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【方策2】ソフトインフラ事業 多次元開発⑥
こんにちは noteメンバーシップ:ツギ・マチ・ラボ(次世代の都市・街づくりラボ)を運営する松岡です。
「不動産開発における複層的な収益構造」を検討する第6回は、スポンサードなどのソフトインフラ事業についての提案です。
東京スカイツリーなどに代表される「賃料外収入」の可能性を検討します。
よろしくお願いします。
【内容】
⑴ 東京スカイツリーのソフトインフラ開発
⑵ 明確なコンセプトの有効性
⑶ ハコ・カベ・マチ+コンセプトプラットフォーム
⑴ 東京スカイツリーのソフトインフラ開発
FIACS理事の小林洋志さんはソフト分野のプロデューサーとして、東京スカイツリープロジェクトに関わりました。
小林さんは「ブランディング」という言葉で業務内容をまとめていますが、単にロゴ・マークなどを作成して話題化するだけではなく、最終的なマネタイズにまで落とし込んでいるのです。
私は「ブランディング」を超えた「ソフトインフラ開発」だと考えています。
その業務概要を確認します。
① コンセプトの策定
まず、最初に「RISING EAST」というコンセプトを策定しました。
EASTには、事業主体である東武鉄道の意味合いが含まれますが、新宿・渋谷・池袋など商業中心地の多い都心部西部エリアに対抗して「東部エリア」を盛り上げたい。さらには西洋文明に対する「東洋文明」を高揚したいという想いが込められていると言います。
このコンセプトが、プロジェクトの「目線」を上げると共に、幅広い関係者を巻き込む基盤になっていると考えます。
② プレイスメディアの開発
年間数千万人の来場者が見込まれる施設全体を「プレイスメディア」として設計しています。
鉄道駅からのアプローチを中心に、視認性と演出性とを勘案してサイネージや広告スペースがレイアウトされています。
近年の単なる告知広告ではなく、 SNS上でも話題になるメディアジャックのツールとしての活用が工夫されています。
③ スポンサードの制度設計
プロジェクトの活動意義などを明示した上で、企業のスポンサード(一社3,000万円×10数社)を仕組んでいきました。
スポンサードの対価として、プレイスメディアの年間使用枠などを割り当てることなど、企業内での効果検証への対応にも配慮した制度設計になっています。
④ ライツマネジメント
世界一の自立タワーであるスカイツリーだから可能なのかもしれませんが、 CM撮影やキャラクター開発などを仕掛け、収益化してきました。
東京スカイツリーでは、これらの仕組みを設計・実施することで、年間10数億円の賃料外収入を獲得しています。
⑵ 明確なコンセプトの有効性
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