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交渉のタクティクス
公務員と言えば、定型業務が多くてクリエイティブな仕事がないというイメージを持たれることが多い。
実際、「公務員です」と言うと「では9時-17時なんですね」と返されることも多く、それは”仕事の内容が決まっているから”という意識があるからなのではないかと思う。
もちろん定型的な業務があることは否定しない。それは公務員の仕事が法令に基づくものである以上、必ず実行しなければ違法になってしまう業務というのが存在するからである。
ただ、同じくらい、あるいはそれ以上に、関係者間の調整という業務も多い。公務員はその職務について説明責任を果たさなければならないことから、ステークホルダーの合意を取り付けることは必須である。
調整の場面においては、どうすれば相手に納得してもらえるか、自分にとっての利益を最大化できるかを常に考えて議論する必要がある。まさに交渉の現場である。
調整の相手方は多種多様なため、調整業務は定型業務には程遠い。リソースをフル活用して結論を導き出すために、個人の能力が試される業務と言っていいだろう。
そこで重要なのは、可能な限り自分のフィールドに相手を引き込むということである。相手のフィールドに立って議論するのは無論、中立的な立場に立って議論することも、限られた時間の中で決着をつけるというミッションは達成することができない。
学生にとっては就活の面接も一種の交渉だろう。相手が提示する条件に従いながら、自分をチームのメンバーに加えてもらえるよう議論する。
ゆえに、面接においては、自分をアピールできるポイント、議論するのが得意なポイントに話をうまく誘導していくのが成功の秘訣と言える。
国家公務員に特有の官庁訪問においては、より一層交渉の色が強い面接が多いと感じる。エントリーシートにとらわれない、オープンなディスカッションをする機会が多いからだ。
ただ、自分から話題を提供して話を進めていく場面もあるので、その機を捉えて自分の得意分野をうまく展開していくと、手ごたえを得ることができるはずである。
そろそろ官庁訪問の季節。気概のある方が成功できるよう、祈っている。