いつだって、自然は隣り合うものだから
3.11
日本に住んでいる誰もが、「あの日を、忘れない」と呟く日。
それほどに甚大な自然災害が日本を襲った。
地鳴りのように揺れる足元、一気に押し寄せてくる波、帰らない人。あの日を思い出すたびに、どうしようも無い感情に襲われる。
親戚も知り合いがいるわけでもないし、行ったことがないし、当事者ではないけれど、ダイレクトに揺れを感じる地震は人生で3度目だった。
初めては、1995年に起きた阪神・淡路大震災。
しっかりと記憶に残っているわけではないけれど、ワンシーンだけは身体が覚えている。
2度目は、2007年に起きた能登半島地震。
きっと認知している人は少ないだろうけれど、当時石川県に住んでたわたしは揺れを感じていた。能登には足を運んだことがあったから、あの場所は大丈夫だろうかと心配になったりした。
そして、3度目は2011年に起きた東日本大震災。
高校生2年最後の冬、体育館で揺れを感じた。ちょうど部活をしていた時だった。
古い体育館の天井が、バコバコと音を立てて揺れ始めた。最初は何が起きたのかわからず、練習を続けていた。でも、しっかり立つことができなかった。
体育館にある教官室から出てきた顧問に言われるがまま、体育館の中心に集まって、揺れがおさまったのを確認してから校庭に移動した。
学校に残っていた生徒と先生が集まって、何が起きたのか、これからどうするのか話ていた。
交通機関はどうなっているのだろうか、帰宅手段はどうするのか。そんなに長くはかからなかったはずなのに2時間にも3時間にも感じた。
自宅に帰って、テレビをつけて、なんだかよくわからなかった。
うす気味悪い波が、家や車をどんどん飲み込んでいく。まだ雪が舞う3月の東北。
今も想像するだけで、鳥肌がたつ。
*
25年という人生で、3度の地震と遭遇するなんて思ってもみなかった。
転勤族ということもあって、移動する暮らしだったからなのだろうけれど、なかなかなこんな経験はないと思う。
地震によってどうしようもない被害を受けたことはないから、被災者ではないけれど、自分の経験を振り返って思うことは、どこに行っても自然は常に隣り合うものであって、離れることはできないということ。
ここが絶対に安全なんて言える場所はないんだということ。
地震に限らず、天災は突然やってくる。
きっと大丈夫なんてことはい。
被害を受けなかったのは、本当に本当に運が良かったから。
当たり前にやってくる毎日に、ビクビクしてろ。と言いたいわけじゃないけれど、いつどこでどんな天災が起きるかわからない。
それくらいに自然は常に隣合うものなんだと知っておきたい。
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