensation Of Blueness」はAmazonの中古出品で送料込みで549円で購入。そして本作「Recollect the Feeling」は同じくAmazonの中古出品リストからディスクユニオン町田店で販売していることを知り直接店舗へ行って購入した。

全ての曲が素晴らしい。
快楽的でありながらも独りよがりではなく、あくまでも外に開かれたポップソングの数々。ユーモラスでありながらも決して諧謔的ではなく、楽しいことに真剣であり続けるin the blue shirtにとっての代表作だと思う。

ボーカルエディットも洗練されており、“Bamboo Leaf”はまるで男女が本当にデュエットしているかのように錯覚するほどスムースな聴感に驚嘆する。

個人的なベストトラックは“Cast Off”。
彼の音楽の真骨頂が詰まった最高の1曲だと思うし、日本のエレクトロミュージックを更新する素晴らしい名曲です。

本作は有村自身もブログなどで公言しているが、Bibioをリファレンスにしている部分が多分に含まれていると思うけれど、それはあくまでもアルバム全体の空気感というかニュアンスのような抽象的なことであって、サウンド自体はin the blue shirtそのものだ。
無邪気にリスペクトは表明するがパロディでない。

世の中暗いニュースばかりで辟易するけど、これを聴いてる間はなんだか喧騒を抜け出せている気がする。そんな音楽をこれからも作ってほしいと思わせる、素晴らしいミュージシャン。

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