Beyond コロナの都市のあり方を考える③
Beyond コロナのたちのあり方を考える「前提条件B」は(都市開発に関連しそうな)供給系の事象です。
①「景気後退と人材流動化」
IMF専務理事が「世界恐慌以来」と予測したように大幅な景気後退が避けられないことは明らかですが、コロナ感染の終息後はV字回復し元の世界に戻るかというとそうでもなさそうです。
「前提条件A」で見た意識及び行動の変容が業界変革を促すからです。
まず「移動敬遠と3密警戒」からインバウンドを含む観光関連分野や、ワザワザ外出して不特定多数と接触する飲食や物販関連分野での不振が想定されます。
特定の人が集うエンタメ分野でも工夫が求められます。
次に「接客を中心とした低スキル人材の需要減」から留学生を含む学生アルバイトやパートでの雇用機会が失われると考えられます。
さらに「テレワークに伴う成果スキルの見える化」により、これまでは組織内に抱えられてきた[機能のない人材]の流動化が想定されます。
不安材料の列挙に始終することが本意ではありませんので、各業界がビジネスシフトの覚悟を元に新ビジネスの創造とM&Aにより、これからの人材を吸収する受け皿の構築機会と考えたいと思います。
②「ビジネスシフトの方向性」
まず都市開発と直結するわけではありませんが「グローバル供給網のリスクを補完するための国内回帰」が想定されます。
国際競争力を維持するためロボティクスなど大幅な効率化が求められますが、国内のモノづくり企業にとって進化の機会になります。
それに関連して「制作プロセスのダウンサイジング」も必要です。
主にコンテンツ分野かもしれませんが、テレビよりネット配信、チームコンテンツよりもソロコンテンツ(例えば野球より卓球)という、より少ないリソースで成立するコンテンツの競争力が高まります。
次に「都市分散に向けた再投資」が挙げられます。
通信環境はもとよりテレワークを前提にした住宅や郊外拠点整備、それに対応したスペックのオフィス機器、郊外の滞在時間を活用したサービスが必要になります。
「非接触テクノロジーによる刷新」も必要です。
キャッシュレスやペーパーレスのさらなる進展、印鑑主義の改善やオンライン行政による手続き合理化が求められます。
さらに「教育と医療のオンラインシフト」。
いずれも抵抗勢力が存在し推進は簡単ではありませんが、移動と接触への抵抗から基本をオンラインに置くことになると考えます。
その前提に立つと旧態依然としたこの分野でもコア人材と現場サポート人材の二層化が進みます。
いずれも旧来のままではなく、テクノロジーを活用した効率化を前提にシフトしていくのではないでしょうか。
皆さんからの見解を元にした前提条件は以上ですが、今後も随時アップデートしていくつもりです。
次回は「前提条件A」「前提条件B」を元に「都市のあり方」を検討していきます。
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