「浮気、不倫」雑感

芸能人の浮気や不倫を週刊誌で暴露する文春砲などという言葉がある。
人によっては職業生命が失われる可能性すらあるだろうから、当人にとっては大変なことだと思う。
よく謝罪会見なるものがテレビで流されるが、私は以前から思っているのが、果たして誰に向かって謝る会見なのだろうか…と頭をかしげているのだが、きっとそんなことより視聴率を稼げるという一点においてテレビはやらずにいられないのだろうと思う。
以前にラジオだったか、YouTubeだったか、この「浮気、不倫」についてのコメント(論評?)が面白かったので憶えている。
その方が言うには、「特に男性の浮気、不倫は絶対になくならない。男性の性は『生』とセットみたいなものだから。でも、男性の中で妻は本当に大切な存在。それと浮気、不倫は別物。だから妻が大切じゃないから浮気、不倫するのではない。」といった内容だったと記憶している。
これはあくまでもコメントの一部を抜粋したもの。
私自身はこの意見に両手を挙げて賛成という立場にないが、一理あると思った。
勘違いしないでほしいのは、私は浮気、不倫の肯定派ではない。家族はみんな傷つくし、崩壊することもある。特に女性や子どもの心に残す傷は大きいことは言うまでもない。
私が興味をもったのは、「男性の性は生とセット」、「妻が大切じゃないから浮気、不倫するのではない」というところ。
本当にそうだと思う。
こんな私にも浮気、不倫のチャンスがあればフラフラ寄っていくであろうことは自他ともに認める…ただし、まずそんなチャンス(?)はない…。
でも、以前にいい歳をして経験した強烈な恋愛感情は、自分でも全くコントロールできない、ものすごい勢いで激しく突き上げてくる何物かであった。それを必死に抑えながら自分自身、どんどん消耗していったのを憶えている。もはや、自分ではどうしょうもなかった。
後で知ったのだが、河合隼雄という心理学者が「中年の危機」という本のなかで中年期の危うさについて似たような状況を語っていた。
中年期はそれまでの人生の時期と違い、死を意識する頃でもある。要するに下り坂でもある。でも社会から要請される役割は逆なこともしばしばではないだろうか。よく働き盛りなどと言われる世代でもあり、そんな風潮の中では忙しく働いたりしていると、なかなか自分の中の微妙な変化に気づけなかったりする。事実、私も何となく感じてはいたものの、意識して向き合うようになるまでには相当な時間を要した。
その結果の「不倫」「浮気」が少なくないのではないだろうか。そんな風に考えていると、結果だけをみて上記のマスメディアのように責め立てたるような論調にもなれないというのが私の率直な気持ちである。


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