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香りで遊ぶクラフトジン。焼酎はどこにいってしまったのだろう

いま、「クラフトジン」がブームになっているそうです。しかし、なんとなく聞くだけで実際に手にする機会はそうありませんでした。

そんなある日、「ジャパニーズ スピリッツ・マルシェ2019」という催しを知り、お邪魔してきました。

先に言います。クラフトジン、熱いです!

ジャパニーズ スピリッツ・マルシェ
http://www.manseibridgefreemarket.com/event/20190920-29.html 

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場所はJR御茶ノ水〜神田の間にあった旧・万世橋駅の建物をそのままいかした「マーチエキュート神田万世橋」(https://www.ecute.jp/maach)。

僕自身「ジンといえはトニック」くらいの知識しかないため、まず「ジン」とはどんなお酒なのかを紹介します。

ジン(英語:Gin)とは、大麦、ライ麦、ジャガイモなどを原料とした蒸留酒。ジュニパーベリーをはじめとしたボタニカル(薬草)で香り付けがされている。日本の酒税法上はスピリッツに分類される。

香り付きのスピリッツ、ということのようです。(今回のマルシェには「ジャパンウイスキー」も出展していました)

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会場にはスピリッツを扱うメーカー(蒸留所)のブースが並び、その場で購入可能。有料・無料試飲ブースがあり、スピリッツ・ウイスキーの味を見ることができます。普通に山崎とか竹鶴とかが無料(または安価)で飲めて驚きました。

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ちなみに数年前ウイスキーの仕事(本)をしたことがあり、一時ウイスキーにはまっていました。1瓶の値段がするので、いろいろ試しにくいのが難点だったので、この試飲はうれしい。

日本酒蔵、焼酎蔵もジャパニーズジンに参戦!

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そもそもジンって日本で作れるの? くらいに思っていたのですが、目にするジャパニーズ ジンの多彩さに驚きました。会場で配布されていた情報誌「LIQUL」によると、国内のジンメーカーは30。ウイスキーの23より多いのです。

「それは、日本酒蔵や焼酎蔵が続々とジン醸造を始めているから。いま、日本の酒造りを担っているのは30〜40代がメイン。彼らが伝統的な技術をまもりつつも、新しい挑戦としてジンに取り組んでいるのです」

とは、イベントを主催する「酒育の会」の係の方。スピリッツ事情に精通されており、試飲しながらいろんなお話を聞かせていただきました。

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焼酎?ジン?KOMASA

焼酎蔵である「小正醸造」のジン「KOMASA」。米焼酎をベースに、ボタニカルには「みかん」「ほうじ茶」で香りづけしています。

…え、いいの? そもそもジンに「焼酎」使っていいの? 「みかん」あり?

ジンの定義について見てみたところ、

・農作物由来のアルコールにジュニパーベリーの香味を与えたもの
・天然の香料だけでなく人工香料も使用可能

という記述がありました。

そう「米でもジンと呼べる」のです。じゃあ、焼酎って、もうほぼジンじゃないか!香りつけたらジンになるじゃないですか。

しかも…これがなかなか美味しい。
みかんの柑橘の香りが口にひろがり、焼酎なのに香りのおかげでジンっぽいさわやかさがあり、スピリッツらしいドライなキレ、最後までのこる 圧倒的なみかん感が楽しめます。

これは、おもしろい。

小正醸造
http://www.shop-komasa.jp/shop/

大手酒造もスピリッツに挑戦!

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TUMUGI

こちらの「TUMUGI」、なんと「いいちこ」の三和酒類が手がけるスピリッツ(ジュニパーベリーをつかわないため「スピリッツ」として販売して)です。伝統の麹造り・並行複発酵で酒を仕込み、単式蒸留1回。ここまでは完全に焼酎です。ここにかぼす・ゆず・レモン・ミントといった、国産ボタニカルで香りをつけてさらに蒸留。

呑むと、ただただ香りが面白い。そしてさすがいいちこ、すきっと飲みやすい。

TUMUGI
https://wapirits.com/


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あの「養命酒」も参戦!!
最大の特徴は複数の生薬成分。飲んでみると、たしかに薬膳っぽい香りがします。生薬の刺激がじわじわとしみ、生薬ってスピリッツと相性がよかったことに気付きます。

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もちろん生薬配合。

養命酒酒造 香の森
https://www.yomeishu.co.jp/herb_liqueur/gin/

本当に、いろいろなメーカーの強みや個性が、そのままジンの特徴になっているように思えます。

ボタニカルは自由度がすごい!!

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青い瓶は沖縄「まさひろ酒造」の国産ジンです。
なんと「パッションフルーツ」「マンゴー」「グァバ」など南国感あふれるボタニカルで香りづけしています。これが本当においしい。完全にフルーツなのですが、蒸留酒のためあくまですっきり軽やか。なのに口からは沖縄。

(また、HPを見てみると別の商品には「ゴーヤ」「シークワーサー」を使っているものも。これも気になる)

まさひろ酒造
https://awamoriweb.ti-da.net/e10117229.html

ジンって、土地の個性的をもっとも活かしやすいお酒なのかもしれません。

もちろんウイスキーも!

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今回のイベントにはもちろんウイスキーも多数出店。蒸留所限定酒や(そもそもあまり飲まないのでレアを飲む理由もないのですが)、それにあうチョコレートなどもありました。気がつくと結構飲んでしまいます。

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味噌チョコ(!)はウイスキーと、かぼすチョコ(!)はジンと合わせるといいそう。

香りで遊ぶ蒸留酒。焼酎はどうなる?

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ほぼはじめてのジャパニーズジン(スピリッツ)、すごく面白かったです。
なにとよりすごいと感じたのが、「香りで遊べる」ところ。

お酒に香りはつきものですが、醸造酒の場合は味に重さがあるから、香りが個性的だとそれだけヘビーに。またとっぴな香りはバランスが悪いと感じます。

しかし、蒸留酒はこの「風味」の振り幅がとても広い。どんな香りも受け入れるし、なんなら違和感があってもすっきり楽しめる。香りこそ蒸留酒の強みだと思います。


…なんで、ここに焼酎がいないんだろう?

老舗の黒木本店は「飲む香水」といいきるほど香りを楽しむ商品「球」を出しているし、麦焼酎の「青鹿毛」は麦チョコみたいなフレーバーで人気です。「香り」にスポットが当たるのなら、日本には伝統的な焼酎がたくさんあります。

もう、焼酎はジンみたいなもの(というと、焼酎側が嫌がるかもしれませんが…近いと感じています)。香りを楽しむ酒がブームなら、焼酎が中心にいていいはずなのに…。

今こそ、焼酎に脚光が当たるチャンスだと思います。それが「クラフトスピリッツブーム」という名称でもいい。だから焼酎ブーム再燃、なんとか来てください。


※焼酎とジンは製法、税制上別の酒類です。
ご好意で確認いただきました酒育の会の方のご意見により追記いたします。


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クリーミー大久保(日本酒)
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