英語はなぜ難しいか? (音声実践編に入る前に)
多くの日本人が一度は憧れるであろう、「英語ペラペラ」。そこを目指して英語の音声を習得する、『英語はなぜ難しいか? 音声編』。私自身がまだ「英語ペラペ」だが、一緒に山を登っていこう。
次回記事から、「音声実践編」をお届けする。correct pronunciationを習得したことを前提に、実際にEnglishを聞く・話す上での注意点について説明していく予定だ。
なお、記事の性質上、「音声編」「音声練習編」の内容を貴方が理解していることは当然の前提として話を進めさせていただく。未読の方は、まずそちらからお願いする😆
とは言え、忙しい読者も多いだろうから、ここまでの内容をまとめておく。過去記事をお読みの方は、自身の定着度チェックの代わりにどうぞ。新しい視点も入っているので、「全部知っているよ」とはならないハズだ。
なお、本記事の性質上、初めて私の記事を読む人も多い(だとイイなぁ😝)だろう。その人達のために、以降は日本語のみで文章を書く。「あれ? くまりん19のトーンがいつもと違うぞ」と感じた愛読者の方には、その辺りの事情をご了承頂きたい。
では、始めよう。
・言語は音声から習得するのが自然であって、文字から入ると「音」を正しく捉えられなくなる。日本の英語教育の最大の問題点
・英語の音は、日本語の音と大きく異なっている。最大の違いは、「母音ナシの音」
・自分が出せない音は、「聞こえない」「聞こうと思えない」。英語の音を出せるようにする練習が必要だ。技術的な問題よりも、音を練習しようと思えるかどうかの方が難しい。練習すれば誰でもできることだが、練習を始めようと思うこと自体がキツいし、継続するのはもっとキツい
・英語学習における最大の障壁は、学習者の心理。「聞こえない音があることを認める」「不愉快な音を聞き続ける」「その不愉快な音をマネする」「意味の分からない文を聞く・読む」など、無理難題を要求される。私の記事が心理面に焦点をあてるのはそのため。なお、「イラストや音声を載せる技術がないだけだろう!」というツッコミはナシでお願いします😅(その通りです)
・心理的障壁が取り除かれれば、他言語習得は「時間さえかければ誰でも出来る」こと。ただし、日本社会が抱える「心理面での問題」は相当根が深い。英語教育に携わっている人間の大半が、英語を「言語」だと思えていない。その人達に教わる側が、「言語」だと思える訳がない。そのこと自体は仕方ないので、心理を変えるために、様々なツールの助けを借りると良い。カラオケ・英語以外の言語学習などが有効
・英語が使えるようにならないのは、貴方のせいではない。継続の秘訣は、自分を責めないこと。何か別の物(人ではなく)のせいにすれば良い。お勧めは、「俺が英語を使えないのは、日本社会のせい」
・途中で諦めるのも、全く問題ない。ただし、何らかの形で英語に触れ続けること。気が向いたら、本格的に練習を再開すれば良い。ダラダラとしか続けられないのならば、ダラダラ続ければ良い。もちろん、集中して短期間で習得できる人はそうすれば良い。素晴らしい‼️羨ましい‼️ 私の記事はそれができない人達の為にある
・英語と「真逆の言語」である日本語をつかっている人間は、大量の英語を浴びる必要がある。日本語話者が英語習得に必要な学習時間は2200時間(米国研究機関による)。対して、我々オジサン世代が受けた、中学・高校での英語の授業は、多めに見積もっても計800時間。しかも、そのうちの半分以上は、英語ではなく日本語に触れている。自学の時間を考慮しても、英語に1000時間触れている人はほとんどいない。「6年間(大学までいれると10年間)も英語を勉強しているのに〜」という論調をしばしば耳にするが、まったく意味をなさない
・言語はコミュニケーションの「道具」であるため、相手に通じる自信がなければ、口から出そうと思えない。「失敗してもいいから」「日本人英語でいいから」などの励まし(?)は、ほとんどの日本人にとって無意味である。相手に通じる自信がなければ、英語を口から出すことは(少なくとも人前では)できない
・コミュニケーションが成立するためには、相手と何かを共有している必要がある。あらかじめ趣味が同じ人だと分かっているような場合を除いて、ほとんどのケースで共有しているべきなのは「音」である。発音に「正解」はないが、相手と音を共有することから会話は始まる。英語学習は発音練習から!
・英語の音を身につけるためには、聞いている音と、自分の口から出ている音をすり合わせる必要がある。「音声コピー」が確実にできる状態になってから、様々な表現を覚えること。この順序を間違えると、覚えられない・後から覚え直さなければいけない、となってしまう。日本の英語教育・学習は、内容が悪いのではない。順序が悪いのだ
・「音声コピー」がすぐにできるかどうかは、個人差が大きい。最初からできる人もいる。できない人は、音を正しく再現するための方法論を知り、練習する必要性がある。具体的には、「1つ1つの音を作るための、口・舌の形を覚える」「英語のリズム・音程に合わせられるよう、カラオケを鍛える」などが挙げられる。正しいレッスンを受ければ、遅くとも1年で「音声コピー」ができるようになるハズ(私自身の体験や、他の英語話者の学習記事から推測)。トレーニング内容も全く難しくなく、技術的には小学校低学年の子どもでもできることだ
・ただし、音声コピーを始めよう・続けようと思うことは極めて困難。日本社会では「奇声」である英語の音を、「ダラシない顔」で練習し(日本語と英語では、表情筋の使い方が大きく異なる。正しい口・舌の形を練習する過程で、表情筋が鍛えられる)、「勉強とはとても思えない」ことを続けなければならない。そういう意味では、小学校低学年の子どもの方ができる。それを素直に受け入れられるかどうか、心理面での壁を乗り越えられかどうかが他言語習得の最大のポイント。私は中学生・高校生に英会話の相手をしてもらっているが、そう思える人は続くだろう
〈追記〉「英語の発音練習を通じて、表情筋が鍛えられる」と書いたのだが、逆に「表情筋を鍛えるために発音練習を始めた」という体験談を頂いた。大変興味深い視点だと思ったので、紹介する。
・継続が難しい最大の要因は、成果を実感できないこと。英語を「言語として習得」した私が、瞬く間に15ヵ国語を「正しく聞ける」「正しく口から出せる」レベルに到達できたのは、「この方法で必ずできるようになる」という成功体験があるから。英語習得と、残り12言語(日本語・英語・アラビア語を除く)の初級レベル習得、どちらが困難だったかと言えば、圧倒的に前者。時間数の比にして、10:1以上の大差だ。もっと言えば、残り言語の学習にはほとんど苦痛が伴わなかった(フランス語・ヒンディー語の音はやや苦痛だったが😅)ため、心理的負担で比較すれば、10000:1と言っても足りないくらい
・現在の私は言語習得に毎日3時間以上あてているが、「勉強している」という感覚はほとんどない。「タイ文字は可愛いから早く覚えたい」「ロシア語講座の講師が可愛い(どう見ても私より歳上だが😝)から、ロシア語で会話したい」「中国ドラマで、可愛い女の子が何を言っているのか分かるようになりたい」「フランス語映画は美人が多く登場するから好き」「日本人の女の子が話しているスペイン語に憧れる」etc。一度英語を「言語として習得」してしまえば、多言語話者になるのは極めて容易
・できるようになった自分は、始めた自分・続けた自分に深く感謝するようになる。もちろん、自分を支えてくれた人々にも。この素敵な感情は、それまでの苦痛を補って余りある
さあ、貴方も新しい世界を目指して、最初の一歩を踏み出そう‼️