不安定で
不安定で、ゆらゆらと揺れている。
重心はいつも右側に寄っている。
幽霊みたいだと思った。
私の重心も自然と、左側にあった。
まるで磁石みたいだと思った。
山道を上って夜景を見て。
横顔を見て。
何度も夜景と横顔を交互に見て。
あぁ君は儚いんだったと。
不安定に、ちかちかと光る飛行機。
それを見て、さよなら。
さよなら。
もっと隣に居たかったのに。
今年も、また9月になった。
分かち合った気がする。
私は軽率に思い出すけど。
君には思い出さないでほしい。
私だって、君だって。
不安定で。何もかも違った。