「幽霊のこと信じてないからホラーが好き」230926摂取コンテンツ日記
芦花公園『異端の祝祭』角川ホラー文庫
先日「これを読み終わるまでは寝れない」と書きましたが、ちゃんと宣言通り寝る前に読み終えました。佐々木事務所シリーズ第一弾ということで、主人公(いわゆる語り手である)青山くんとメインヒロイン(いわゆる探偵役である)佐々木さんの魅力は控えめ。「なんかたくさん大変だった上で、この二人組でやっているんだろうなあ」というかんじ。
後味がいいのか悪いのか絶妙に微妙な読後感。ホラーといえど幽霊はそんなに登場せず(実はずっといるけど)、どちらかというと人と信仰の不気味さを丁寧に組み上げていくかんじが好みだった。今後も継続して登場するのであろう祓い屋サイドの人たちはいわゆる「欠陥があるが故の魅力」を持っていて目が離せない。というわけで目次を見てわかると思うんだけど、一気に続刊も読むことにした。
芦花公園『漆黒の慕情』角川ホラー文庫
ストーカー被害と小学校で流行する七不思議が合流し、分かれ、ラストに繋がる様がとても楽しかった。民俗学的な要素が絡むホラーがどうも好みだということが分かってきた。ホラーとはいえミステリーの要素も含んでいるので、内容について言及を避けなければならないのが惜しい。めちゃくちゃ面白かったので読んでほしい。
語り手を変えることで探偵役の過去もさらっと自然に織り込んでいること、そしてそれがまた物語にきちんと絡み、面白さを補強すること、つまりその……色々な話を提示するタイミングがめちゃくちゃ上手いなと思った。面白かった〜!
芦花公園『聖者の落角』角川ホラー文庫
今のところ「佐々木事務所シリーズ」の最新刊である本作。まんまと騙されたのが気持ちよかった。前作よりもより深く「信仰」というものに踏み込んで、「神様はなにもしてくれない」「神様は見ているだけで助けてくれない」「じゃあ助けてくれる神様がいるとしたらそれは神様なの?」「ただ見ているだけの神様に対して、私たちはなぜ祈っているの?」などのテーマが扱われていたように思う。人間みんな辛いことあるけど、神様ってなにもしてくれないよね。あなたも私も辛いね。で、どうする? それでも祈る?
これらのテーマをめちゃくちゃ面白いホラー小説エンターテイメントとして練り上げているのがすごい。都合のいい時だけ助けてくれる神様って逆に信用ならないのかも。2巻同様含みのある終わり方だったので続きがとても気になる。刊行予定発表待機してます。
その他日記
これはまあ投稿時間を見れば分かるかもだけど、今日というより昨日の日記ってテンションで書いている。まあでも今日はこれ以上読書しない……しても『禁忌習俗事典』くらいだろうかって感じだから摂取コンテンツ日記としてはこれでいいかな。
今朝は久しぶりに起きた瞬間から「絶対死んだほうがいい」としか思えず、大変だった。頓服忘れて仕事に来ちゃったし、通院日で新しい薬をもらえるって分かっていなければ通勤途中で変な声を上げながら壁に頭を打ちつけるだけの人間じゃない何かに成り果てていたかもしれない。改めてお薬は偉大だ。おかげで人間の形を保っていられる。すべての製薬に関わる方々に感謝を。
あとTwitterアカウントを作り直しました。今後あれは、よっぽどのことがない限りここのnote更新通知にだけ使います。
ほいじゃまた!
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