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12月29日 「納め」

取り合う連絡は必要最低限。何も打ち合わせせず、その場のノリと雰囲気で決める。誰かが何か発せば誰かが茶々を入れて、誰かが笑う。深く干渉はしない、でも決して付かず離れずの位置。お互いのことをよくわかっているようで、実はあんまりわかってなかったりする。そんな私の理想みたいな、友人ができた。

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社会人n年目のオッサンみたいな決まり文句だが「長い付き合いになったもんだなぁ」と、自然に口を衝いた。それに対して野暮なツッコミをするでもなく、「そうだなぁ」とあまり覇気のない声が返ってくる。実際問題、それが長かろうと短かろうとどうでもいい。そんなことを言い合える、その空間や関係性がたまらなく好きなんだ。あまり、煙は好きじゃないが、今日くらいはちょっといいかもって、思った。

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こんなに楽しい大学生活を送ることができるなんて、本当に微塵も夢にも見ていなかった。バラ色のキャンパスライフどころか、友人ができるなんてことも、自分には縁のないことだと思っていた。人と関係性を築き、そしてそれを保つことが何よりも苦手な私、嬉しい限りだ。

酒を口に運ぶ度、気持ちは緩む。ポジティブな言葉しか聞こえない飲み会がこんなに楽しいなんてな。飲み会は結局のところ”誰とやるか”、なんだよな。
本当に時間が惜しいと思った。このまま時間が止まって欲しいと願ったのは久方ぶりだと思う。一分一秒が恋しくなった。トイレで席を外しているその数分でさえ。

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「まだこんな時間かよ」と、何度も何度も言っていたら、いつの間にかこんな時間になった。私たちは終電で帰る。無茶な遊びはしない。しようと思えばまだできるんだけどね。

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