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おひがしさんブックパーク2024秋の所感とフリペ再録

2024年11月10日に開催された、おひがしさんブックパーク2024秋に出店したのですが、その時のことを簡単に振り返り、当日配布したフリーペーパーを再録しておきます。


当日の様子とか

お天気にも恵まれ、心地よく過ごせました。寒いかもと思って着込んでいたのですが、日中は日差しが暖かく……ずっと当たっていると暑いかも? な状態に。
本を扱う&屋外のイベントなので、お天気は大事な要素ですね。

出店者はスペースの広さだけでなく、テントや机イスのレンタルあり・なしが選べる仕様になっていました。テント有のスペースで、長机をシェアするタイプの出店形式にしました。

テント有を選んだ理由は、屋外イベントなので天候を気にしたためです。雨への懸念ももちろんですが、日差しについても、ずっとさらされていると暑かったり眩しかったりすると思いましたので。

机ありにしたのは、高さがあったほうが通りかかった人に見てもらいやすくなるかなと思ったからですね。シートを広げて地面の高さに品物を並べると、通りかかった人の目の高さに対して低い位置にあるため、どんなものが置いてあるかを認識しづらくなります。全員、机なし(什器の持込は可能)なイベントなら、自力で机を持ち込める人だけが高さを出せて、見やすさは同じ条件ですけど、そうでないなら高さがある状態にしたほうがよいのかなと。もちろん、机のレンタル費用はかかるわけですが。

読酌文庫としては、出店者間での購入が多く感じました。やってくるお客さんの種類としては……

  • 出店しつつ自分の見たい本を探す人

  • 東本願寺周辺を散策中の旅行者(国内外共)

  • 法要帰りの人(お寺なのでね…)

  • 散歩や買い物ついでに立ち寄った近所の人

  • 本が集まる場所を求めてやってくる人

このような分け方ができるのではないかと思います。

旅行者の場合、本に興味のある人もない人もいます。「なんかやってるみたいだから、ちょっと見ていく?」という感じです。
それで、本好きな人だったら掘り出し物を見つけたり、出店者と会話したりするでしょう。ただ、本を買いに来たわけではないので、ガッツリ本を探したり買ったりは、なかなかしないはず。荷物が増えては後の予定に差し障りますし、ほかにもお土産を買いたいでしょうし。
本に興味のない人は、何となく雰囲気を楽しんで通り過ぎます。
また、海外からの旅行者には、本の訴求が難しい。海外からの旅行者にとって、日本語で書かれた本の需要がどれほどあるのかは、だいたい想像が付くでしょう。もちろん、日本語が堪能な方や日本語を勉強している方なら、母国語に関係なく日本語の本を求めるケースはあるでしょうが……。この場合、写真やイラストがメインの本、あるいは文字を主体としない雑貨などを扱っていると、足を止めてもらえるのかなと感じます。

法要帰りの人も、旅行者と似た動向になりそうです。ただ、法要の後って、なんか疲れてるし、お線香とかの煙浴びてるし、服装も服装だからさっさと家帰って着替えたい人も多いでしょう。だから、本がお好きな方でも、通り過ぎるだけに留まるかもしれません。

近所の人も旅行者と似ているかな……。ただ、イベントを知ってもらえれば、次回以降も来てくださる可能性はありそうです。旅行者の場合は、次回開催時に来てもらうのは難しいですが、ご近所さんなら「前やってたの、またあるんだ」「知り合いの本好きに教えてあげよう」「誰々を誘って一緒に行ってみようかな?」という行動も、もしかすると期待できるでしょう。

本が集まる場所を求めてやってくる人、これが一番来て欲しい層ですよね。何となく立ち寄ったタイプの人は、本への購買意欲がバラバラというか、全体的に低いと思います。だから、積極的に本を求める人に、イベントを知ってもらい、足を運んでもらえると、出店者もにっこり・ホクホクです。

とはいえ、イベント自体、まだ開催されるようになって日が浅く、本が集まる場所を求めてやってくるお客さんは限られているのかなと。やはり、定期的かつ継続的に開催して、イベントの認知度を高め、出店者とお客さんの両方を増やしていかないといけないんでしょうねぇ。

地元の新しいイベントは応援していきたいので、次回も予定が合えば出店し、認知度の向上・イベントの成長にも協力できればと思います。

そして、以下は当日配布したフリーペーパーの再録です。

2024.11.10発行フリーペーパー「酩酊願望」より

 こういった古書販売系のイベントにはしばらく参加できていなかった読酌文庫です。読酌文庫は「どくしゃくぶんこ」と読みます。初めましての方は、お見知りおきを。

活動内容と方向性

 2018年あたりから、じわじわと一箱古本市に出るようになり、その縁から「みつばち古書部」や「ふうせんかずら」の棚にも出店しておりました。(今はどちらも撤退しております)
 そして、一箱古本市とかで読み終わった本を売って(古物商許可は持っていないので個人的に買って読み終わった本しか出してない)、本屋さん気分を味わっているうちにいつしか自分で書いた本・作ったものも並べたいなと思うようになったんですね。それで、あれこれ作り、かねてより構想があった小説作品も形にし、いつか出てみたいと思っていた文学フリマにも出店するようになりました。
 出店するイベントの選択肢も増え、いろいろなものを展開して楽しんでいたのですが、それにともなって自身の活動の比重が変化していることにも気づきました。別に悪いことではないのですが、読み終わった本を次の読み手へ繋ぐためにイベント参加するよりも、自分が作ったものを発表して広めるイベントに参加したい気持ちのほうが大きくなっていたんですね。
 なので、古書販売のために棚をお借りしていたところから一度撤退すると決めました。古書と一緒に自作本を置いてもいいんですけど、動きが限定的で、自作本を置くスペースが多くなるほど、お店の売り上げに貢献できなくなるジレンマがあったんです。いや、別に、売上貢献しなきゃいけないノルマとかは、何もないんですけど……私が勝手に気にしただけなんですけど。
 それでまた、初心に返って古書販売のイベントに出る頻度を上げようと思いました。

持ち込んだ本のこと

 で、本日のおひがしさんブックパーク参加となったワケですが、見向きもされなかったらどうしようと、ネガティブな自分が顔を出しております。いえいえ、弱気になっていてはいけません! ハッタリでも、堂々としていた方が好印象なはず! 開き直って参りましょう。
 本日の古書のラインナップとしては、自分が好きな飲食テーマの小説や京都が舞台になっている作品、日本酒を学べる本、料理の本でだいたいまとめました。
 自作本については、頒布中の全作品を持ち込むのではなく、内容を厳選しています。
 まずは読酌文庫の原点にして頂点となった飲み食い小説シリーズ『はなり亭で会いましょう』は外せない存在です! まぁ、小説は好みが分かれますし、古書と違って単価の高い文庫本ですので、お気に召さない方はスルーして下さい。
 次に、絶対持って行きたいと思ったのはインタビュー企画本『とつげき隣のヒトハコさん』です。インタビュー取材のできるライターを目指して、自分でインタビュー企画を立ち上げ、インタビューの経験を積むために、そして一箱古本市などで出会った出店者さんたち、それぞれの事情を伝えるために作りました。こういう場でこそ、プッシュしたい本です。
 あとは、京都のお店を中心に、飲み食いしたエピソードとお店情報をまとめた『タヌキの飲み歩き物語』。フルカラーで写真も掲載しており、タヌキこと読酌文庫の中の人がどんなところで飲んでいるかを見ていただけると幸いです。
 しかし、そうやって飲み歩いていると、記憶をなくすこともしばしば……そんな反省や自戒を込めたコミックエッセイ『タヌキの懺悔 帰りの記憶がございません!』も、楽しんでいただけると幸いです。新装増刷し、オマケもついた豪華版でお届けします。

読酌文庫のあゆみ

振り返りながら書き綴ってみると、色々あったなと……。古本を売る活動から同人誌制作、インタビュー企画の始動、さまざまなジャンルへの挑戦と幅を広げてきましたが、少々活動を整理した方が良いのかなと思う部分も出てきました。

 2018年5月 京都・長岡天神で定期開催されていた「天神さんで一箱古本市」に読酌文庫として参加。以来、一箱古本市関係のイベントを探しては出店を重ねる。

2019年3月 一箱古本市イベントだけでは飽き足らず、大阪・文の里の「みつばち古書部」に参加。読酌文庫の棚を持つ。

2019年8月 習作『はなり亭で会いましょう』を発表。1話書き上げたことで弾みが付き、構想が膨らんでいく。

2020年1月 第四回文学フリマ京都に読酌文庫として出店。小説『はなり亭で会いましょう』を文庫版冊子で発行し、持込分10部完売で天狗になる。以降、読酌文庫の屋号またはサークル名で同人誌即売会イベントへの参加も重ねる。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、活動がままならない状況が続く。

2020年9月 第八回文学フリマ大阪および関西コミティア59に参加。関西コミティアのカタログ「ティアズマガジンKANSAI」では提出した見本誌から小説作品をピックアップ紹介するコーナーがあり「自分の小説も取り上げられたりして!?」などと、甘い夢を思い描く。

2020年11月 第三十一回文学フリマ東京へ出店。読酌文庫初の東京遠征に心躍るも、コロナ禍の影響もありまったりとしたイベントとして過ごす。

2021年1月 関西コミティアに見本誌提出していた『はなり亭で会いましょう』が「ティアズマガジンKANSAI」にて紹介される!
『はなり亭で会いましょう2』を発行するも、初頒布を予定していた第五回文学フリマ京都は開催中止となる。書店委託や委託型イベント、オンラインイベントなどに活路を見出す。また、奈良の無人書店「ふうせんかずら」にも出店を始める。(同年12月に出店終了)

フリーライターとして独立するため、開業届を提出。屋号には「読酌文庫」と記載し、屋号付きの銀行口座も開設する。

2022年5月 第三十四回文学フリマ東京へ出店し『はなり亭で会いましょう3』を発行。張り切ったものの、いまひとつ振るわない結果に終わる。また、同時期よりインタビュー企画「とつげき隣のヒトハコさん」を始動する。(noteにて12回分のインタビュー記事を公開/現在休止中)

2022年9月 第十回文学フリマ大阪にてインタビュー内容を再構成した『とつげき隣のヒトハコさん』を発行

2023年2月 文学フリマ広島5へ遠征出店。イベント規模と売上は必ずしも比例しないと学ぶ。なお、2023年は文学フリマ・関西コミティアのみならず、さまざまなイベントへ参加しており、月1回以上イベントに出ないとガマンできない病にでも罹っていたと思われる……

また、同月より『はなり亭で会いましょう』のKindle版を販売し始める。

2023年5月 マンガを描くことにも手を伸ばし、関西コミティア67にて『コミックエッセイ タヌキの日々』を発行。

2023年9月 文学フリマ大阪11にて『はなり亭で会いましょう4』を発行。シリーズ完結に安堵する。

2023年11月 『はなり亭で会いましょう番外編再録集』を発行。盛り上がりを取り戻した文学フリマ東京37へ参加するも、見向きもされない現実を思い知らされる

2024年1月 評論・研究分野にも手を伸ばし『タヌキの飲み歩き物語』文学フリマ京都8にて発行。活動内容が広がり、何を書く(描く)奴なのか迷走を極める。活動内容の見直しが必要ではと考える。

2024年5月 関西コミティア70にてコミックエッセイ第2弾となる『タヌキの懺悔 帰りの記憶がございません!』を発行。一部界隈で話題になる。(活動内容を見直すのではなかったのか?)

2024年9月 自作小説を音声でも楽しんでもらう方法を模索し、『はなり亭で会いましょう』のオーディオブック化を検討。読み上げ音声合成ソフトを使って試作を始める。また、同年9月をもってみつばち古書部から撤退。皆さんお世話になりました。買取を除く書店委託分も一部回収し、活動の取捨選択を進める。

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読酌文庫/朔
果てしない自由の代償として、全て自己責任となる道を選んだ、哀れな化け狸。人里の暮らしは性に合わなかったのだ…。