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赤い花の咲く頃に、もう一度キミに会いたい。


言おうと思ってたことが、ある日突然伝えられなくなるなんて、きっと誰も思わないだろう。

「じゃあ、また。」

当たり前のように口にする言葉は、当たり前なんかじゃない。現実を目の前にしてようやく気づく。きっとそれは、死に直結するような病気やけがをしていないからだろう。仮に、明日死ぬつもりで生きてみろと言われても、現実味がないから結構難しい。

それでも、明日死ぬかもしれないと思って生きてみないとなぁと思うことがある。



冬を迎えると思い出す曲。確か、タイトルは「ポインセチア」。

ーーポインセチアが 笑ってる

このワンフレーズだけしか覚えていないんだけれど、冬にはぴったりなあったかい曲で、このワンフレーズだけを繰り返し口ずさむことがある。

そんな歌を唄う友人は、ある日突然この世からいなくなった。



学業も頑張るためにと、歌手の活動をセーブして、SNSの更新もほとんどなくなっていたある日。「応援してくださったみなさまへ」という投稿が目に入った。

久しぶりだなぁと、思っていた。また、歌が聴けるのかなとワクワクしながら、投稿に掲載されていたURLをクリックした。


そこに書いてあったのは、もうこの世界にはいない。ということ。

大切なものが手からこぼれ落ちていくような感覚がした。その時だけは、言葉が陳腐なものに見えた。嘘であってほしいと思った。


あの日のラストライブに行っておくべきだった。復帰まで待たないで会いに行っておけばよかった。恥ずかしがらずに「ありがとう」と、ライブの度にもっと伝えておけばよかった。

「あの時...」と振り返って嘆いたところで、友人が帰ってくるわけではないし、後悔したところで遅すぎる。それでも、やっぱり後悔はやってくる。

当たり前なんて、この世にはないのだ、と。現実だけが胸に刺さる。


いつかのライブで歌ってくれた「ポインセチア」の季節がやってくると、もういないはずの友人の「ポインセチア」を思い出す。

自分にとって、大きな存在だった友人。

せめて「さよなら」だけは、
ありったけのありがとうを込めて。







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ハルカ
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