第27回ちばぎんカップを千葉が制す!
3大会ぶりの勝利 これで10勝17敗
2月12日、第27回ちばぎんカップが三協フロンテア柏スタジアムで開催され、3-2で千葉が勝利を飾った。
千葉の基本布陣は[3-1-4-2]。GKには新井章太、ディフェンスラインには松田陸、新井一耀、鈴木大輔が並び、アンカーに熊谷アンドリュー、そして中盤には、末吉塁、田口泰士、見木友哉、矢口駿太郎、前線には呉屋大翔、小森飛絢が構えた。
対する柏は[4-1-2-3]の布陣。相手にボールを持たれる展開となるが千葉は可変しながら防御に出る。相手パスコースを限定すると左ウイングバックの矢口が判断良くスライドし最終ラインに下り4-4のブロックを敷く。
前半19分、柏GKの佐々木雅士のパスが立田悠悟に当たり、そのこぼれ球に素早く反応した小森が左足を振り抜いた。「GKが前に出てたいたので落ち着いて流し込むことができた」と渾身のガッツポーズで喜びを表現した。「開幕戦前にFWが決めればチームも乗る。自分自身も乗るのでリーグでも続けたい」と意気込んだ。
さらに30分、敵陣でのプレスが柏のミスを呼び込む。立田のバックパスをキーパーが受けて前に蹴り出した瞬間に呉屋が詰めてゴールネットを揺らす。タイミングを計り相手の判断を遅らせたことが吉と出た。また小林慶行監督の「とにかく前から行く」という姿勢を見せた格好となった。
ただ柏は楽に勝たせてくれる相手ではない。
32分、左サイドを小屋松知哉に崩されると細谷真大のシュートを矢口が体を張ってブロックするが弾いたボールを山田康太に蹴り込まれ、2-1で前半を終えた。
「後半開始からパワーをもって戦っていこう」と指揮官は選手を送りだしたが、51分、左サイドをマテウス・サヴィオの個人技で突破されると、山田のクロスに細谷が頭で合わせ、2-2のイーブンスコアとなる。
追いかける守備が続き、苦しい展開となるが、69分、スローインから見木が受けゴール前にボールを流すと呉屋が押し込み、これが決勝点となった。
ただ終わってみれば千葉のシュート数は3、柏は12と4倍もの差が付いたことも事実、攻守で課題も浮かび上がったが、この時期の課題は収穫と捉えたい。
小林監督は言う。
「まさに始動からチームとして求めてきたことが表現できた。チャレンジャーとして戦うところ、相手より走らなければいけないし、目の前のバトルに負けてはいけないし、チームの土台となるところを表現していけるモノを作っていこうと共有して進んできた」
これで2019年以来の勝利を飾った千葉。対戦成績を10勝17敗とした。
1週間後に開幕を控えたチームにとって、この日の勝利は大きな自信となるだろう。
エース呉屋の2得点 攻撃のキーマン
「うちには呉屋がいます」と指揮官に言わしめた男が結果を出した。
この日の呉屋大翔は2得点を挙げる大活躍。大会MVPに選出された。
30分、柏レイソルのビルドアップにプレッシャーをかけ相手キーパーへのバックパスを狙いゴールを押し込んだ。その後、柏に2点を追いつかれると背番号9が大仕事をやってのける。敵陣での素早いスローインでリスタートすると見木友哉が、これを受けてゴール前にクロスを送る。相手DFに当たりコースは変わったが呉屋がこれを捻じ込みゴールネットを揺らした。
昨季ベースにしていた[3-4-2-1]から[3-1-4-2]へシフトチェンジ。堅い守備をベースにカウンターを狙うスタイルから、ボールを持ち主導権を握るサッカーに挑んでいる。
その中、背番号9の得点は「前からいく」、「クロス攻撃」という今季の狙いとする形が出せたものだった。
呉屋は「2ゴールはチームとしてチャレンジしているサッカーでのゴール。たまたま転がってきたので良かった。守備からゴールが生まれたのは良かったし、流れの中で取れたのはポジティブ。この試合は勝ったが目指しているところは完璧ではない。もっと質も上げられるし、それは自分たち次第。シーズンを通してこだわり続けなければいけない」と口にした。
チームとしてさらに連係・連動が深まり熟成されてくけば、こういった得点場面は増えてくるだろう。
呉屋は昨季7得点に終わっているが、2019シーズンはキャリアハイとなる22得点を記録。J2得点ランキングで日本人トップにもなっている。今季の目標設定は「22得点以上」と言う。移籍を決断する前に小林慶行監督から「監督の言葉に熱意を感じた。まだまだできるだろう、数字に納得していないだろうと言われた。分かってはいるが改めて人から言われるて(心に)くるものがあった。そこが響いた」。それがキャリアハイを超えを狙う理由の1つでもある。
昨季、千葉は得点力に泣かされ上位10チームの中で最小(44得点)で優勝した新潟よりも29点少なかったからこそ呉屋の活躍を必要とする。
「チームが目指すサッカーで、ゴール前にボールが入ってくる。そういうボールをしっかり狙っているのが自分のプレースタイルで、もっとそのシーンを増やせれば点が取れるので続けていきたい」
呉屋のゴールがチームを勝利に導きJ1昇格の鍵を握っている。
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