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【頒布物紹介】読酌文庫の短編とままならない恋愛譚

表紙イメージ(タヌキはウォーターマークらしい…)

タイトル:読酌文庫の短編とままならない恋愛譚
仕様:A6(文庫)サイズ/112ページ/表紙1色刷り(オンデマンド)
頒布価格:200円(通販・委託時は300円)
発行日:2025年1月5日

2025年1月5日のもじのイチを皮きりに、2025年1月19日の文学フリマ京都9、2025年2月9日の文学フリマ広島7など、読酌文庫が参加する同人誌即売会イベントにて頒布していきます。

基本的に短編集の体。
ただ、どれもままならん愛だの恋だの、もだもだしてる部分ありな感じ?

収録内容

  • 両片想いの神の本

  • 何処かにこんな箱主が

  • 十日ゑびすのお参り はなり亭で会いましょう番外編

  • 花咲く頃に君想う

  • 運命の番になれなくても ~女装男子βは高嶺の花αに恋をする~

テーマも雰囲気もそれぞれ違う感じのお話を5本収録。
読酌文庫の書く小説がどんなものなのか、試しに手に取ってみたいときに、ちょうどよい本を目指しました。
後半の2作品はこれから発表予定の小説となるため、プロトタイプの冒頭エピソードです。

両片想いの神の本

アンソロジー企画への寄稿+ペーパーで配布した追加エピソードからなる小説『両片想いの紙の本』を加筆修正し、その後の追加エピソードを加えました。

小説投稿サイトで連載しつつ、紙の本を作ることに憧れてイベントに一般参加で行ってみたら、ドストライクなミステリー作品を書く神を発見して心酔。翌年、完結済みの作品を紙の本にして自分もイベントに出てみると、奇跡のマッチングが起きちゃって、もう大変! 私の神、マジ神過ぎて尊い! 私、一生付いていきます!!!

 文芸バザールで見つけた私の神・白夜つかさ氏。彼女は何と、あたしが小説投稿サイトで連載を始めた頃から作品を追っかけてくれていて、丁寧な感想を贈ってくれる「みしろ」さんだったから驚きだ! 今日初めて文芸バザールに出店し、紙の本を出したあたしのところへ真っ先に来てくれて、最初の購入者にもなってくれた。
 そんで、その神と今、あたしはイベント後のお茶を楽しんでいる!
 何という幸福!
 神とお近づきになれたのも嬉しいし、創作者目線であれこれ話せるのが楽しすぎる!

『両片想いの神の本』追加エピソードパートより

何処かにこんな箱主が

一箱古本市がテーマのZineに寄稿した、読み切り短編小説。収録にあたり、若干内容を修正しました。

本好きで蒐集家な本村康史は、自宅の蔵書整理も兼ねて一箱古本市に出店している。本を売るのもそこそこに、顔なじみになった出店者の箱を覗いてみると、気になる本が色々あり……。果たして、康史は蔵書を減らすことができるのか?

 康史は興味を持ったことは、とことんはまり込んでしまう性分であり、自宅の蔵書は年々増えるばかり。このままでは自宅の床が抜けてしまうかもしれないという懸念と、今はまだ夫婦ともに健康だが、先々を考えるとある程度蔵書を整理しておく必要がある。
 しかし、思い入れある蔵書たちを、古書買取で安易に処分するのも味気ない。そんな折、芳子が一箱古本市なる催しを見つけてきた。誰でもその日限りの古本屋が開けるというその催しに、康史が飛びついたのは言うまでもない。参加するのはこれで五回目となる。

『何処かにこんな箱主が』より

十日ゑびすのお参り はなり亭で会いましょう番外編

言わずと知れた(?)読酌文庫の看板作『はなり亭で会いましょう』の書き下ろし番外編エピソード。
本編未読でも読めるし、本編読了後だとニヤニヤできるかもしれないお話です。

行きつけの居酒屋はなり亭の店主・御厨に誘われ、アルバイトしている大学生の涼花や樹希と一緒に、十日ゑびすのお参りに行くことになる絢子。大学生二人の計らいで(?)、途中から御厨と二人きりになった絢子に思わぬアクシデントが降りかかる!

 絢子と御厨が先行し、その後ろを涼花と樹希が歩くなか、御厨と世間話を交わす。会社員の絢子は土日祝日が休みだが、居酒屋を営む御厨はそういうわけには行かない。土日は稼ぎ時になるだろうし、今は新年会シーズン。自分がお参りに同行するからといって、土日の夜に店を休みにしてもらうなんて、絢子としては気が引ける。
 それにしても、客の一人に過ぎない自分が、店主やアルバイトの学生とともに十日ゑびすに行くなんて、不思議なものだと絢子は思った。こんなに親しく付き合うことになるとは、以前なら考えられないことだ。だからこそ、今のこの、ささやかな幸福を感じられる御厨との距離感が心地よく思う。

『十日ゑびすのお参り』より

花咲く頃に君想う

今後、発表予定の新作小説その1。女性同士の恋愛感情がメインテーマとなる、長い時間のお話の冒頭エピソードです。
本腰を入れて書いていくうちに、いろいろ書き換えるかと思われますが……プロトタイプ兼、予告としてお楽しみください。

複雑な思いを胸に秘めながら、中学時代からの親友・花菜の結婚式へ参列する桜子。ウエディングドレスに身を包む、可憐な彼女の隣に、どうして自分は立てないのだろう? 自分から花菜を奪っていく新郎の存在を腹立たしく思いつつ、披露宴では親友として新郎新婦を祝福するスピーチを贈る。一方、花菜も出会った頃から桜子に対して、特別な感情を抱いていたのだが……。

 いっそ彼女をここから攫ってしまえたら良いのに。その気になれば自分だって、花菜に不自由させない生活を与えられるはずだ。それが叶うなら、何を投げ出してもきっと後悔しない。
……
 でもそれは、桜子の独りよがりな願いだ。花菜が思い描く彼女自身の幸せは、柊介という伴侶と共に歩む未来にある。彼女にとって私は、親友という立場から変わることはない。
……
 頭に浮かぶ下らない考えを振り払い、桜子は自分の想いを封印すると心に誓う。
 大丈夫。これまでだって、ずっとそうしてきたのだ。これからだって、同じように隠し続けていくだけだ。

『花咲く頃に君想う』より

運命の番になれなくても ~女装男子βは高嶺の花αに恋をする~

今後、発表予定の新作小説その2。
オメガバース設定なのにα×βのカップリングで、女攻めで、女装男子が出てくるという、とんでもカオスな性癖露出小説です。

ゆえに、この収録部分は封印処理を施し、前置きを読んだうえで「心の準備がOK牧場!」な方のみ開封して読んでいただく仕様にします。
無理! 地雷!! ヤメレ!!! な方には、この部分のみ切り落としてお渡しすることも予定しています。 

ずっと恋していた7つ年上の女性αゆき姉が、交際中の恋人にプロポーズすると知ったミナト。ついに告白する機会さえ得られぬまま、この恋を終わらせるときが来てしまったと悲嘆する。しかし、ゆき姉のプロポーズは思わぬ展開を迎え、ミナトの恋はまさかの復活を果たすのだった。

 俺は平々凡々な男子高校生でβ。対してゆき姉はエリートなα。しかも、αの中では珍しい女性αだ。難関進学校にトップレベルの成績で入学し、闘争心剥き出しな男性αたちがせめぎ合う、大企業の中でも対等以上にやり合う、しごできキャリアウーマンだ。
 そんなゆき姉が、学生時代から交際している恋人のアキさんへプロポーズするというのだから、どう考えたって断られるはずがない。アキさんは女性Ωだというから、αのゆき姉ともイロイロ相性が良いのだろう。凡庸なβの俺に、入り込む余地なんて最初からなかった。

『運命の番になれなくても ~女装男子βは高嶺の花αに恋をする~』より


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読酌文庫/朔
果てしない自由の代償として、全て自己責任となる道を選んだ、哀れな化け狸。人里の暮らしは性に合わなかったのだ…。