AIで日本酒を選ぶ時代へ|未来日本酒 吉祥寺でテイスティング体験
AIが日本酒の「好み」を教えてくれる。
そんな未来感あふれるプロジェクトが「YUMMY SAKE」(そしてお店の名前は「未来日本酒店」!)。
お酒の未来(つまり自分がこれから飲む幸福)を築くユニークな取り組みとして、ぜがひでも体験したいと思っていました。吉祥寺店におじゃましましたのでレポートします。
YUMMY SAKEとは?スマホを活用したブラインドテイスティングサービス。10のお酒の利き酒結果から、自分にぴったりの味のタイプをAIが導き出すというもの。未来日本酒店 AIテイスティングを体験できる酒販店。角打ちに力を入れているよう。マニアックなお酒や、クラウドファンディングで資金調達したという限定醸造酒などを取り揃える。(http://miraisake.com/)
吉祥寺から徒歩5分程度。最近のワインショップや立ち飲みバル、またはカフェにも見える店構え。ターゲットが明確です。
AIテイスティングを体験
ブラインドテイスティング費用は2000円。10種類のお酒を味わいます。
まずはスマホで会員登録。(アプリじゃないところがいい)
カウンター(立ち飲みがメインですが、店の壁面に5席程度椅子があります)で準備を待つ間、「利き酒の心得」なるものを読みます。
・1杯ごとに水を飲むこと
・周囲と話さず、お酒に集中すること
など。テイスティングで導き出す好みのタイプは12種類。辛口とか甘口などではなく「オノマトペ」で表現されています。
たとえば「スルスル」はスルリとシルキーで軽めの味わい、「シャラシャラ」はリンゴ系のさわやかな味わい、など、多少無理はあるものの(だって「アワアワ」なんてそのまんま)、いままでにない表現が素敵。新しい日本酒ファンを獲得しようという想いが伝わってきます。
ブラインドテイスティングセットが到着。一口分の黒いカップが10種類、これを1から順番にテイスティングし、先程のスマホに「好き」「嫌い」を5段階で採点します。
採点の様子はこんな感じです。
ブラインドの印象ですが、前半はすっきり系(わかりやすい吟醸系はなかったかと)で、中盤に泡、後半に味の太いものや熟成、どぶろくなどが出てきます。
そして10種類採点終了。結果はこんな感じです。
ゆらゆら!!
具体的なお酒も出てきました。
熟成酒。
そりゃそうか、テイスティングのなかに1つだけ熟成があって、それがおいしかったから最高得点にしたので。
ちなみに、AIで導き出した正解にあったお酒(僕の場合は熟成のユラユラ)をいただく、までがこのサービスです。
熟成酒、18年もの。未来日本酒店では、12分類それぞれのお酒をプライベートブランドで作っているそうです。(醸造蔵は別)
たしかに、好きな味でした。熱燗にしたい。。
さらに、この「未来日本酒店」は酒販店。店内の棚をよく見ると、「味のタイプ」ごとに陳列されています。自分の好きと判定されたお酒、またはそれに近いお酒を買っていけるというわけ。
12種類のオリジナル酒も販売。割高だけれども気に入ったらいいかと。
「AIでテイスティングしてみる」「好みを発見する」「実際に味わう、買う」の一連を体験できる、おもしろい取り組みでした。
・疑問 テイスティングのお酒はどうしてる?
10種類のお酒を採点することで好みを計測するのですが、指針となる「お酒」をどのようにしているのだろうかと。大まかなタイプは分けられると思いますが、一年を通して同じ味をキープできるのは大手くらい(いわゆる大手は置いていなかったよう)。季節商品など次々と変わるものですが、そこらへんはどうしているのか…
A:3ヶ月ごとに見直している
時期によって味の方向性にそうお酒を出しているそうです。
・疑問2 後半有利じゃない?
熟成と判断された僕ですが、熟成はもちろんフルーティーなやつも辛口もなんでも好きです。なぜ熟成酒の点数が高くなったかというと、前半の軽めのお酒からいろいろなタイプを味わい「舌がこなれてきた」から。コースでも「軽めから重め」に進むことが多いのです。慣れた後半の印象が強くなるのでは。
A:順番はかえている
当初は軽め→重めとしていたのですが、今はあえて強弱つく順番にし、テイスティング結果が平等になるようにしているとか。なるほどー。
おもしろい! そういったお酒の塩梅をいったい誰が調節しているのだろうかと思い聞いてみると、「博報堂の人です!」とのこと。すごい目利きの名前が出る、または「僕らが試飲をかさねて」のような言葉を期待していたため、笑ってしまいました。おいしければいいか。
※実際にはいろいろな資格保持者がテイスティングし、それをもとに設定していそうです。後日店長の坂本さまよりご指摘いただきました。
日本酒選びの未来に期待!
こういう新しい取り組みは大好きです。100%応援します。
そのうえで…「期待が大き過ぎた」と感じました。
AIのすごい診断結果がでると思っていたら、「熟成を高得点にしたところ【熟成好きだよ】と診断された」ので、拍子抜けしました。
また、10個テイスティングして、その結果飲ませてくれる「好きな味」のお酒が12種類のうちの1種は、やや少ないなーと。10の感想から12を選ぶなら、AIじゃなくても…と思ってしまいます。
もし、テイスティング結果(12タイプはもちろん、それ以外の採点をいれた細かな好み)をふまえたデータをもとに、お店の冷蔵庫にある数十種類から「1本」出してくれると…すごくいい。
その日の気分や気温、湿度(舌の乾き具合)によってかわる、「今日、この瞬間、一番おいしいと感じるお酒」を分析し、その場で提供できる。もしそうなれば、感動ものです。(だから具体例の日置桜をのみたかった…)
しかし、このような新しい取り組みは大好きです。
AIの日本酒分析、これからも応援します!
気になったアニメラベル。