完全に理解したい!という気持ちだけで望んだ「アクセシビリティカンファレンス福岡」参加レポ
🌸 はじめに
こんにちは!びきニキです(@BkNkbot)
11/11(土)にLINEヤフーコミュニケーションズで開催されたアクセシビリティカンファレンスに参加してきました! #fukuoka_a11yconf
今回はその内容について、参加記録を残していきたいと思います!
🌸 アクセシビリティカンファレンス福岡とは
🌸 前夜祭
株式会社ヌーラボさんのオフィスで開催された前夜祭から参加しました!会場に入った瞬間「びきニキさんですよね?」と声をかけられ(まさかの顔が認知されているパターンで)驚きましたw
あと、福岡以外からここまで来たよ!という方が本当に本当に多くてビックリしました。半分くらい県外だった気がする…。
アクセシビリティの推進部を社内に作った話や、福岡でのアクセシビリティの歴史、1から学び始めた話などを聞くことができました。ガイドラインも存在自体は知っていたのですが、しっかりと読んだことがなかったのでこれを機に読もうと思います📖
前夜祭で1番興味深かったのは、SmartHRさんで働かれている@masuP9 さんの「アクセシビリティテスターと向上するアクセシビリティ」というLTでした。
実際に修正前、修正後のデザインを踏まえて紹介されたことで、とても理解がしやすかったです!「アクセシビリティをテストするために障害者雇用をする」ことで、当事者にしか見えていない部分が浮き彫りになるのが良いですね。
最後のパネルディスカッションで「会社規模で実践事例を出すことが難しくて悔しい!」と言っていたのにとても共感しました(ふわっと聞いていたのでもしかしたら発言の内容が少し異なるかもしれません)。
私自身もアクセシビリティ自体には興味があるのですが、どこから勉強していけばいいのか分からなかったり、アクセシビリティの重要性が周りに伝わっていない(かつ私も分かっている自信がない)ので、アクセシビリティ関連の対応は後回しになりがちで、結局実践する機会が訪れないということがよく起こっています…。
閑話休題。
また、懇親会で色々な方とお話しできたのも貴重な経験となりました!あの有名な「Webアプリケーションアクセシビリティ」を執筆されている方であったり、私が一方的に認知していた方であったり、初めての出会いもあってかなり楽しめました🎉
🌸 当日の会場
🌸 セッション
開会式
「伝わる」を拡張するアクセシビリティ - 間嶋沙知 さん
最初のセッションでは
アクセシビリティとは
「伝わる」を阻む壁を知る
明日から始めるアクセシビリティ
の3つのトピックについてお話しがありました。
「怪我などは一時的にアクセシビリティ等の有難さを知ることができる」「障害者と健常者は明確に切り分けられない」「障害のある人は”時代に先駆けてそのニーズを知っているリードユーザー”となる」という部分が中でも刺さりました…。
あと話を聞いていてハッとしたのは「コンテンツを勝手に動かさない」という部分です。最近のクリエイティブなサイトは結構そういう実装を見たりするし、私自身もそれがカッコいいと思っています。
しかし、「読み終わる前に動いてしまうかも。その結果、意図しないリンクを踏んだり、画面酔いを引き起こすこともある」という話を聞き、確かにそうだなと思いました(私も某林檎のサイトでよく画面酔いする)。
ウェブアクセシビリティ社内教育のすゝめ 〜品質か、営業か〜
- 柴田宏仙 さん ✕ 伊原力也 さん
このセッションでは、「営業」と「品質」の2つの観点からウェブアクセシビリティを教育していく際のヒントについて触れられていました。
Webアクセシビリティの取り組みをしているのは2割しかおらず、まずはアクセシビリティを知らない人を減らして、「モヤモヤ」する人を増やしていく必要があるとのことでした。
品質ルートでは、「伝える→見せる→やってもらう→評価する→モヤモヤする→起爆剤になる」という流れが紹介されました。
また、伝える際も、アクセシビリティそのものを最初から伝えると「難しそう」と捉えられるので、「Webってすごいサイトだよね」「これが伝わる人を増やしたいね!」という形で伝えているのだそうです。確かにこれだと自分ごととして捉えることができそうです!
営業ルートでは、「仕事としてチームでやる(3人でやる)」こと、「やってみた」マインドでやること、その取り組みを外に発信することが大事というお話しがありました。
ヌーラボのウェブサイト課におけるアクセシビリティ関連の取組み
- 松永知典 さん
スポンサーセッション!これからアクセシビリティ対応に取り組んでいきたいというヌーラボさんが、ウェブサイト課を立ち上げどのような取り組みをしているのかを聞けるセッションでした!
取り組みにあたりミッションの作成をする必要があり、そのミッションを制定する上で「会社の方向性」と重なるようにした!というのが良かったです。会社のバリューは大事!!
それだけではなく、「新しく入ってきた人にも伝わるように」抽象的ではなく具体的にミッションを決めることで形骸化しないように気をつけたとも話されていました。
私自身、これまでに「その会社の独特の言葉などが多いドキュメント」を読み、全く情報が入ってこなかったという経験があったので、とても良い取り組みだと思いました!
それ以外にもMarkupLint、LightHouseなどを使って少しずつアクセシビリティの取り組みを増やし続けているとのことでした!
LINEヤフーにおけるこれからのアクセシビリティ
- 岡崎晶彦さん ・ 富田梓 さん
合併前にLINEとして取り組んでいたアクセシビリティの話や、合併後にLINEヤフーとして取り組んでいることについてのお話しがありました。
LINEさんでは「障害当事者へのヒヤリング」「A11y Meetupの定期開催」「社内向けガイドラインの作成」などを、アクセシビリティの推進をするチームで取り組んだ話があり、その幅広さや工夫に驚きました。
アクセシビリティはよく、「取り組むのが難しそう」という印象を持たれることがあるし、私もまだちょっとそう思っています(笑)
そのため、最初から完全な対応は諦め、対象を絞る・小さな目標を定める・参加のハードルを下げるという工夫は重要だし素晴らしいと思いました!
「違う人生を生きる人と一緒に働く」ということ - 方山れいこ さん
2年前まで障がい者と呼ばれる人たちと関わったことがなかった登壇者の方が、仕事を通して障がい者の方と触れ、会社に障がい者の方を雇用し、会社のマネジメントや組織形成について話されていました。
この方は「エキマトぺ」というものを作っており、そこで初めて聴覚障がいの方と触れたとお話しされていました。私自身、かなり昔にXで読んだ漫画がエキマトぺに触れていて衝撃的だったので、ずっと印象に残っていました。
このセッション中に3問クイズが実施されたのですが、見事に全部外しました!
聴覚障がい者は補聴器をつけているかどうか?みたいなのでYES・NOの2択問題で、正解は「個人に聞かないとわからない」という引っ掛けでしたw
見事に引っ掛けられましたが、自分の中でも確認せず決めつけてしまっている部分があるのではないか?と自省できました。
デジタル庁でのアクセシビリティへの取り組み
~誰一人取り残されない、人にやさしいデジタル化をの実現に向けて~
- 伊敷政英 さん
気になるデジタル庁のセッション!全盲の社員さんが、スクリーンリーダーを使って発表している姿はすごかったです(自己紹介で言われなければ全盲と気付かなかったレベル)。少し前に良い意味でバズっていたデジタル庁ですが、その内側を垣間見ることができました!
私も少し前に「デジタル庁のサイト、配慮が凄すぎてもはや変態だ…」と思っていたのですが、チーム体制や取り組みの内容でその凄さに納得しました。
特に衝撃だったのは「Figmaを使ったデザインの検討段階からアクセシビリティのテストをやっていること」です。
全盲の社員さんは、コンテンツがどう配置されているか健常者に口頭で説明してもらい、気をつけておくべきところなどをFigma上に書き込むという方法でテストをしているようで、その斬新さに衝撃を受けました(1時間くらいかかるらしい)。
障がいを"強み"だと言いたいわけでは決してないのですが、社内に当事者がいる上で、率先してその方たちも携わっているからこそ、アクセシビリティに特化したサイトが出来ているのだなと強く感じました。
🌸 閉会式
🌸 懇親会
いろんな方とお話ししました!超楽しかったな〜〜〜!!!!有難いことに私も紹介される側、挨拶される側に少しずつなっていたので、ちょっとドキマギしましたね…(PHPカンファレンスの実行委員長をやったおかげです)。
🌸 おわりに
今回のカンファレンス、とても興味深い話が盛りだくさんでとても面白かったです!ザ・技術カンファレンスという感じでもなく、デザイナーさんやWebディレクター、エンジニアなど色々な方を巻き込んでいるのが新鮮でしたし、自分の知らない話をたくさん聞くことができました!
「アクセシビリティ」ということで、開催前から開催中、そして開催後も多くの配慮に溢れていたカンファレンスだったと思いますし、運営の方はその分準備が大変だったろうなと推察します…。
でも、おかげで本当に楽しいカンファレンスで、たくさんのつながりを作ることもできました👏
実行委員・登壇者・スポンサー・当日スタッフ・参加者のみなさん!
本当に本当にお疲れ様でした~~~!