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Sword&Shield を 振り返ってみよう

【挨拶】

 こんにちは。アナログカードゲーム界の在り方に問を投げた「COVID-19」こと新型コロナウイルス。Sword&Shieldシーズンはその影響を一身に受けた時期になります。世界規模で大会中止が相次ぎましたが、シリーズの最終年度である2022年頃には世界大会及び其れに準ずる大会が開催されるまでになりほぼ元通りとなりました。今回はそんなSword&Shieldについての紹介記事を執筆します。

【はじめに】

 本記事はポケモンカード「Sword&Shield」シリーズで起きた出来事や使用されたカードなどの紹介になります。この当時プレイしていなかった方には是非とも読んで興味を持っていただけたらと思います。

「Sword&Shield」概要

 このシリーズにて生まれたカードと対戦ルールについて見ていきましょう

①カードプール

【Sword&Shieldブースターパック一覧】

  前作シリーズよりコンパクトな収録数となった印象を受けます。それでも多いとは思ってしまいますが・・・

 余談:「ムゲンゾーン」というパック名は本来「ワールドエンド」という名前で販売される予定でした。当時の世間体的な配慮なのか、パックの主役ポケモンである「ムゲンダイナ」に対する解釈的な経緯なのかは定かではありませんが顧客の目に入る開発のいざこざという珍しい事案でした。

②カードの種類

「Sword&Shield」シリーズ独自の要素を持ったカードの紹介になります。

・Vポケモン

過去シリーズのSMのGXと同様にきぜつ時のサイド献上枚数が2枚のポケモン。

・Vmaxポケモン

指定されたポケモンVから進化することのできるカード。
300を超える膨大なHPとサイド献上枚数が3枚であることが特徴。ビデオゲームのSword&Shieldにあるダイマックスに準えたシリーズを象徴するシステム

・いちげき/れんげき/フュージョン

 HP下部にそれぞれの属性カテゴリが記載されたカード。ポケモンだけではなく、サポート及びグッズ、エネルギーにも同様のカードがある。

・Vunionポケモン

 4枚のカードを合わせて使用するカード。サイド取得枚数は3枚、出現させるためには4枚全てをトラッシュに置く必要があり、ゲーム中一度しか登場させることができない点が特徴

・Vstarポケモン

 Sword&Shield最終期に新たなカテゴリとして登場したカード。進化前となるVポケモンと同様に取得サイド枚数が2枚。VSTARパワーはゲーム中に一度しか使用できない。前シーズン「sun&moon」の「GX技」と同様の機能で使用後は専用のマーカーを裏返します。

・かがやくポケモン

 前シーズン「sun&moon」の「プリズムスター」と似たカテゴリのカード群。違いとしては同カテゴリのカードはデッキに1枚までしかいれることができない点が特徴。

③対戦ルールの変更点

 「Sword&Shield」シリーズに入って刷新されたルールの紹介になります。変更点は一点のみ。

【先行手番にできることの変更】
 先行プレイヤーはサポートカードを使用できない。

④その他の変更点

 ■「博士の研究」/「ボスの指令」のカテゴリ化

 これは「Sword&Shield」開始と同時に施行されました。それぞれ同様の効果を持つカードですが、本シリーズから「カテゴリ名」の隣にキャラクター名が表記されるようになりました。前シーズン「sun&moon」では博士の研究と同テキストのカードはなく3年を経てスタンダートに戻ってきました。

 ■フェアリータイプの収録停止

 タイプに関わる変更「弱点や抵抗力の変更」はシリーズを跨ぐ際に行われている。日本国内で明示的に理由等は公表はされていないのだが、このシリーズにおいてフェアリータイプのポケモンは収録されることがなくなり、代わりに「超タイプ」での収録となる。並びに「超タイプ」であったカードは一部「悪タイプ」に変更される(これはビデオゲームで毒タイプであったポケモンが該当する)

余談:鋼の抵抗の変更は当初結構間違えました・・・

 ■「ルールを持つポケモン」という表記法

 ブロックアイコン「E」の開始時期(Sword&Shield2年目)に施行された表記法。過去のシリーズでも「~ルール」と記載されているカードの存在からそれらをまとめてカテゴリ化できるようになりました。

⑤対戦の準備と流れ

 余談:過去のシリーズにおいても先行のサポート使用が禁止されていたことはあり、ゲーム感覚の違いはあれど、ポケモンカードにおいて初事象というわけではありません。

「Sword&Shield」スタンダードの遍歴

 「Sword&Shield」のカードたちがメインで使われていた時期がどのように遷移したか見ていきましょう。このシリーズからローテするシーズンにブロックアイコン「B~F」等でアタリが付けられるようになり環境のターニングポイントがわかりやすくなりました。基本的に年始(1月)発売のブースターでレギュレーションの区分けを示すアイコンのアルファベットが遷移しています。カテゴリ分けは以下4点。

①2019~2020(SM「B」「C」併用期間)
②2021(SM「C」併用期間)
③2022(Sword&Shieldオンリー環境)
 
④2023(scarlet&violet開始)

①2019~2020(SM「B」「C」併用期間)

 この時期は本文冒頭にて触れた通り新型コロナウイルスの影響を強く受けており、開催予定であった大型大会(シティ、チャンピオンズリーグ)が相次いで中止。再開された時期は2020年の秋頃でした。ですが、中止の時期であっても国内外でオンラインリモート大会が行われていたり(公式も推奨する動きを見せていた)、日本国内の緊急事態宣言解除の合間に開催された店舗の小規模中規模大会(ジムバトル)から環境の遷移は追うことができていました。以下は当時流行していたデッキやカードの紹介になります。

 汎用ドローサポートとして7枚ドローが帰ってきました。クイックボール、しんかのおこうは新たなポケモンサーチのカードとして以降使われ続けます。当該シリーズのデッキはこれらのカードが採用されたデッキが中心となります。
 sword&shieldリリース当初頭角を現したのが「ザシアンV」と「アルセウス&ディアルガ&パルキア」のペアで通称「三神」「ADPZ」と呼ばれていました。鋼エネルギーが併用できる点や「ザシアンV」の特性が先行サポート使用不可となったルールに対し先行のアクションが得られる点で強力であることなどでザシアン実装直後からかなりの人気を誇り「C」がローテされるまで人気のデッキでした。

 余談:このオルタージェネシスというGX技は規制を入れ禁止カードとすべきか?という話題を世界規模で見かけました、この題目に関しては始めてしまうとそれなりに長くなりそうなので本記事では割愛します(笑)
 主要のデッキパーツが軒並み「B」であることからピカチュウ&ゼクロムのデッキは健在で依然として人気が高く「B」のローテまで活躍していました。
 溶接工を主軸とし青天井のダメージ出力が可能なズガドーンを中心とし、様々な溶接工対応アタッカーを使い分ける通称「小ズガ」「Fire Box」と呼ばれるデッキも人気の一つでした。
 ライブラリアウト(デッキ切れでの勝利或いは対戦相手の攻撃手段消失による詰み)は日本国内では大会形式(25分一本勝負)などによりあまり好まれることはありませんが、ジュジュべ&ハチクマンは山札を削るという点から制限時間以内での決着が実現可能であること、ザシアンVやチラチーノなどのコントロールデッキを構成する上で適正値が高いカードの存在もあって日本国内でも一定の使用者がおり注目されていたデッキで流行傾向でした。が対面式での公式大型大会の再開前に「ジュジュべ&ハチクマン」は禁止カードとなり環境からの退場を余儀なくされました。
 sword&shieldのメインテーマであるVMAXポケモン達は実装当初は前述した「三神」「ピカチュウ&ゼクロム」と比較して左程目立った活躍はしていませんでしたが数エキスパンションを重ね環境に台頭し始めました。中でもムゲンダイナは過去強力であったアーキタイプの実質的なリメイクで注目度は高く、リリース当初のシェアも高かった。
 非ルールのポケモンも活躍しており、ムゲンダイナと同様に過去強力であったアーキタイプのリメイクとして注目度が高かった「マッドパーティ」やお馴染みの特性を持った「ジュナイパー」も活躍。

②2020~2021(SM「C」併用期間)

 このシーズンで大型大会が再開されるようになりました(CL横浜2021)。カードとしてのテーマはビデオゲームの「sword&shield」の追加コンテンツである「鎧の孤島」「冠の雪原」のポケモンが中心となります。

 「特性:うらこうさく」のジメレオン及びインテレオンは「sword&shield」の最初のセットで登場していましたが、実装当時は特段注目される事はありませんでした、最初の注目は海外の大型大会で「特性:うらこうさく」をデッキエンジン(通称:メッソンエンジン)としたインテレオンVMAXが大会上位に入賞した所です。当シーズン最初のエキスパンションにて「レベルボール」が解禁されたことも追い風となり、以降間もなくメッソン自体を複数展開できるメッソンが収録され、各ターンで行いたいことの行動保障がある程度効くようになりました。この進化ライン(以下メッソンエンジン)をエンジンとしたデッキは徐々に増えていき環境の中心となりました。このシーズン以降で誕生したメッソンエンジンを採用しているデッキはとても多いです。
 シーズン当初の注目株は二種類のウーラオスで両者ともシーズン内で流行してるデッキに対しよく戦えるスペックを有していました。中でも「れんげきウーラオスVMAX」は「sword&shield」シーズンを通してかなりの人気デッキで最終的には前述する「メッソンエンジン」でテンプレート化されましたが実装当時はそれ以外(特性:やりくりのチラチーノ)で構築されているデッキも多く見受けられました。
 格闘タイプのメタゲーム参入から「ミュウツー&ミュウGX」を中心としたデッキは多く活躍していました。前シーズンから使用者の多かった溶接工を軸としたタイプは依然として人気で、草エネルギーや悪エネルギーを主軸にしたタイプもとても人気でした。
 新たに収録されるVMAXポケモン達も軒並み環境入りを果たす。「こくばバドレックスVMAX」は単体性能に優れ、自身での攻撃、サブの攻撃アシストと幅広い使用用途があります。対して「はくばバドレックスVMAX」は少ないエネルギーから250と優秀なダメージ出力できる点が強く、コンセプトであるサポート「メロン」とセットで評価されていた。
 シーズン終わりに登場した「フュージョン」はその殆どがとても強力なカードばかりで、すぐさま環境入りを果たしました。特に「ゲノセクトV」は専用構築になるとしても破格の効果を有しています。以降の環境に与える影響はとても大きく、スタンダートから退くまで一線を張り続けるテーマデッキとなる。
 同じくシーズンの終わりに登場したこのクワガノンとデンヂムシを使用したデッキはチャンピオンズリーグやシティリーグレベルでメタゲームに影響を与えた。デンヂムシのスタンダート存続期間の関係で短期でしたが当時のプレイヤー誰しもに印象に強く残るデッキとなりました。

③2022(Sword&Shieldオンリー環境)

 SM「C」がローテされ、Sword&Shieldオンリーの環境が始まりました。ビデオゲームの「LEGENDSアルセウス」に登場したポケモンが中心であることが特徴です。このシーズンではようやく世界大会(Pokémon world championship)が再開されました。(シリーズが終了する前にSword&Shieldの舞台モデルであるロンドンで開催できて本当に良かったと一ファンとして思います)

 Vポケモンに対し加点ができるカードや、「A」がローテされて以来スタンダードで使用不可であったハイパーボールの再登場といった過去スタンダードで現役だった効果を持ったカードが帰ってきました。
 シーズン当初を飾った「アルセウスVSTAR」はその汎用性の高い特性から、過去に収録された技に必要なエネルギー要求が多いVポケモンとのペア構築や、アルセウスのみをメインアタッカーとしたうらこうさくをエンジンとした構築といった様々なタイプが存在し、メタゲームに合わせて様々なデッキが生み出されました。
 シーズン中期に登場した「パルキアVSTAR」は攻撃技や特性の強力さ、水ポケモン主体のデッキにおいて強力なサポートである「カイ」の存在などから特別人気が高く、前述したメッソンエンジンを搭載したタイプがトップシェアを占めていました。リリース直近ではトップカットがこのアーキタイプしか存在しなかった大会もあったほど。
 シーズン終盤で登場したこのカード達をエンジンとしたデッキも人気が高く「ミラージュゲート」を起点とし、様々なポケモンを使用するデッキが存在する。このエンジンを搭載する主だったデッキは「ギラティナVSTAR」で次シーズン以降もかなりの人気デッキとなる。
シリーズ最終に登場した強力なセット。
アッセンブルスターからアーケオスが2体登場するのが通例。その強力さからリリース以降は環境トップを独走。エネルギー加速の源泉である特殊エネルギーを起点とし、次シーズン以降も度々頭角を現す。

④2023(scarlet&violet開始)

 「Sword&Shield」より始まったブロックレギュレーションによる「ローテーション」それは次シリーズにおいても例外なく施行され「ミュウVMAX」はもちろん、シリーズ後期に登場したアルセウス、ロスト、ルギア等もデッキとしての拡張性を武器に「Sword&Shield」が終了して以降も次シーズンにおいて活躍していくことになります。

 次シーズンでは通常の種ポケモンから有ルールのポケモンへの段階進化が「Sun&Moon」のGX以来となる形で再登場する等から次の時代がスタートします。

以上が遍歴になります。総括すると、シーズン当初は前作のTAGTEAMに続き3枚サイドを取得可能なVMAXの登場で良くも悪くも大味なゲームが多かった(前シーズンのADPによるところは大きいと思います)が、メッソンエンジンによるゲームプランの立てやすいデッキタイプの登場を転機とし新たなデッキが登場。以降はデッキ基盤(ゲノセクトV、アルセウスVSTAR等)として活躍するポケモンが目立ちつつ環境が遷移していった。となります。

「Sword&Shield」キーカード

「Sword&Shield」シリーズで主に使用されていたカードを見ていきましょう。このフォーマットで大体使用されるであろうカードをピックアップしました。

■ポケモン

 トラッシュからサポートの再利用を行う。シーズン当初ではサイドを取得するタイプでのデッキでの使用が主だったが、シーズン終盤ではサイドを取得しないタイプのデッキで使用されており時期によって扱われるデッキが異なる。これは「まいあがる」がシーズン終盤で登場した「ダブルターボエネルギー」により扱える点で再利用が容易になった事から考案されたものだろう。
 汎用性の高いドロー効果を備えており殆どのデッキで採用される。手札を抱えたままドローするので場合によっては引ける枚数が少なくなることもあり強さにムラが目立つが、このカードを使用する場合はボール等のカードを経由して手札が減った状態である事が多いので自発的に価値を上げやすい。
 シーズン終盤で登場したサポートサーチカード。技の「アクアリターン」からの再利用まで考慮される場合もあるため使用用途は広い。勿論サポートサーチのためだけに採用されるというケースもある。
 ターンと引き換えにドロー効果を使用する。主に準備が整うと突破が困難なポケモンとのペアでメインエンジンとして採用される。
 バトル場でグッズのサーチを行う。加える範囲が限定的なため、メインエンジンとしての採用デッキは少ないが、グッズを高バリューとする場合ではメインエンジンとして採用されるデッキもある。
 シリーズの中盤においてデッキのメインエンジンとして確立。「メッソン」を展開し「ジメレオン」「インテレオン」へ進化をさせながら、その番その番で使用するトレーナーを決めて盤面構築や攻撃を行う。進化後の「ジメレオン」や「インテレオン」に対し「回収ネット」を使用し再利用可能な形で盤面を形成する事は重要プレイとしての一つ。
 シリーズ終盤に登場した「クロバットV」と同等の効果を持ったドローカード。場に置いておくだけで使用できる点が強力。後述する「頂への雪道」が置かれている状況化でも使用できるなど、一定のドロー効果が見込める点からメインエンジンとして使用するデッキも複数存在する。
 エネルギーと交換するドローカード。トラッシュにエネルギーが落ちていることに対し価値があるデッキやエネルギーカードを多く採用しているデッキで採用される。技も強力で水エネルギーを採用するデッキでは警戒が必要。
 特性を封じ込める手段。「ガラルマタドガス」はバトル場にいる必要がある分特性封じが無差別なことが強力で、ベンチに下がる技と併用したデッキや悪タイプを無理なく採用できる「ムゲンダイナVMAX」でよく用いられる(進化前であるドガースが「かくせい」を持っていることがミソ)。「頂への雪道」は前述した「ルールを持つポケモン」を対象にしておりスタジアムなことから汎用性があるため、当該シリーズで意識するカード筆頭である。

■トレーナーズ 

 主だったドローカード。「博士の研究」は大きく手札を変えることができるサポートで強力な反面捨てるカードが多いことから、採用カードの種類が多くなってしまうデッキが多いこのシーズンでは採用されないケースもある。「マリィ」はお互いに引き直しが発生するドローカードで特徴的なのがデッキボトムが送った枚数で固定される点。相手の手札の枚数を落とす行為としてはもちろんそうで、お互いにシャッフルしないことによる影響を考えながらプレイする必要がある。
「博士の研究」「マリィ」等の汎用的なドローカードに加えデッキの用途やメタゲームによっては上記のドローカード群も採用されることもある。
 自身のポケモンのきぜつをトリガーとして強力な効果を発揮するカード。主にポケモンがきぜつしやすい非ルールのデッキなどで使用される。「キバナ」は特殊エネルギーをサーチ可能な点が優れており「ダブルターボエネルギー」「れんげきエネルギー」と自信の基本エネルギーを付ける効果と合わせて3エネルギー分のアタッカーを返しに用意できるためVポケモンを主体としたデッキでも採用される。
特定条件下ではあるが相手の手札を大きく減らせる「ツツジ」負けてる際の明確な逆転カードだが、使用可能である状況下に持っていく際のゲームメイクには気を付ける必要もある。
 ベンチポケモンを呼び出すカード。「ボスの指令」はいう事なしの汎用カード。シーズンの後半には「セレナ」が登場。Vポケモンのみを呼び出せる効果とドロー効果のどちらかを選択できる点で強力。「クロススイッチャー」は前述したメッソンエンジンのパッケージとされるケースが多く、サポート権を使用せずに呼び出しが可能な点が強力。
 ポケモンをサーチするカード群。特定タイプのサポートカードはもちろんのこと、特徴的な物は進化カードを無差別で手札に加えることができる「しんかのおこう」や初ターンのみたねポケモンを無差別で展開可能な「バトルVIPパス」だろう。

「Sword&Shield」の遊び方

 ポケモンカードでは過去レギュレーションを遊ぶことがファンの間で行われています。様々な遊び方がありますが一例としていくつかの種類を挙げてみます。

①日本国内の大会で遊ぶ場合

■2020

「チャンピオンズリーグ2020 愛知」 のデッキ

 ブロック「B」~S1までのカードプール。「Sword&Shield」シリーズ突入後一本目の大型大会。以前より人気の「TAGTEAM」のデッキが大きな割合を占める。新規で登場した「ザシアンV」は基本鋼エネルギーを扱う「ADP」「ルカリオ&メルメタル」と当然の如くペアが組まれ活躍。前シリーズと比較し種ポケモンとしてHP等がアッパーされたためザシアン以外の一部Vポケモンの使用も競技シーンでは見られた。

この大会以降国内の公式大会は「COVID-19」の影響を鑑み中止となった。

「PJNO」のデッキ ※デッキはリンク先サイトの「デッキコードリスト」に記載されています。

 ブロック「B」~S3までのカードプール。公式大会は中止となったが、ユーザー間での声もあり非公認として「JCS」想定のレギュレーションでの大会がリモート形式で開催されました。「ムゲンダイナVMAX」が人気デッキとして君臨。「チラチーノ」をエンジンとしたコントロールデッキやグッズロックを主とする「クワガノンV」デッキも活躍を見せる。

■2021

「チャンピオンズリーグ横浜 2021」 のデッキ

 ブロック「B」~S4までのカードプール。対面式の公式大会が復活。今までの人気デッキも活躍の中で特徴的なのは「セキタンザンVMAX」当時の環境下で人気の「ピカチュウ&ゼクロム」「ムゲンダイナVMAX」が共に「闘弱点」であること等が関係しているだろう。「マッドパーティー」等の非ルール主体のデッキは「ADP」の存在から人気が低迷していたが、上位入賞にもあるとおり「ジラーチ◇」「バリヤード」によってサイドを多く獲得できるギミックが組まれており抗える要素が伺える。このパッケージは「ザシアンV」のみをアタッカーにしたデッキにも組み込まれることがあり当時の印象的なパッケージの一つである。

次大会である京都CLは「COVID-19」の影響を鑑みまたしても中止となる

「チャンピオンズリーグ2021 愛知」 のデッキ

 ブロック「C」~S5aまでのカードプール。「B」のローテーション後の大型大会となる。「溶接工」のパッケージからVポケモンに対し圧力をかける「ビクティニVMAX」、まだ当時はメッソンエンジンでテンプレート化されていない「れんげきウーラオスVMAX」デッキ。「ムゲンダイナVMAX」への強烈なカウンターとなる「ガラルサンダーV」、その「ムゲンダイナVMAX」への拡張カードとなる「ガラルファイアーV」といったメタゲームに影響を与えるカードが多く登場。

次大会である新潟CLは「COVID-19」の影響を鑑みまたしても中止となる

「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2021」 のデッキ

 ブロック「C」~S7までのカードプール。「COVID-19」の影響から大会延期という形で例年の6月頃開催から7月開催で無事に実施された。その間登場したカードでひときわ強力だったものが「こくばバドレックスVMAX」でした。システムとしてもアタッカーとしても換算できる汎用性の高さから超タイプのグッドスタッフデッキとして君臨。「ブラッキーVMAX」はベンチ呼び出しの汎用性から悪パッケージの外を出て様々なデッキで活躍。大会延期により参戦した「レックウザVMAX」は炎主軸のパッケージで見事ジュニア優勝と存在感を放ちました。

■2022

「チャンピオンズリーグ2022 京都」 のデッキ
「チャンピオンズリーグ2022 福岡」 のデッキ

 ブロック「C」~S8までのカードプール。注目は収録間もない「ミュウVMAX」で当時は「ゲノセクトV」のデッキ回転補助として「レッドの挑戦」「ピオニー」といったカードが採用されていたり、ミラーや環境下のVMAXポケモンを意識した「ラティアス」弱点を受けるための「ウィークガードエネルギー」等この時期ならではの要素が伺える。そして本大会で前述した「クワガノン」デッキが初登場。以降の「チャンピオンズリーグ2022福岡」でも猛威を奮う。

 余談:福岡京都が同時紹介なのは両大会の開催日に間がそこまでないのと、その間に登場した25thパックが環境に与える影響がそこまでなかったため。

「チャンピオンズリーグ2022 愛知」 のデッキ

 ブロック「D」~S9aまでのカードプール。前シリーズである「sun&moon」が完全にローテーションされた後の初大型大会。「S9」では「ハイパーボール」「こだわりベルト」「ダブルターボエネルギー」等環境に影響を与えるカードが収録されている。中でも「ミュウVMAX」はこれらのカード全てでアッパーされており環境デッキの名を欲しいままにする。「アルセウスVSTAR」を主体としたデッキは分家が多く「Vポケモン」とのペアに留まらず優勝デッキのような「アルセウスVSTAR」をサポートするポケモンとペアのデッキも存在する。

「チャンピオンズリーグ2022 横浜」
「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2022」 のデッキ

 ブロック「D」~S10までのカードプール。一言で言うとパルキアVSTAR大躍進。登場当初からデッキはメッソンエンジンで組まれた物が殆どで、メインサブ共に水タイプであることもあり発揮されるパフォーマンスがかなり高く無駄がない。大会前もかなり意識はされていたので雷ポケモンのアタッカーの採用等「パルキアVSTAR」に対抗する手段は様々なデッキで検討の跡が見える。

 以降の大会である「JCS2022」でもパルキアの強さは健在でトップカットの殆どが「パルキアVSTAR」デッキで、ジュニア、シニア部門で王者となったがマスター部門の王者となったのは「レジギガス」だった、このデッキもパルキアに次ぐ形ではあるが注目度の高かったデッキで、各環境デッキに対してタイプ有利が取れたり各種レジの技や特性が優秀なものが多く強力な点が多かった。

「チャンピオンズリーグ2023 横浜」 のデッキ

 ブロック「D」~S11までのカードプール。ロストゾーンを活用しゲームを展開する新規テーマが注目された。主だったカードは「ギラティナVSTAR」であるが、エネルギーを加速させる専用カードの「ミラージュゲート」が汎用的に使用されることにより「ロスト○○○(ポケモン名)」といったデッキが以降より登場することとなる。本大会ではロストエンジンのデッキを掘り進める枚数が多い特色を利用し最終山札をエネルギーで固定し「カイオーガ」でのフィニッシュプランを取り入れたデッキや「ヤミラミ」のロストマインを早期で使用できるように構築されたデッキが登場。以降の大会でも多く登場することとなる。

「チャンピオンズリーグ2023 京都」 のデッキ

ブロック「D」~S12aまでのカードプール。シリーズ総決算となる大会で注目デッキは「ルギアVSTAR」このカードプールでの「ルギアVSTAR」デッキは全色の特殊エネルギーと有色の特殊エネルギーがあるため今まで使用に難があったポケモンの強力な技が簡単に使用できたりとデッキパワーがとてつもなく高く、トップカットに当然の如く存在している。そのためルギアを意識した構築も目立ち、中では「ガラルマタドガス」からの特性ロックからゲームプランを立てる 「ムゲンダイナVMAX」の台頭や「イベルタル(はかいのさけび)」で特殊エネルギーの破壊手段を搭載したデッキなどが存在する。

余談:レギュレーションを経ても「ルギアVSTAR」は形を変えて活躍することになる。過去シリーズでもシリーズ終盤に登場するカードはシリーズに収まらないデッキとなる事は珍しくないのだが、このデッキはエネルギーを供給できる汎用性をもったシステムとしての特色が強いので次シリーズのポケモンが採用されていても「ルギアデッキ」と総称されるため本記事では一先ずシリーズ内の紹介で納めることにした。

②フルフォーマット(全てのカードを使用)

 参考となる環境は「CL京都2023」です。「limitlesstcg」でマスターTOPのデッキが確認できます。前述で紹介した通りの環境なので競技的な側面では大ルギア環境なので、当該シリーズを知らずに次シーズン以降の「ルギア」を使ってた人はこの時期の「ルギア」を体験してみる事をおススメします。

③World Championships で遊ぶ場合

■2020,2021

 Pokémon Online Global Championships 2020 Result
 Pokémon Online Global Championships 2021 Result

 「COVID-19」の影響で本来開催されるはずだった2020、2021は行われていませんが、世界規模のオンラインイベントとして「Pokémon Online Global Championships」が開催されました、これは非公認の大会で前述した「PJNO」に近いタイプのイベントとなっており参加が無料で日本人プレイヤーも多く参加していました。違いで言うと対戦する媒体が「PTCGO(ポケモンカードゲームオンライン)」という海外公式限定の対戦ツールを使用して行われる点になります。環境的な差異はほとんどなく、2020は「PJNO」2021は「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2021」時期のデッキが該当します。

■2022

 World Championships 2022 Result

 前述した「ポケモンジャパンチャンピオンシップス2022」と似た環境ではありますが大きく違うポイントが「ダークファンタズマ」に相当するカードがなく「ポケモンGO」に相当するカードが使用可能な点です。「ポケストップ」は「ミュウVMAX」「レジギガス」のアシストカードとして使用され「かがやくリザードン」はその単体スペックを活かした形で活躍していました。

【おわりに】

 いかがでしたでしょうか?「COVID-19」の影響で色々言いたいこともある当時プレイしていた方も多いと思います。ここでは書かないような話も沢山あると思います。私個人としてはこの記事をきっかけに昔話のきっかけになったり、この環境に興味を持ったという方が現れてくれることを願うばかりです。では、またの機会にお会いしましょう。それでは。

Twitter:@peke_vierx


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