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春には花が咲くように。

「春花」

ありがたいことに、私の名前には「春」を象徴する漢字が2つ入っている。

常に春をまとって生きているんだ。と嬉しく思ったのは、つい最近のこと。
なんだかこの気持ちを忘れたくなかったから残しておこうと思う。

小さい頃から思春期まで、自分の名前が好きじゃなかった。

そんなことを親の前で言ったら泣かれるだろうから、口にしたことはないし、
友人の前でも口にしたことはない。

これと言った理由は特にないんだけれど、三文字でちょっと今時っぽくないとかそんなことは思っていたかもしれない。

なんとなく、好きじゃない自分の名前。

それでも、小学校の時に一度だけ名前の由来を聞いたことがある。

はじめに考えていたのは「さくら」。けど、祖父に反対されて考え直し、いろいろ考えて「はるか」とつけた。「春のように暖かく、花のように美しい。すてきな女の子に育ってほしい」と、思いを込めて。

この時はまだ、ふーんくらいにしか思っていなかった。

特別感動することも、考え込むこともなかった。

でも、由来を知ってから数十年たった頃、名前を褒めてもらうことがとても増えた。相手からすれば、社交辞令だったかもしれないけれど「春に花。いい名前ですね」と、言われると照れ臭く嬉しくなった。

それから少しずつ、自分の名前をちゃんと胸を張って言えるようになった。

そして、最近は、自分の名前に春を感じられるようになった。

名前の由来のように生きる必要はないと思うし、その時自分が思う道を精一杯に走っていけばいいと思う。

でも、ふと、両親がつけてくれた名前のように生きられているのだろうか?と、立ち止まって考える。両親からもらった最初で最後の特別な贈りものに、こたえられているのだろうかと。

トゲトゲしてしまったり、言いすぎてしまったり、ちょっと我慢が足りなかったり、、、
まだまだ、人生ひよっこなわたし。

それでもいつかは、春には花が咲くように、人として暖かな花を咲かせたい。
今は、そう思っている。






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ハルカ
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