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「アジアの歴史なんもわからん」230919摂取コンテンツ日記


森薫『乙嫁語り』KADOKAWA

『天幕のジャードゥーガル』を読みながら、この漫画の数百年後の同じ地域を扱っているのであろう『乙嫁語り』がずっと頭の裏でチラチラしていたので読み返し始めた。第1巻だけでも彫刻や刺繍の描き込みがすさまじくて楽しいのに、その後どんどん描き込みが細かく多くなっていくと思うとすごい漫画だなあと思う。

動物もみんなムッキムキだ。馬がシュッとしててかっこいい。一人につき一頭「いつもの馬」がいて、この漫画に登場する人間以外の生き物としてはかなり表情豊かに描かれている。同じくらい表情豊かなのが鷹で、一方ヤギについてはかわいらしさが抜け落ちてなんかこう、本当に「財産として、家畜としての動物」って描写がされている。瞳かな。ヤギの目は悪魔の目と言われるけれど、あの瞳だからモノ感が強い、、、のかも。

あと食事もめちゃくちゃ魅力的に描かれてて、2巻か3巻に収録されている「市場で買い食い」というタイトルの、タイトルのまんま「市場でいろんな食べ物を買って、食べる」だけの回があるんだけどこれが本当に素晴らしい。あの「いただきまーす」のシーンを含む2ページの絵を描くために一体何冊の写真集や19世紀中央アジアの生活に関する本が必要なんだろうか。

噂によると建築物のちょっとした描写(柱の組み方、天井の布の張り方)の地域性まで細かく描き分けているらしい。漫画家ってのはすごい。


柳田國男『禁忌習俗事典 タブーの民俗学手帳』中公文庫

というわけで民俗学ってやつに興味が出てきたので「まあ、民俗学なら柳田國男かぁ」と思って、読み始めた。「事典」の名の通り、禁忌に関する単語とその説明が並んでいるだけの本だ。

「禁忌に関する単語とその説明が並んでいるだけ」というのはものすごいことで、これまたこの本を書くには一体何冊の引用元が必要なんだろうかと思う。これとは別にちゃんと民俗学入門的な本も買ったんだけどこちらの方が面白すぎてまだ開いてもいない。日本の因習にまつわるホラーとかSCP財団日本支部特有のじめっとした作品とかが好きならきっと、紹介されている単語全てによだれをダラダラ垂らしながら「だのじい、だのじいいいいい」としか言えない妖怪になれる。私はなっている。

Kindleで読んでいるので知らない言葉を調べているうちに電源が切れてしまうのが微妙に不便。紙の本なら(自分で買ったものであれば)折り目をつけられるのでこの本は紙で買った方が良かったかもしれない。メモも書き込めるし……買い直すか? いやでもメモは別に用意しているノートに書けばいい気もする……ウウム。

『もういちど読む山川世界史PLUS アジア編』山川書店

そんなこんなで「そもそも私日本史しか真面目にやってないからアジアの歴史ちっとも分からん」と気づき、図書館でこれを借りてきた。初っ端から「肥沃な三日月地帯のあたりは水害も多いし農業をやるためにも工事が必要で、大勢の人間をまとめ上げるために宗教が利用されました。王様は神様の遣いってことにしたり、エジプトは大胆に王様=神ってことにしてました(意訳)」って書いてあって情報量の多さに天を仰いでいる。重要な覚えておきたいところはメモっておこうと思ったんだけど全ての文章が重要で新しくノートなんか作る必要ない。

「日本史」は高校時代の私にとって受験にも使える単語暗記ゲームって感じで、だから記述式の問題はすごく苦手だった……というか教科書を丸暗記することでなんとか対応していた。哲学科でボコボコにされた4年を経た今になってようやく「暗記ゲームじゃない歴史」に触れているように思う。

「てかなんで歴史なんか勉強してんの?」「教科書に書いてあるこの文章って、覚える以外にどんな意味があるの?」といった部分を埋めてから触れる歴史は楽しい。今の私にとって歴史は「読んでいる本をもっと理解して楽しむための道具」であって、でもたぶん今後それだけじゃない使い道が登場するかもしれない楽しいもの、かな?

木刀を買ったのと同じだ。なんか振ってみたいから買ったし(実際木刀を振り回すのは楽しい)、歴史もなんか知りたいので知る。それができる環境にいるのはめちゃくちゃラッキーだなと思う。

いつか『乙嫁語り』に出てきた「遊牧民にとって、羊の数が財産であるならば馬の数は誇りである」の意味が理解できたらいいと思う。

その他日記

3枚目の図書カードを図書館で作ってもらう羽目になった。もはや本を借りるたびに紛失に気づき作り直している。申し訳ない。持ち歩く系重要書類入れ(障害者手帳、PASMOなんかもここ)に入れておいたので次は無いはず!

他にも書こうとしていた何かがあったはずなんだけど思い出せないので書けません。そういう日もある。早く涼しくなってほしいね。

じゃあまた。

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