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私が「ひとり飲み」をする理由。秋葉原「きんぼし」でおひとり様プレートと日本酒を
基本的にどんなシーンでも飲みます。家で晩酌に、友人と居酒屋で、少しかしこまったところでしっぽりと。
中でもなかなか人に「良さ」を伝えにくいのが「ひとり飲み」です。
「ひとりでなにが楽しい?」「飲んでる間なにしているの?」
というよく聞く疑問に応えるため、試しに私の場合の「ひとり飲み」中の頭の中を紹介します。
今回、日本酒の品揃えが豊富な居酒屋さん「きんぼし」さん(秋葉原)で、ひとり限定の「おひとり様プレート」(※要予約)をいただいてきました。
たまには宣伝。
— 秋葉原きんぼし (@hizobakuren) February 6, 2019
秋葉原きんぼしさん、おひとり様で御来店の方限定で『おひとり様プレート』という物を1000円にてやらせていただいてます。
(※作成に少なからずお時間を頂きますので、御来店時に合わせスムーズに提供する為に最低限20分程前の事前注文にご協力下さいますようお願い致します) pic.twitter.com/jkNx52PsYJ
まだ明るいうちから店に入る
秋葉原から徒歩数分、開店の17:30にお邪魔しました。よーしひとり飲みするぞというときは、結構早めからやります。
店頭の黒板。読むだけで日本酒が進みそうなメニュー。日本酒も550円or650円とお手軽です。
一番のりです。店員さん3名に対し、私1名。最初はやはり若干緊張します。
奥の方にちらっと見えるのが日本酒の冷蔵庫。不老泉や林、宗玄、結ゆい、中島屋、楽器正宗などなど、いいです。今日の気分は…どちらかというとしっとり濃い方にしてみようかと思います。
お通しはぶり大根。これだけで1杯飲めてしまいました。ほろっとした食感がいいです。しみじみうまい。
最初のお酒は「秋鹿 純米酒」。表面張力がかっこいい。
普通にもうワンサイズ上のグラスに控えめにいれた方が絶対に飲みやすいのに、そーっと手元によせて吸うようにひと口目を飲む、そんな儀式的なやつが嫌いではないです。
しっとり、だけどミネラルというか、瑞々しいというか、舌の上でしばらく動きがあります(液体なので実際には動かないけれど)。おいしいです。
BGMは平成のJ-popで、ドリカムとかサザンが聞こえてきます。自分で選ばない(けれど知っている)曲がこうやって入ってくるのは、なかなかいいものです。
おひとり様プレート(1000円)到着
これが事前予約必須の(作るのに時間がかかるため)おひとりさまプレート。
上段左から刺身盛り、スルメイカと白瓜の酒盗和え、カブの赤紫蘇酢漬け。
下段左から砂ぎもの生姜煮、水なすとささみ梅肉和え、名前忘れたけどトーストの上に練り物乗ったやつ、メンチカツ。
2杯目は「555(田中酒造店)」。
仮面ライダー好きで知られる有名な杜氏・盛川氏の作品です。濃い、というよりも味の幅が太い、ボリューミーなお酒でおいしいのです。
ここから、おひとりさまプレート7品、どれがこのお酒にもっとも合うのか、ひと口ずつ試していきます。順番に合わせてくと、ピタッとどこかで合う、これが楽しい。
また、このプレート味も食感も全部違う料理が詰まっていて、その変化だけでも本当にありがたい気分になれます。
スルメイカの酒盗うまいです。酒盗だからきっとどれにもあうでしょうけど、旨い。メンチカツ肉汁がすごい。これとお刺身は早めの美味しいうちに食べてしまおう。
店内のお客さんは2人増えました。いずれもひとり客。
女性客が「おすすめのお酒を教えてください」といい、対して店主がいろいろ説明しています。へー、結構いろいろな瓶を見せてくれるのですね。いいな、あとで自分もやってみよう。
いけそうなので「おすすめ」を聞いてみる
この「きんぼし」さん、いろいろ「教えてくれる」お店のようなので、「常温〜熱燗でおすすめを」と相談。すると奥から何本も出してくれました。しかも僕がカウンターの端(入り口側)に座っていたので、3往復くらいかけて。申し訳ないです。
よし、せっかくだから2杯並行飲みをしよう。
ひとつめは「玉櫻 殿(しんがり)」常温です。これをちょびちょびしながら、もう一杯お願いした熱燗を待つことに。
包み込むなー、玉櫻、甘みはあるけれど、ごはん系のやつ。味の重心の低いものがいい。合うのは、砂肝だ。噛むほど味がでる砂肝をふくみながら飲むと堪らない。あれ、意外に刺身もいける? 白身魚の旨みがお酒でじわーと広がっていきます。
店内に貼られていた、近隣の酒屋さんのチラシを眺めながら飲みます。
ここで熱燗ができました。杉勇のPB商品。生酛で生酒の冷蔵保存なのに熱燗向き。いいなー、こういう「どういうこと?」というようなお酒をおすすめされると頼まずにはいられません。
試しにスルメイカと…うん、一発目でぴったり。酒盗だから当然か。
こちらは「酢漬け」「梅肉」もいけます。酸味ですね、玉櫻よりも料理とカチッと合わさる位置が高い。
で、並行飲みなので、熱燗は様子をみながらゆっくり飲もう。そして温度が少し下がったあたりで味の変化を楽しもう。
お店の雰囲気に「潜る」楽しみかた
こんな風に、自宅に設置したペットカメラの様子をチェックしたりしながらも飲みます。あ、動いた動いた、とか。たまに本読んだりもするのですが、忘れるので早々に閉じます。
少し開けたカウンター並びの男性は常連客のようで、店長さんとの軽妙な会話が続きます。これこれ、これがいい。「きんぼし」の空気、らしきものが流れてきます。
居酒屋さんにひとりで行く人のなかには「話しにいく」という人もいますが、僕は逆です。むしろ誰か常連さんがしゃべることで、自分は話さなくてもよくなる、なのになんとなく楽しいお店の空気の中にいる。
そういうがやがやの中に潜っているような、我がなくなるような感じがなんともいえないのです。
撮りたくなるおちょこでした。
ごちそうさまでした。もっといろいろ頼もうかと思っていましたが、おひとりさまプレートが想像以上に充実しており、お酒が進んでしまいました。
出ることにはすっかり夜ですが、お店はこれからが本番なのでしょうと、当日予約の電話対応などを聞きながら思いました。なぜだかわからないのですが、美味しいお店に予約が入っているのを見るとうれしいです。
(カウンターにあった飾り)
以上、これがとある日のひとりのみの全工程です。
「ひとりで飲んで、いったい何してんの?何が楽しいの?」という方、こんな風になにの意味も生産性もないことをやってひとり楽しんでいるのです。
また飲みに行こうと思います。ごちそうさまでした。
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