東京駅の地下に酒蔵が誕生!? 「はせがわ酒店 グランスタ 東京店」レポート
「はせがわ酒店」。本店の亀戸をはじめ、麻布十番や日本橋、スカイツリーなど都内で7店舗を展開するほか、市販酒のコンテストを開催するなど、日本酒業界を牽引し続けるすごい酒屋さんです。
そんなはせがわ酒店の東京駅店(グランスタ)が、2020年8月にリニューアルオープン。「駅ナカで酒造りを始めた!」という噂を聞き、早速のぞいてきました。
東京駅改札内、地下1階、新幹線乗り場のすぐそば
(この下にあります)グランスタは東京駅構内にある商業施設です。
地下1階、新幹線乗り場の近くです。見えますでしょうか、写真の右奥の方。ここが「酒屋さん」であり「酒造」だそうです。
「はせがわ酒店 グランスタ 東京店」、8/3リニューアルオープンしました。
そして横にあるのが、酒造。その名も「東京駅酒造場」です。
反射して全然わかりませんが、タンクが3つ並んでいます。
その奥には、麹室? 麹もここで作るそう。
これも見ただけではなにか全然わかりませんが、お酒を瓶に詰める充填機なのだそう。極小空間に設備がぎっしり配置されています。
ここではオリジナルのどぶろくと、今後は「清酒」も製造するそうです。
そもそも「日本酒を造る」ということが大事件
酒屋さんがお酒を作る、駅ナカ、狭いなど、いろいろ情報が渋滞していますが、「新規で酒造免許を取得する」ということ自体が大ニュースなのです。
とはいえ、日本酒好きじゃない人にとっては「へー」くらいのニュースなので、次のブロックは適当に読み飛ばしてください。
そもそも、日本ではお酒を勝手につくったらダメという決まりがあります。
造るには国税庁認可の免許が必要ですが、これまで業界保護の観点(とかいろいろ)から、新規参入は認められていませんでした。
最近聞くようになった新しい日本酒や酒造りは、既存の酒蔵さんに製造委託していたり、「清酒」じゃないどぶろくの免許だったり(そっちのはもう少しハードル低いとか)、蔵から免許を譲り受けたり、廃業蔵の復活だったり、はたまた規制のない海外にいったりとか、つまり法に接触しない領域で取り組んでいます。
だから今回のように国からお墨付きで「酒造りしていいよ!」と、しかも小売業が得たのは史上初のこと。(正式には試験醸造免許。研究機関に限って発行されていたそうです)
ただ大手の小売というわけではなく、業界をずっとサポートしてきた「はせがわ酒店」さんだからなのか、本当にすごいことなのです。
駅で造ったお酒を、駅で飲む
はせがわ酒店グランスタ東京店は、「酒屋」「酒造場」に加えて「角打ち(ちょい飲みバー的な)」が併設されています。出発の前にいっぱいひっかけていくことが可能です。さっそく飲んできます。
QRを読むとメニュー画面に。お酒やおつまみを選ぶと注文確定になります。選んだのは、まさにこの「駅ナカ」で造ったという「桃どぶろく」。ゆくゆくはどぶろくも商品として購入できるようになるとか。
ぴちぴちです。ドロドロだけど、重くなく、舌の上でチリチリと刺激が残ります。発酵したばかりで「お酒が生きている」という感じです。
うん、おいしい。
少しお話しを聞けたのですが、ここで「酒造り」をしているのは「はせがわ酒店」さんの社員の方。醸造指導として同じ東京の「東京港醸造(江戸開城)」の人が参画しているのだそう。
そして「東京駅酒造場」の「日本酒」は、ただいま醸造中。8月以降、準備ができたらお店で飲めるようになるのだとか。
はせがわファミリーの美酒を飲む
おかわりは「飛露喜 純米吟醸 黒ラベル」。超人気銘柄です。
長年かけて日本中の蔵を巡り、いくつものヒット銘柄を発掘・育成してきたはせがわ酒店。当然いいお酒がそろっています。
ちなみに飛露喜や東洋美人、伯楽星、作、冩楽、最近では赤武や荷札酒なども、勝手にはせがわ酒店ファミリーと思っています。(発掘・育成にかかわらずはせがわ酒店で多く見られる系統のお酒、という意味です)
お土産に日本酒を買って帰ろう!
最後に、本来メインの「酒屋」さんエリアへ。おもしろいのが、こちらのQR。
お酒の「説明」を読むことができるのです。店員の方との「会話」を最小限にするための取り組みなのです。
この程度まで詳しく書いているとわかりやすいです。
1合ボトルも豊富。こういうのお土産に嬉しいです。
(レトロなラベルの一合瓶を書いました)
お酒買えますし、その場で飲めるというのもいいのですが、「◯◯◯番線」という構内案内があるすぐ横でお酒を醸しているという圧倒的な違和感、なかなかいいですよ。
東京駅の地下で、日本酒好きにとって目が離せないスポットが誕生です。
もちろん、お酒を飲みます。