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シュトーレンの誤解

実家からシュトーレン(市販)が送られてきたので
ウキウキと切っていたのだが、
なんとも、砂糖の量に驚いた。

包丁を少し入れるだけで表面に覆われた粉砂糖がサラサラと落ちる。
あまりにも多いので、包丁の先でクイっとひっかくと
今度は塊が取れた。

いや砂糖まぶしすぎじゃね?

初めはウキウキしていたが
ふつふつと怒りの感情がわいてきたため、
私は冷静に考えた。


どうせあれだ
保存性だろ?
砂糖を全体にまぶすことによって保存性を高めてんだろ?
クリスマスは寒くて買い物に行けないから、
そんなときでも食料を確保できるようにって
シュトーレンが生まれたんだろ?

はいはいわかったわかった
でも今は生活しやすくなってるから
少しは控えてもいいんじゃない?

……

以上の考察に私は確信を持っていたが、
念のため、調べることにした。

どうやらいろいろ説があるらしい。

ひとつは、保存性。

しかし、理由のところで私の予想は外れていた。


キリスト教には「アドヴェント」と呼ばれるクリスマスを迎える心の準備をする期間があるらしいのだが、
その期間はクリスマスイブの4週間前、つまり約1か月間あるため、
シュトーレンを少しずつ少しずつ食べることにより、
近づいてくるクリスマスに対して気分を盛り上げていくそうだ。

また、シュトーレンは日が経つにつれて材料の風味が生地に染み込み美味しさが増していくため、
だからこそ少しずつ食べることに意味がある(長持ちさせる必要がある)みたい。

ふたつめは、
幼子であるイエス様を包む「おくるみ」に見立てるため。
 

そもそもクリスマスはイエス様の誕生を祝う生誕祭の日なので、
白い粉砂糖で生まれたてのイエス様を包むおくるみを表現して、それを食べながらイエス様をお祝いする日を楽しみに待つ。


むむむ、なんともロマンチックだ。

食べる前に調べておいてよかった。

令和でもシュトーレンは美味しいです。

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