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“ウンチク”って美味しい!「日本酒文化祭」レポート。

年に何度か「日本酒イベント」に行きます。

「これは」と思ったものをいくつか。そして「よくわからないけれど面白ろそう…」というものも少し。

先日おじゃました「日本酒文化祭」は後者です。

HPにある紹介文を見てみると…

日本酒の誕生とともに開校したと、まことしやかにささやかれる 私立 日本酒学園。日本酒に興味のある学生たちが多数集まり、日本酒に造詣が深い先生たちから、日々日本酒を学ぶ。
そんな学校が年に一度開催する日本酒文化祭!日頃ため込んでいる日本酒愛を発散すべく、先生と生徒が繰り広げる日本酒の祭典がここに開催!

よくわからない。とにかく「お祭り」「学び」があると認識し、11月23日のday1に参加しました。今回はそのレポートです。

銘柄で選ぶの、やめませんか?

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場所は池袋にある、小学校跡地を利用した「みらい館大明」。
会場はその1フロア(3F)で、複数の教室で日本酒が提供されていました。

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「文化祭」がテーマとあり、スタッフのみなさまはみんな制服姿。

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基本的に飲み放題(付のチケット)なので、目に入ったブース(学習机2つ分程度)でお酒をいただくのですが、お酒を注いでくれる人は「蔵の人」ではなく、一般の方。お酒も「ここのブースでは◯県と◯県、あとこんなお酒も置いています」といった具合で、ルールなどはないようです。

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これが「日本酒文化祭」の一番の特徴。

「日本酒イベントは『目当ての蔵』があって、それを飲むことが目的になっていることが多いと思います。この日本酒文化祭は、銘柄が入り口ではない楽しみ方をしてほしい。だからあえて一般の飲み手が、自分の紹介したいお酒を出しているんです」と、受付の男子学生(という設定の年配の方)が教えてくれました。

たしかに、お酒をいただきつつお話しを聞いているうちに「へー、じゃあそれも少しください!」という流れになりました。なるほど。

お酒グッズが、お酒同様に熱い!

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(日本酒缶バッチ)

日本酒イベントにいくと、会場の隅(出入り口)あたりで少し「グッズ」が売られていることがあります。しかし「日本酒文化祭」では、日本酒と同じ空間(教室内)で、同じ規模で展開しています。「日本酒を楽しむ」ためのものとして、お酒もグッズも同列です。お酒を飲みつつ見て回るのもいいものです。

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(酒器、思わず買いました)

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(日本酒の美少女ゲーム!)

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(開発者の方)

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(噂のおちょこホルダー)

日本酒の「研究発表」がおもしろい!

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文化祭といえば「研究発表」もあります。
このブースでは、「日本酒の熱燗を『フラスコ』ですると美味しい」という実演。とある酒蔵で「底が丸いタンク」を目にしたことから研究を重ね、「フラスコ燗理論」にたどりついたのだそう。

蛇足ですが、この方、以前お会したことがありました。その時は「ソムリエ」として、ワインの取材で。まさか日本酒もお詳しいとは。

現在は国際ローカル酒食プレゼンターとして、またSakeWineLive!の編集長としてご活躍されているそうです。

「特別授業」がとにかく面白い!

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「日本酒文化祭」最大の目玉が「先生(日本酒のプロ)」による特別授業。
僕は「剣菱」の授業に参加。白樫政孝社長は「先生っぽい格好」という理由からネルシャツで登壇し、45分たっぷり語ってくれました。

剣菱ってスーパーとかでも見かける「大衆的なお酒」のイメージでしたが、これが話をきけば聞くほど面白い。

・剣菱は日本で4番目に古い蔵
・歴史のなか、オーナーは4回変わった
・勝海舟が一気飲みしたとか?
・最近の「ワイングラスで飲む」みたいなのは200年前からやってた!
・剣菱のお酒は「ブレンド」が基本。特定名称が名乗れない
・すべて蔵付酵母、90%は山廃

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特に印象的だったのは、剣菱は「味を変えない酒造り」をしていること。流行を追わず、剣菱の味をとにかく守り続けているのだそうです。

実はこれまで、剣菱は日本酒のなかで「異端」の印象がありました。トロリとした舌触りと濃厚でパワフルな味。日本酒だけど、日本酒というより「剣菱」という独特の存在。しかしこの味が何百年も変わっていないということは、それこそが日本酒本来の味だったのでは…とか。

授業のあとは剣菱の飲み比べ。本当に美味しいお酒だと再認識しました。

お酒の「映画」を観て、登場したお酒を飲む

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校内では「日本酒の映画」上映もあり、日本酒の骨太ドキュメンタリー「一献の系譜」を観ました。写真の女性は映画監督の石井かほり氏。セーラー服でした。

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映画のあとは、作中に登場した農口杜氏(日本酒の神!)のお弟子さんが手がける「車坂」をいただきます。監督の「絶対熱燗で飲んでほしい!」というメッセージにそって、熱燗で。車坂というお酒自体は知っていましたが、こんなに美味しいとは…。

日本酒は、ウンチクが美味しい面もある

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(書道コーナー)

味には「耳から入るおいしさ」というものがあるといいますが、今回「日本酒文化祭」で強くそれを感じました。

・フラスコ燗では、その理論を聞きながら飲むと、たしかに違う。
・剣菱の歴史を聞いた後に飲むそれは格別。
・映画で造り手のストーリーを知り、そのあとに実際のお酒を飲むと、段違いにおいしい。

ただ影響されやすい・もともと味に疎い、ということもありますが、「知識のあるなし」ではおいしさが大きく変わります。
「酒のウンチク」なんて言うと嫌われるけれど、言いたい気持ちがよくわかる。だってちょっと知るだけでこんなに美味しいのだから。

「文化祭」というコンセプトの日本酒イベント。満喫しました。


今、だれかに、とにかく剣菱の凄さを話したいです。剣菱飲みながら。

もちろん、お酒を飲みます。