「レディースセット」ってなんなのさ
ランチに出かけると「レディースセット」をラインナップしている店がある。
とある店のメニューにこんな記載を見つけた。
「レディースセット ※男性もご注文いただけます」
わ か り に く い
なので、「レディースセット」という表現について考えることにした。
レディースセットと名付けるからには女性に訴求したい商品であることはわかる。…とはいえ、訴求内容は存外まちまちである。
ちなみにわたしがこれまで観測した「レディースセット」の特徴は以下だ。
①量が少ない
②デザートがついている
③炭水化物がサラダなどに置き換えられている
④複数種類のおかずが少量ずつ用意されている
この4つはひとつだけだったり、複数混ざっていたりする。
主観ではあるが、女性の食の嗜好とは離れていないと思う。
なので訴求対象の名称を冠して「レディースセット」と称すること自体は誤りではない。
しかしながら。
「レディースセット」と称した商品に写真が添付されていなかった場合はこの4つの特徴のどれを指しているのか、完全に不透明になる。
わたし個人としては①〜③には興味はないが、④は頼みたい。
おかず、ちょっとずつ何種類か食べたい。
唐揚げとハンバーグで悩まなく済む。
ようするに「女性に対する訴求」として大雑把に括った結果、中身が見えない状態になっているのがどうにも気持ち悪い。
スッキリしない。
それぞれ以下のような例に置き換えれば単純に内容も伝わりやすいと思う。
①少なめセット
②デザートセット
③セルシーセット
④欲張りおかずセット
しかもこれであれば「※男性もご注文いただけます」という注釈もいらない。
「レディースセット」と銘打つとやはり女性に対する訴求が全面に押し出されるので、「男性は対象外ですよ」という意味も付加されてしまう。
「頼めます」と言われても人によっては心理的になんとなく気にはなるだろう。
これであれば、そんな問題も解決できる。
読めばセットの特性と誰でも頼めることがすぐに伝わる。
商品の特徴を明瞭に伝達していて実にシンプルな良案ではなかろうか。
当たり前のように「なんとなく通じるから」のイメージで使ってしまっている名称も、別の表現に置き換えることで情報伝達としての改善ができるのだな、と。
女性向け・男性向けという括りは十把一絡げでだいぶ雑なので、逆にターゲットを絞らずに商品の特性を主張することで、選んでもらうというのも手法としてはあるのではないかな、と。
以上。ターゲット層を名称にすると商品の特徴の訴求が不透明になる、というサンプルケースとして思考してみました。
ちなみに冒頭のお店は「レディースセット」の横にこんなセットもありました。
「メンズセット ※女性もご注文いただけます」
わ か り に く い
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